奥行きのあるラジオ通信～2023秋～

「改めましてこんばんは」なんて二人が落とす影のストライプ。

どうも、鳴海です。

2023年秋アニメの感想を出せたのは、『私の推しは悪役令嬢。』『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』の2作品でございました。

視聴が順調とはなんだったのか。違うんです、石を投げるその手を一度止めてください。『葬送のフリーレン』、『薬屋のひとりごと』、『シャングリラ・フロンティア』、『アンデッドアンラック』……。ことごとく2クール作品やんけ！！！ まぁ、別に1クール時点の感想を出しても悪くはないんですけれど、でもまぁ続いてるしなぁ、という気分です。

ちなみに、『アンダーニンジャ』の感想は収録しましたが、結局没にしてしまいました。私がこの作品に対して感じている面白さよりも、構成の話に終始してしまった気がしたので。「ピボットターンの範囲で捉えられる光景の上に無限に要素が積み上がっていく」、「なんでこのジェンガが倒れずに立っているのかがわからない」というようなことを言っていました。

2話まで見た作品としては『SHY』、『鴨乃橋ロンの禁断推理』、『豚のレバーは加熱しろ』あたりになりますが、今回は「見たいけど見れなかった」というよりは「切った」という感覚が強かったかもしれません。電撃小説大賞には謎の信頼を寄せていたりはするのですが……。「見たいけど見れなかった大賞」は１話も見れていない『アイドルマスター ミリオンライブ!』です。おめでとうございます。見ろ。

劇場版の感想としては、

ガルパン最終章の第4話が出ています。実際楽しめてしまっているので、もう復習とかはいいか、と思い始めました。いざ終わりが近づいてくると一抹の寂しさも覚えますが、終わってくれないのもやっぱり困る。

感想こそ出せていませんが、『北極百貨店のコンシェルジュさん』、『駒田蒸留所へようこそ』は面白かったので軽くここで感想をば。

『北極百貨店のコンシェルジュさん』
オープニングの躍動感。主線の主張がない感じが海外のアニメーションを想起させて、絵本のようにも感じられるファンタジー空間としての百貨店が際立っていました。私の人生の中にはあまり百貨店にまつわる風景がなく、故に憧れの対象としての百貨店も遠くになりにけり、といった具合なのですが、こうした究極の接客があらゆる悩みに解決をもたらす場であればいいな、と漠然と思っていたような気がします。「インサイト」といったか、そういったマーケティング用語が指すように、動物のお客様にもそれぞれ潜在的な欲求があって、それが商品の形で現れるのでしょう。物理的サイズ感の幅が広いので、各々が思い思いにひしめくだけで画面が面白かったです。やはり津田さんの演技に言及している方が多く見られた印象ですが、たった数瞬の間に「赦し」や「感動」が詰まっていて、この作品の重心はここだな、とわからせる重みがありました。誰が為のオモテナシか、ということに思いを馳せつつ、憧れがループして受け継がれるのは素敵だな、と思いました。

『駒田蒸留所へようこそ』
P.A.WORKSが誇る「お仕事シリーズ」最新作。劇場作品としての題材はウイスキー。登場人物の年齢を引き上げることでいよいよ作劇の手つきがドラマのそれに近づいており、「アニメならでは」という点に言及しづらくはあるのですが、アニメとして描かれることで親しみやすさが増したり、ある種の解像度を上げてくれる効果があるように思います。ウイスキー入門にもなるし、「ブレンダーってかっこいい！」とも思えるので。「家族の酒」というテーマが「家族」として着地するのが綺麗だな、と思ったのですが、パンフレットを読む限りけっこう紆余曲折があったみたいです。大人になってからの葛藤というものは厄介なもので、なんらかの成長をして解決に至る物語ではどうしたってあれないのですよね。だから、主人公を二人にして、未熟なライターとして成長要素を切り離したのだと思います。序盤のライターとしての姿勢に言いたいことはありますが、それはさておき、最初に二人が衝突する火種になる「"働くこと"の価値観」は身につまされるものがあります。「どうなりたいのか」と「どうしたいのか」。お兄ちゃんは多重に役割を背負っていましたが、この方向の悩みに効いてくるのが特に好きでした。「成果物が得られるのが先になる」、「ループさせ続けなければならない」といった点でウイスキーとアニメは共通していると言えるのだとか。なればこそ試練は天災のように降ってきますが、この道の先にはもう「お仕事シリーズ」はないのかもしれません。

はい、ということで、秋クール終了までのあれやこれやでした。目下、アニソン語り「せーので聴けって言ってんの！」の取りまとめに入っているところですので引き続き頑張ります。

あ、あと謎に限定公開を貫いてきた「ブログ出張版」も普通に公開しました。理由は「奥行きのあるラジオ」の更新頻度が低すぎるからです。たぶん、この先もゲームを遊び終わったときとかに出ます。

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それでは、また次回！