私はアンパンマン
私はアンパンマンだと思った。
息子は2700gほどで生まれた。
生まれたすぐも今も、この小さな赤ちゃんがお腹にいたと思うと不思議でたまらない。よく入っていたな〜と思う。
そして、出産後すぐから母乳がでたこの体も不思議である。
息子は入院中、日に日に体重が減っていた。
むくみがとれる関係もあり、だいたいの赤ちゃんはそうらしい。
しかし、息子は予定日の3週間はやく生まれたため、
私の母乳の出具合と体重の減り具合でミルクを足すかどうか
助産師さんたちは悩んでいた。
授乳前後での体重変化を知るため、毎回体重を測っていた。
それが入院中の楽しみでもあった。
最初は助産師さんが測りに行ってくれ、6g増えていたよと報告してくれた。
今思えば、たった6gだけど
その時は助産師さんと一緒に喜んだのを覚えている。
息子はまだお腹にいる気分なのか、おっぱい咥えさせるのも一苦労。
助産師さんにはよく「やる気ないなぁ」と言われていた。
そして、私も咥えさすのに汗をかきながら必死。
それはまさしく息子との初めての共同作業だった。
お互い良いタッグが組めていけたのか20g、30gと飲める量がどんどんと増えていった。結局、ミルクをほとんど足すことなく退院となった。
退院後、何回も授乳し、咥えさすのにも時間がかからなくなっていた。
一発でいけたときは未だに嬉しい。感覚的にはモグラ叩きのようでタイミングが大事。
退院後は姉と1ヶ月先に生まれた甥っ子と一緒に住んでいた。我が家はとても賑やか。生まれたタイミングもあり甥っ子は大きく、いつ見ても息子が小さく見えた。そのため、母からは体重が増えているかよく心配された。
2週間健診。退院してからのはじめての外出。
大きすぎるチャイルドシートに息子を乗せて病院へと向かう。
はだかんぼにされた息子が体重計に乗る。
3124g、なんと1日に45g増えていた。目安を余裕で超えていた。
そして1ヶ月健診も特に異常なく、無事に終わった。
そして今はちょうど生まれてから2ヶ月がたつ。
体重は簡易的に測ってだいたい5kgになっている。
生まれたときの倍の体重。
お腹が空いたと知らせてくれる泣き声は大きく、飲む力もかなり強くなった。がりがりだった足はむっちりになり、顔はまんまるとしてきた。
母乳だけでこんなに大きくなれる赤ちゃんの身体と母乳のすごさを感じる。
妊娠中は胎盤を通して豆サイズが約3000gまで大きくなっていくのだが、産後は自分と赤ちゃんが切り離されて、目に見える形で自分の一部を受け渡している。
出産後すぐ息子を抱っこした時、それぞれの個体が独立しているのだけど、2人まとめて大きな何かに包まれ、あったかい感覚があった。
今も授乳のたびに繋がっているような感覚がある。
それは人生で初めて感じた幸せの感覚。
今の息子にとってきっとわたしはアンパンマン。
ジャムおじさんは夫だろうか、バタコさんは母だろうか。
同時に息子にとって夫がアンパンマンになる瞬間があって、
その時わたしはジきっとャムおじさんだろう。
子供を育てるのは親の義務であるけど、
親と子の関係には義務を超えた何かがある。
そして息子にとってヒーローでありたいと思う。
ヒーローが2人。バイキンマンなんていちころだ。
そういえば、私は中学生のころのあだ名の1つがアンパンマンだった。
ほっぺがアンパンマンのようだったから。
今、私の胸で寝ている息子は私と同じほっぺをしている。
飴玉を2つ入れているような可愛いほっぺ。
あなたも誰かにとってのアンパンマンになっていくのだろうか。
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