川柳20句『みる美学』
鐘をつくグルーヴ感の残酷さ
背中からポロリと落ちた長い影
夜の鳥 独房に髪 過不足を
門をあけどちらをむけば清潔か
カスタマイズの長い告白
大昔 自由を得たと思い込む
栄えて死んだイントラネット
通り過ぎ執行された深夜バス
戦前のぬいぐるみから複製す
大好きなワニのシーズンの開幕
異邦人の漏斗状の先の罠
枕頭にふえるわかめを置いたふり
騒がしい高野豆腐に増えた脚
猥雑で宗教的な誕生日
聖典のエントロピーは無視します
ゴーゴリのケーブル二本持ち去った
体制がヘミングウェイを実装す
森林にツルゲーネフの足跡と
検閲はカポーティ的に済ませます
身体のオフロスキーにみる美学
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