【薬2】酸化Mgとレボドパ・カルビドパの相互作用はあるのか
「酸化Mgとレボドパ製剤って同時に経口投与してもいいの?」
レボドパ製剤は、酸化Mgと同時に簡易懸濁するとメラニン生成によるレボドパの含量低下が知られています。
では、経口投与ではどうでしょう。
マグミット®︎とネオドパストン®︎の添付文書を開いても特段の記載はありません。
疑問に感じたので調べてみることにしました。
酸化Mgと併用することで、レボドパの血中濃度が約20%、カルビドパは約40%も低下するとのこと。
これは無視できる値ではないですね。
また、in vitroにおいて、塩基性条件下でレボドパ・カルビドパを溶解するとレボドパ・カルビドパともに含有濃度が低下するとのこと。
同時に簡易懸濁してはいけない理由は、pHの上昇も原因なのですね。
ということは、酸化Mgだけでなく、pHを上昇させる薬剤との簡易懸濁も注意が必要そうです。
さらに、経口投与で吸収低下する理由の一つが、酸化Mgによる胃内pHの上昇なのであれば、PPIなどの胃内pHを上昇させる薬剤との併用でも吸収低下を引き起こしそうですが。。
ということで検索してみます。
この文献では、PPIやH2 blockerの併用では血中濃度に影響はなかったとしています。
ただ、酸化Mgを併用しても非併用群と比較して血中濃度に有意差はみられなかったとしています。
文献によって結論が違うようですが、このデータは2017年、はじめの論文は2023年と比較的最近のデータなので、これからデータが蓄積されれば添付文書の改訂などがあるかもしれません。
ただ、パーキンソン病という疾患の特性上、そして血中濃度が低下するというデータがある以上、結論は、
「酸化マグネシウムとレボドパ製剤の併用はなるべく避ける(服用タイミングをずらす)」
今回も大変勉強になりました。
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