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未来に向かって輝くヒーローたち


2年程前から、
あるスポーツのジュニア選手達に
ピラティスレッスンをさせて頂いている。

対象選手の年齢は11歳から20歳。
最近は中学生以上と小学生以下の2つのグループにレッスンをしている。

その中にはオリンピックに出た選手や世界選手権で優勝している選手がいる。

初めてのレッスンの時は
すごく緊張したのを覚えている。
そのスポーツをしたこともなければ
生で見たこともないから、
YouTubeで選手の動きを見て情報収集をした。

すごくかっこよくてArtだと思った。

中学生の選手の中には真面目に取り組む子もいるが長時間練習したあとだから疲れすぎてレッスンに集中できない子も多い。魂が飛んでいる子もいる。

普段レッスンをさせてもらってるクライアントさんは大体が大人である。エクササイズをしてくれないなんてことは絶対ない。

選手達がどうやったら楽しくかつ集中して受けれるレッスン内容にするかを考えることがミソになる。

いつも、なかなか集中できない女の子が1人いる。レッスンの初めには、立位で背骨を観察するロールダウンという動きがある。

そのロールダウンをする前に
「先生、おしりかゆ〜い」と大きな声で、
そしてお尻をぽりぽりかいていた。

そんな女の子だ。もうすぐJKになるそう。
まわりからは精神年齢が小学生1年生と言われていた。



この出張レッスンが始まり半年以上たった頃
途中から小学生以下の生徒達にも教えることになった。

お尻ぽりぽり星人のあの女の子から
次の小学生のグループはうるさいから大変だよ。
と言われた。


初めて小学生の選手にレッスンした時は
驚きの嵐だった。

思春期の中学生とのコミュニケーションに感じる人と人との壁みたいなものが全くなく、

大きな声で挨拶をしてくれる。

レッスン前の時間にはドッジボールやお絵かきが始まる。

そしてドッジボールを終わらせて
レッスンをするのが大変なのだ。

レッスンを開始しても
1人がなにか面白いことをして
周りがそれに乗っかり全く進まない。

そう、まさに小学校の先生になった気分。

エクササイズをしているようで変顔をしている。
これにはおもわず笑ってしまう。


ピラティスレッスンの前までは
朝からずーっと練習をしているそう。

レッスンの前にはみんなが練習しているところを
たまに見ることができる。

私が見ている時の子供らしい姿は
そこにはなく、プロの選手の表情をしている。

学校はほとんど行かず、練習の合間で勉強をしている。休みの日も別のレッスンを受けたりとみんな忙しい。

オフという日は年に数回だそう。
風邪をひく暇もないとある子は言っていた。


将来はどんなふうになりたい?
と聞くと
「オリンピックにでること、コーチになること」

躊躇することなく彼女はそう言った。


すでに世界で戦ってる子もいたり、
その世界に早く行きたくて目をキラキラさせている子たちばかりだ。


ある日のレッスンではセラバンドを使った。
伸びるバンドでそれは緑色をしていた。

1人の女の子が
目にそのバンドをかけた。

真似をして、他の子も目にかけた。

みんなかけた。

まるでヒーローの集まりみたいだった。

そして1人がバンドを目から外して
大きな声で

「世界がピンク色だぁぁあ」

と叫んだ。

周りも外して

「ピンク色!すっごぉーい!」

と喜んでいる。

なんでなんでと不思議そうにかけては外しを繰り返してピンク色と緑色の世界を行ったり来たり。

ピンク色に見える世界が
こんなにも嬉しくて喜んで笑い合って、

彼女達は、これから進む世界に落ちているささいな気づきを拾いながら、今よりももっと高く、美しく回って飛んで、かっこよく着地しスポットライトを浴びるのであろう。





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