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哲学教室 [小学生の部] (6月4日実施)

ナラナラ・スクール事務局の矢口ゆりです。
各教室の様子を個人的な感想と共にお伝えします。

https://narranarra-school.myportfolio.com/


6月4日(日)に哲学教室(小学生の部)を実施しました。
世界中で読み親しまれている『ガリバー旅行記』(ジョナサン・スウィフト 作、柴田元幸 訳)を読みながら、自由に語り合う教室です。


◉『ガリバー旅行記』第3部が風刺する内容等
6/4に確認した内容:
・『ガリバー旅行記』は現実にはあり得ないことだらけの内容だが、それが何故かあり得るように感じてしまう不思議な本であり、300年も前に書かれているが今でも読み継がれている古典、名作である
・ラプータに登場する言語機械は、コンピューターの基礎となるものである
・ラプータ人は空想力が全くないが、政治や国の運営にはとても興味がある
・1989年6月4日は、中国の民主化運動である天安門事件が起きた日である
・空に浮かぶラプータは、下にあるバルニバービを恐怖で支配している
・ラプータは市民のことを考えず、想像力もない
・ドイツ人であるカール・マルクスが共産主義の理論を作った

語り合った内容、意見等:
・現時点における『ガリバー旅行記』の感想
・日本の古典は何か
・具象と抽象について
・民主主義と共産主義について
・香港で起きた民主化運動について
・皆で豊かになるが自由がない国、貧乏人と大金持ちがいて自由がある国、どちらが良いか
・自分の得意分野や好きなものは何か

次回実施予定日:6月18日(日)




ここからは私の個人的な感想をお伝えしますね。

最初に、現時点での感想について参加者さんに質問していました。
「不思議だけど絶対ないとは言い切れない」と参加者さんが回答されていましたが、まさにそのような点が『ガリバー旅行記』の魅力であり、中村の発言通り「300年も前に書かれているが、今でも読み続けられている古典(名作)」である理由なのだと思いました。
さらに、日本の古典は何かについて中村が質問していましたが、参加者さんは「鳥獣戯画」「百人一首」と回答されていました。
日本最古の漫画と言われている『鳥獣戯画』ですが、そういった平安時代に書かれたものが今も読まれていると考えると、本当にすごいことですね。

続いて、参加者さん自作の詩を中村が代読していました。
言葉選びのセンスが光っており、言葉遊びの楽しさが絶妙に表現されている詩だと感じました。
代読後、その詩が書かれたメールを中村が提示していました。
音の響きが心地良い聴覚的な楽しさに加えて、あえてひらがなで書かれたその文字の並び方等、視覚的な面白さも感じられる素敵な詩だと思いました。

前回お休みされた参加者さんがおられたので、内容を振り返りながら中村が説明していました。
空想力はないが政治には興味があるラプータ人の説明から、天安門事件へと話が移り、民主主義と共産主義の話になりました。
皆で豊かになるが自由がない国と、貧乏人も大金持ちもいるが自由がある国ではどちらが良いかについて中村が質問していましたが、参加者さんは「自由がある方が良い」「努力すればするほどお金持ちになれるという考え方がいい」と回答しておられました。
さらに中村は「音楽の才能がある人がいたり、運動ができる人がいたりと人は同じものではないので、スウィフトのような天才がいる一方で、精一杯努力してもスウィフトのようになれない人がいるという不平等も起きてしまう」「それであれば、マルクスのようにある程度は皆で豊かになる社会を作ろうという考える人も出てくる」と発言した後で、やはり自由があった方が良いと思うかについて再度問いかけていました。
「自由があれば自分の特技を仕事に活かせるから、うまくいけば儲かる」という参加者さんの回答に「すごくシンプル、クリアでいい」と中村が発言していましたが、本当にその通りですね。

最後は、参加者さんの得意分野や好きなものの話になりました。
中村が発言していたように、自由がある国はそのような自分の特技や趣味等、色々な可能性を広げられる国ということなのだと改めて感じました。

今回も参加者さん自作の詩が印象に残りました。
そして、自由というものについて改めて考える良い機会となりました。
次回の内容も楽しみです。
皆様、お疲れ様でした。

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