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ケメ子さん

私は文章が得意ではありません。

とても理屈っぽいのに、語彙力が貧困です。誰かの支持がないと不安で、元となる史料や文献をたくさん引用します。「どうよ、これなら問題ないでしょ?」とでも言いたげです。例えば、どこかの博物館に収蔵されている石碑に触れるとき、所蔵番号を必ず付記します。時代と出土地も書かないと落ち着きません。できれば、材質や大きさも伝えたいです。そして、誰がその石碑について研究を発表してきたかというリストも欲しいです。病的です。だから、他人の論文を読んで、「あ、面白い」と思ってページ下の脚注に目を移すとき、'Smith 1999, p. 25'とだけあると心の中で舌打ちしてしまいます。「スミスの1999年出版の本の25ページ目なんて言われても、そんなの手元にないよ。典拠となる史料の番号があれば自分で探して、直接原文を読むのに・・・」と不機嫌になります。

二年前、博士論文を英国で出版したとき、ページよっては半分以上が脚注で埋もれるという恐ろしいことが起きました。編集者のヴェンディさんは頭を抱えたに違いありません。こうして、読みやすさを優先できず、忘備録のようになってしまう自分の文章はつい無駄が多くなってしまいます。直さなきゃ。治らないよ。どうしよう。誰か助けて。タスケテ・・・。

そこで、ケメ子さんを呼びました。私の相棒です。批判的だけど、建設的に私に助言してくれます。エジプトがケメト(「黒い地」)と呼ばれたことは前にお伝えしました。ケメ子さんはその化身です。彼女の姿はまだ定まっていません。描いていくうちに、はっきりしてくるでしょう。そんな気持ちで、読者の皆さんにも見守っていただきたいと思います。

今日は初めてフォロワーさんができました。ありがとうございます。SNS未経験だった私にとっては何もかもが初めてで、とても嬉しかったです。いろんな機能。いろんなボタン。これは何ですか?ケメ子さんはそういうことはなかなか教えてくれません。


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