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哲学教室 『ガリバー旅行記』編 [小学生の部] (3月12日)

ナラナラ・スクール事務局の矢口ゆりです。
各教室の様子を個人的な感想と共にお伝えします。

https://narranarra-school.myportfolio.com/


3月12日(日)に哲学教室(小学生の部)を実施しました。
世界中で読み親しまれている『ガリバー旅行記』(ジョナサン・スウィフト 作、柴田元幸 訳)を読みながら、自由に語り合う教室です。


◉『ガリバー旅行記』第1部のまとめ、第2部の内容について
3/12に確認した内容:
・リリパット国では男女平等で高度な学校教育を行っており、リリパット人は体は小さいが頭脳明晰である
・リリパット国の帝は、世界には自国とプレフスキュ帝国の二国しか存在しないと考えている
・現在、欧米を中心とした西側のNATOとロシアを中心とした東側のCSTOの二つの勢力がある
・日本が第二次世界大戦以降平和である理由は、憲法第九条で戦争放棄を名言し、日米安保条約でアメリカに守られているから
・喜望峰、マダガスカル海峡、モルッカ諸島の位置
・地球儀は上から見るのと下から見るのとで私たちの地球感が変わる
・世界には巨人伝説がたくさんある

語り合った内容、意見等:
・ウクライナとロシアの戦争を終了させる方法
・日本がNATOに加盟していない理由
・戦争は何故繰り返されるのか、平和を永遠に守るためにはどうしたらいいか
・第2部についての印象
・巨人に出会ったらどうするか
・人類が何故巨人について語ってきたのかについて今後考えたい

次回実施予定日:3月19日(日)




ここからは私の個人的な感想をお伝えしますね。

前回お休みされた参加者さんがおられたので、内容を復習しながら始まりました。要職登用の方法が馬鹿げたものだったり下らないことが原因で戦争をしているリリパット国ですが、参加者さんや中村の発言通り、その一方で国民は頭脳明晰で、教育や法律面で理にかなっているところもありますよね。
そしてリリパット国民にとっては自国とブレフスキュの二国しか存在しない世界ですが、それは私たちが生きている資本主義社会(西側諸国)と社会主義・共産主義社会(東側諸国)という大まかに二大勢力が存在する世界と一緒なんですよね。
中村が前回説明していた、リリパット国に様々な考えを持つ大臣が存在する点もそうですが、第1部が単なる空想の世界ではなく所々妙にリアリティを感じさせる理由はそういった部分もあるのかもしれないと思いました。

日本で今日まで平和が続いている理由の説明で、世界最強と言われるアメリカ軍の部隊の駐留国と駐留兵力を表す世界地図を中村が提示していました。
日米安保条約の存在感について頭では理解しているつもりでしたが、図で見ると一目瞭然ですね。

ウクライナとロシアの戦争を終わらせる方法について、今回新たな意見として「人や国等の境界という概念をなくし世界を一つにする」と参加者さんが発言されていました。
この意見について別の参加者さんから「その一つの世界を纏めるリーダーとなる人が誰かで揉めるのではないか」との意見があり、しばらくお二人で意見交換をされていました。
理想主義的な考え方の参加者さん、現実主義的な考え方の参加者さん、どちらも尤もな意見だと思いました。
中村の発言通り、理想主義と現実主義はまさに国際関係論の世界で長らく討議されていることですよね。
哲学教室の場でこういった意見交換が繰り広げられたことに驚きました。

第2部を読んだ印象について中村が質問していました。
ガリバーに気付いたブロブディングナグ人が踏み潰さず珍しげに見ていたのが意外だったという参加者さんの発言は、私も同感です。
そして確かに、第1部よりも非現実的な要素が少ないかもしれないですね。

ガリバーがブロブディングナグ国に至った行程について、中村が地球儀で地名と場所を確認しながら説明していました。
説明の際、ご自身の地球儀を使って確認されている参加者さんの姿を拝見して嬉しく感じました。
以前も中村から同様の発言がありましたが、地球儀上での視点の置き方で地球感が本当にガラッと変わりますよね。
違いがこのように影響するのは面白いと思いました。

巨人に出会った時の対処方法について中村が質問していました。
参加者さんが発言されていたように、私も真っ先に逃げると思います。
実際にはパニックに陥ってフリーズ状態、足がすくんだまま動けないかもしれません。
「珍しいから写真を撮る」「一旦隠れた後、巨人と仲良くなる方法を考えてお金儲けに繋げる」という参加者さんの意見もありました。
巨人をまさにゴヤの『巨人』のような獰猛なイメージで捉えていましたが、それはステレオタイプで案外友好的な可能性もありますよね。
そして突発的な事態に遭遇した際、フリーズせずその位の冷静さを持って行動できたらと思いました。

中村の発言通り、確かに巨人伝説は世界中にありますよね。
人類が巨人について語ってきた理由を考えていく今後の内容が楽しみです。
皆様、お疲れ様でした。


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