【RAG】「何でも答える万能AI」を「特定分野の専門家AI」にする手法🧠💭
こんにちは!テクニカルディレクター集団「BASSDRUM」のnaruminです。
最近私の中で生成AI(かっこいいので以下GenAIと言いたい)がブームです。毎日目まぐるしく発展するAI分野はニュースを追いかけているだけでもまるでSF小説を読んでいるようでワクワクします🚀
そんな中「私もAIについて何か企画を考えたいな!」と思いました。大好きな美容についてのチャットボットでも作ってみるかと腰を上げましたところ…、美容や医療など薬事法など法律が絡むAIコンテンツの生成は「間違った回答を生成して健康被害を招く」「倫理的にふさわしくない回答の生成リスク」など懸念事項が多いなということ知りました😢
汎用的なGenAIに、「さらに専門領域と最新の情報をインプットした専門家AIに育てるにはどうしたらいいか?」と思って、旦那よりも会話している大親友のGPT-4oに相談したところ、「RAG」という手法を見つけたのでシェアします。
RAGとは何か?
RAGは、GenAIモデルの応答の精度と信頼性を向上させるための手法です。
これまではGenAIモデルが限られたトレーニングデータに依存するため、新しい情報や専門知識に基づいた質問に正確に応答できない問題がありました。この課題を解決するため、Facebook AI Research(FAIR)の研究者たちは、動的に情報を取得し、それを元に生成モデルが応答を生成するRAG(Retrieval-Augmented Generation)を提案しました。
RAGでは大規模なデータベースや知識ベースから情報を検索し、その情報を元に生成モデルが正確で有益な応答を生成します。
具体的には、ユーザーの質問に関連する文書やデータを検索し、その後、検索結果をもとに生成モデル(例えばGPT-3やGPT-4)が応答を生成します。この二段階のプロセスにより、応答の質が向上し、ユーザーにとって有用な情報を提供できる用になりました。
どんなときにRAGを使うか?
RAGを利用するべき状況や条件には以下のものがあります。
正確な情報が求められる場合
医療や法務など、正確で信頼性の高い情報が必要な分野で特に有用です。多様な知識が必要な場合
カスタマーサポートや技術サポートなど、幅広い知識が求められる場面で効果的です。動的な情報が必要な場合
ニュースやマーケットレポートなど、情報が頻繁に更新される分野で役立ちます。最新データや企業独自データの活用
汎用的なGenAIは、学習の範囲に含まれていない最新のデータや企業独自のデータに基づいた回答を生成するのが難しいことがあります。RAGの仕組みを活用することで、検索対象とするデータベース次第でこうした課題を解消できます。
RAGを実装する時に役立つ手法やツール
RAGを効果的に実装するための手法やツールを紹介します。
検索エンジンとの統合
ElasticsearchやApache Solrなどの検索エンジンを使用することで、高速でスケーラブルな検索機能を実現します。知識ベースの構築
Wikipedia、科学論文データベース、企業内ドキュメント管理システムなど、多様な情報源を活用します。APIの活用
Google Knowledge Graph APIやIBM Watson Discoveryなどの外部APIを利用して、外部の大規模なデータベースから情報を取得できます。モデルのトレーニング
Hugging FaceのTransformersライブラリやOpenAIのAPIを使って、カスタマイズされたトレーニングを行い、モデルの精度を向上させます。
RAGが活用される具体的な場面って?
最後に、RAGが活用される具体的な場面を紹介します。
カスタマーサポート
大手企業のカスタマーサポートチャットボットにRAGを導入することで、迅速かつ正確な応答が提供されています。これまで蓄積させてきた顧客データをベースにした回答を生成できるため顧客満足度が向上し、サポートコストの削減も実現されています。医療分野
医療情報提供プラットフォームでRAGが利用され、医師や看護師が最新の研究論文や治療ガイドラインに基づいた情報を迅速に取得できるようになっています。教育分野
オンライン教育プラットフォームでRAGが活用され、学生が質問した内容に対して関連する学術文献や教材を提供し、学習効果が向上しています。ニュース配信
ニュースメディアでRAGを用いて最新情報を収集し、記事を自動生成するシステムが導入されています。これにより、速報性の高いニュースを迅速に配信することが可能となり、読者の信頼を得ることができています。
RAGは、GenAIの専門性を高め、使いどころの可能性を広げる強力な手法ということがわかりました!
RAGを適切に導入することで、汎用AIを使うだけでは克服できない課題を解決し、情報の正確性や有用性を大幅に向上させることができます。
最後に、BASSDRUMとは
BASSDRUMは、テクニカルディレクターが中心に集まった組織です。
さまざまなものづくりに関するプロジェクトにおいて、コアメンバーとして参画し、技術的な側面から寄与していくテクニカルディレクターに質問・相談がありましたら hello@bassdrum.org までお問い合わせください。https://bassdrum.org/ja/
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