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エビデンスのない誹謗中傷で弱者を貶め続けるレイシストのお話

以前、「ライターが陥りやすい「エビデンス」の欠如」で、エビデンスのない文章がいかに不毛で生産性がないかについて、堀江貴文氏のツイッターを例に書きましたが、相変わらず次から次へと政治家の口やSNS上からエビデンスなきウジ虫がわいてきます。

暴言王の悪代官、麻生太郎が日本の新型コロナウイルスの感染者と死者が少ない理由を外国人記者に問われて、「お宅とうちの国とは国民の民度のレベルが違うんだ」と、またも世界に恥ずべき暴言を吐きました。

「民度」発言の麻生財務相 「国民、クオリティー高い」(朝日新聞DIGITAL)

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Wikipediaによると「民度」とは

特定の地域・国に住む人々の平均的な知的水準、教育水準、文化水準、行動様式などの成熟度の程度を指すとされる。明確な定義はなく、曖昧につかわれている言葉である。

とありました。

そうなんです。曖昧なんです。何を根拠に言っているのでしょうか。エビデンスは何でしょうか。一国を代表する大臣でありながら、毎回毎回、この老人が何のエビデンスもないことをほざくから、日本人の“民度”が問われるのです。

麻生太郎の理屈に則って、人口あたりの新型コロナウイルス感染者数で民度の高い国をランキングするなら

1位 ベトナム
2位 台湾
3位 韓国
4位 日本
5位 シンガポール
6位 中国
7位 インド

世界で最も民度が高い国はベトナムです。
日本は4位ですからたしかに健闘しています。

では、民度の低い国ランキングはどうでしょうか。

1位 ベルギー  
2位 スペイン  
3位 イタリア  
4位 イギリス  
5位 フランス  

まるでFIFAワールドカップの予想ランキングのようです。

国内に目を向けてみれば当然、東京都民がもっとも民度が低いということになります。

このように「民度」という何の根拠にもならない指標で新型コロナウイルスの感染者と死者が少ない原因を結論づけるという、小学生でもやらないような暴論を撒き散らすのがいまの日本の大臣(ナンバー2)なのです。

それはさておき。

今回の主題は、不毛で生産性がないだけなく、害悪を撒き散らすレイシストによるコンテンツのお話です。

セカンドレイプと闘う伊藤詩織さんを誹謗中傷する漫画家はすみとしこ氏です。

TBS記者(当時)の山口敬之氏からの性暴力被害を訴えた事件を巡り、ツイッターに虚偽の内容を投稿され名誉を傷つけられたとして、伊藤さんははすみとしこ氏ら3人を相手取り、慰謝料など計770万円の支払いと謝罪広告、投稿削除などを求めて東京地裁に提訴しました。

伊藤詩織さん、漫画家はすみとしこさんら3人を提訴。「枕営業」などツイートめぐり(ハフポスト日本版)

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伊藤さんは「投稿内容が極めて悪質で、性的被害に続くセカンドレイプ(二次被害)だ」と主張。

はすみとしこ氏は、伊藤さんの似顔絵に「枕営業大失敗!! 米国じゃキャバ嬢だけど私ジャーナリストになりたいの!試しに大物記者と寝てみたわ。だけどあれから音沙汰なし 私にタダ乗りしてこれってレイプでしょ?」というコピーを添えて、伊藤さんを中傷するおぞましいイラストをSNSに掲載。

しかし、はすみとしこ氏は「この作品はフィクション」「伊藤詩織さんへ。550万円欲しかったら、私が木村花さんの様にならないよう、最新の注意を払った方がいいんでねぇの?(原文まま)」「訴訟のせいで私に脅迫状が来ている」と反撃。このはすみとしこという漫画家は“風刺”の名のもとに、弱者をいたぶり中傷するのを芸とする、いわゆる“保守系”の漫画家です。

これまでも在日韓国人や生活保護受給者、難民、貧困女子、平和デモなどを揶揄・中傷するイラストで一部の狂信的な保守派、差別主義者たちを喜ばせています。

本来、風刺というのは権力者・社会的強者に向けられるものです。決して弱者に向けて牙を剥くものではありません。面白がって弱者を揶揄し、誹謗中傷するのは単なるいじめです。 

はすみとしこ氏の自称“風刺画”には、ジャーナリズムの精神もエスプリの欠片もありません。嘘や噂、憶測、偏見、先入観、差別主義、唯我独尊に凝り固まった単細胞脳で描かれただけの粗野で卑劣な中傷画でしかありません。

かつて、はすみとしこ氏が「そうだ難民しよう!他人の金で。」と、シリア難民を揶揄・中傷したイラストは、シリア難民の窮状を伝えるために国際慈善団体のジョナサン・ハイアムズ氏がレバノンの難民キャンプで撮影した少女の写真を無断でパクって描いたという、クリエイターにあるまじき盗人行為で描かれました。そして、「人種差別主義だ」などと世界中から批判が殺到。はすみとしこ氏はこの投稿を削除することになりました。

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根拠のないデマで10年以上も「殺人犯」と呼ばれ続け、誹謗中傷に苦しんできた芸人のスマイリーキクチさんは、「誹謗中傷は中毒です」と言っていますが、至極名言です。

世界中から「人種差別主義だ」と批判されても、懲りずに弱者への誹謗中傷を繰り返すはすみとしこ氏は、まさに誹謗中傷を生業とするプロの中毒者なのでしょう。

さらに、はすみとしこ氏は「日本の病巣を斬る」と題した座談会で、件の伊藤さんを中傷したイラストをパネルにして掲げ、同類の差別主義者の杉田水脈、長尾敬といった極右系自民党議員と一緒になってゲスな笑いを浮かべながら、寄ってたかって伊藤さんを小バカにし、揶揄・中傷し続けるという吐き気をもよおすおぞましさ。

伊藤さんは山口敬之氏に対し告訴するものの、東京地検は嫌疑不十分で不起訴決定(無実という意味ではありません)。逆に山口氏は伊藤さんから名誉を毀損されたことで社会的信用や仕事を失ったとして、慰謝料1億3000万円などを求めて反訴したものの棄却。続いて民事訴訟では伊藤さんが勝ち、東京地裁は山口氏に慰謝料330万円の支払いを命じました。そして、山口氏はこの判決を不服とし、東京高裁に控訴しています。

現時点で、伊藤さんの2勝1敗。
第4ラウンドの勝敗はまだついていません。
現在係争中のため、どちらが白でどちらが黒なのか
まだ決着はついていないとも言えます。

よく「伊藤詩織がウソをついているかもしれないじゃないか!山口が正しいかもしれないじゃないか!」とほざくバカがいますが、はすみとしこ氏がやっているのは真実の追及ではありません。ただの誹謗中傷です。どちらが白か黒かなんて誰にもわかりません。両者が真実を言っているのかもしれませんし、両者がウソをついているのかもしれません。だから裁判で戦っているのです。

堀江貴文氏のように裁判で有罪判決が出ても、「自分は無罪で、事件は検察側のでっち上げだ」と言ってしまっては、法治国家としては身も蓋もありません。もちろん冤罪の可能性も否定はできませんが、いまの日本では法律のもとで裁き、裁かれるしか手段はありません。もちろん世論が裁判の判決に影響を与えたり、法律を変える力を持つこともあるでしょう。近年では非道なあおり運転が横行したことで、世論の怒りが広がり法律を動かした例もあります。

しかし、エビデンスのない嘘や噂、憶測、偏見、先入観によって世論が形成される社会は、決して健全とは言えません。

問題なのは真実を知る術をもたないはすみとしこ氏が、エビデンスを提示することもなく、単なる憶測や伝聞だけで面白半分に、もしくは商売のために、一人の女性を誹謗中傷し続けていることなのです。

驚くべきことに、はすみとしこ氏は自身のツイッターで「尊敬する漫画家は誰か?」という問いに、「手塚治虫」と答えています。これもきっとはすみとしこ流のパロディなのでしょう。

生前の手塚治虫には、漫画を描く際に決して侵してはならないと守っていた三原則があったそうです。

1、戦争や災害の犠牲者をからかうようなこと。
1、特定の職業を見くだすようなこと。
1、民族や、国民、そして大衆をばかにするようなこと。

手塚治虫が大切に守っていたこの三原則をすべて毀損し、

1、戦争や災害の犠牲者をからかい(そうだ難民しよう!人の金で。)
1、特定の職業を見くだし(キャバ嬢、ジャーナリストになりたい!)、
1、民族や、国民、そして大衆をばかにする(職質かけられたくなきゃ国に帰れバーカ!)


ことを信条とし、弱者への中傷画を描き続けるはすみとしこ氏。

手塚治虫が侵すべからずと誓った三原則を踏みにじり、弱者を貶め、日本の漫画に泥を塗り続けるはすみとしこ氏。

手塚治虫以来、数多の漫画家たちが築き上げてきた世界に誇る日本の漫画を愚弄するにもほどがあります。


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