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生成AIを、みんなで試して学んでいくために -カジュアルプロンプトソンをやってみた-

ここ数か月、ほぼ毎日ChatGPTなどの生成AIについて何かしら記事やSNSの投稿を見るようになりました。

その中で
「新しいリリース情報が共有されるが、出てくる情報が多すぎてついていけない」
「でも、わかってないとも言いづらい…><」
「もっと生成AIを触ってみたいと思っているけど、一人だとどこから始めたらいいのか二の足を踏んでしまう…」
私はこんな状況にいました。

そんな中、たまたま「プロンプトソン」なるものを知り、さらに同じ会社のメンバーがこのプロンプトソンで最優秀賞を受賞しました

そこで「プロンプトソンを自分自身が開催すると、生成AIをより実践するきっかけになるかも?」というアイデアが浮かび、5月から6月の間、チームメンバー9名で3回ほどプロンプトソンをやってみました。

結果として私の生成AIの理解がすすんだのはもちろんのこと、参加者からも「自分一人だとなかなか手が出せなかったけど、プロンプトソンをきっかけに生成AIを使ってみるようになった」といった声も聞くようになりました。

こうした「技術者以外における生成AIのチーム学習」はあまり見つけられなかったので、この記事では私たちがやってきた実践について記載してみます。

そもそもプロンプトソンって?

世界初開催されたこちらのプロンプトソンでは以下のように記載されています。

Promptathonは、「プロンプト」と「ハッカソン」のコンセプトを組み合わせたコンペティションです。

参加者は、当日発表される与えられたトピックに沿ったツールを設計・開発します。GPT-4やStable Diffusionなどの最新テクノロジーを活用してツールを作成します。

応募作品は、プロンプトエンジニアリング、創造性、実用性を評価し、最優秀賞を含む一部受賞作品へは、賞品のほか wrtn Technologiesが運営する実際のサービスへ掲載予定です。このコンペティションは、刺激的で情報量の多いイベントとなることでしょう。ご参加お待ちしています!

これをそのままやろうとするのは大変なので、以下を前提に考えてみることにしました。

<手軽に実施してみるためのカスタマイズ>

  • 時間はできるだけ短く

  • プロンプトの評価はしない(現状の自分たちのスキルだと、いいプロンプトかどうかを評価する時間よりも、楽しみながらトライ&エラーする時間を増やす方が価値がありそうだと思ったから)

  • プロンプトを作ってみた後に振り返りを実施する

  • ペアで会話しながら実施する(一人でプロンプトを作ろうとすると悩んでしまうため)

カジュアルプロンプトソンの進め方

実際にはこんな概要、アジェンダ、お題で実施してみました。

<概要>

  • 人数     :9名

  • 実施回数   :3回

  • 1回の実施時間:1時間

  • 場所     :オンライン(Teams+Miro)

  • 利用ツール  :ChatGPTBing Image Creator


<アジェンダ>

  • ヒアリングしてペア決定

  • 今日のお題をご紹介

  • ペアでお題に取り組む(プロンプトを作成する)※

  • 作成したプロンプトを全体で共有する

※の部分では、各ペアのブレイクアウトルームを作成しました。

すすめ方はこんな感じ


ペアは、できるだけたくさん使っている人とそうでない人を組み合わせる形に


<お題>
プロンプトソンをやるにあたり、一番難しいのが「お題」だなと思いました。何をお題にするとみんなで楽しめて、それでいて学びがあったと思ってもらえるのか…。

私たちは、事前に自分たちの業務プロセスを洗い出し、その中でどう生成AIが活用できそうかあたりを付け、その中から「ここを実践すると価値がありそう」と思った箇所を実施してみました。

実際に実施したお題はこちらです。

1回目:インタビューの要約
2回目:(とあるアイデアに対し)アイデアスケッチの画像生成
3回目:(とある課題に対し)ペルソナ・問い・アイデア作成

やってみて、どうだった?

人間とくらべものにならない早さで読んで要約できる!」といった感動コメントに加え、「一人だとなかなかできないけれど、一緒にやるともっとChatGPTを使ってみようと思った」という声もあり、何かしら気持ちや行動をエンパワメントすることができたのかなと思っています。

また、この実践を通して「他の人がどういった思考プロセスで業務を進めているのかがわかった」というコメントもありました。
プロンプトを入力するにあ、何をどうやりたいか言語化する必要があるので、自分の仕事の振り返りや相手の仕事の仕方の理解にもつながりそうです。

一方で「生成AIが出力した内容を人間がチェックする必要がある。そうすると効率化はされないかも?」「人だとできる想像の飛躍ができないと感じた」と言ったコメントもあり、より良い生成AIとの使い方・付き合い方を考えるきっかけにもなりました。

カジュアルプロンプトソンをやってみたくなった人へ

何事も、やってみないとわからない。
でもどう始めたらわからない。
そんな人にこの記事が届いているといいなと思っています。

もしここまで読まれて、「うちの会社、組織、チームでもやってみたい!」と思った方がいたらぜひこの記事を参考にしつつ、あらたなやり方の模索も含めて実践してもらえたらと思っています!

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