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DOACの特徴~4種類それぞれの違いは?

※この記事は医療従事者向けです。

DOACについて改めて勉強したい

直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)は、虚血性脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制を目的として使用される薬。

現在4種類が発売されています。
・ダビガトランエテキシラート(プラザキサ)
・リバーロキサバン(イグザレルト)
・アピキサバン(エリキュース)
・エドキサバン(リクシアナ)

ワルファリンカリウムと異なり、納豆などを食べることができ、服用後速やかに効果が発現する、頭蓋内出血が少ない、などの利点があります。

広く使われている薬ですが、使い分けがいまいちよくわからない・・・ということで、今回はDOACの使い分けについて学びます。

それぞれのDOACの特徴

〇ダビガトランエテキシラート(プラザキサ)

プラザキサは1日2回服用する薬剤。DOACの中では唯一トロンビンを標的因子にしています。

DOACの中では唯一中和剤があります。中和剤の名前はプリズバインド®静注液2.5g 『一般名:イダルシズマブ(遺伝子組換え)』です。

大部分が腎臓を介して排泄されるため、腎障害がある場合は減量・中止する必要があります。CrCl<30mL/minの場合は使用禁忌です。

適応は『非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制』のみ。

他の3つの薬と違い、CYP3A4による代謝の影響をうけません。代わりに、腎臓で排泄されます。


〇リバーロキサバン(イグザレルト)

1日1回タイプの薬剤のため、コンプライアンスが悪い方にお勧めできます。

CrCl<15mL/minの方には禁忌。剤形は錠剤の他、細粒剤があります。嚥下障害の方や経管栄養の場合も使用できることがポイント。

〇アピキサバン(エリキュース)

1日2回タイプの薬剤。1回用量は、『心房細動患者の塞栓症発症抑制』の場合は5㎎、『静脈血栓塞栓症』の場合は7日間10㎎を1日2回投与した後、1回5㎎に減量します。

しかし、添付文章中で、年齢・体重・腎機能に応じて減量することが明確に決められています。

〈非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制〉
7.1 次の基準の2つ以上に該当する患者は、出血のリスクが高く、本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるため、1回2.5mg1日2回経口投与する。(「臨床成績」の項参照)
・80歳以上(「高齢者への投与」の項参照)
・体重60kg以下
・血清クレアチニン1.5mg/dL以上

エリキュース添付文章より

〇エドキサバン(リクシアナ)

1日1回服用の薬剤です。

他の3つの薬剤との違いは、唯一『下肢整形外科手術施行患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制』があること。予防保険承認を受けています。

他の薬剤と違い、OD錠があります。錠剤の嚥下が苦手な人にオススメできることが特徴。


参考文献一覧


・直接経口抗凝固薬(DOAC)の特徴と使い分け, 櫻井まみ. 日医大会誌 2018; 14(3)



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