コンテンツマーケティングが広告ではない理由
コンテンツマーケティングを始めたいというご相談をいただくと、コンテンツマーケティングを広告の代替施策と考えている方が意外と多くいます。もっとも多いのがリスティング広告が効かなくなってきているから、という理由です。広告に費やしていた予算をコンテンツマーケティング施策に回して、より効果的に売上げにつなげたい、というのは間違っていません。
ただ、コンテンツマーケティングと広告は、その目的や効果がそもそも違います。広告に期待していたような認知獲得や集客を期待すると、「話が違う!」となりますので、その役割と特性の違いを理解しておくべきでしょう。
コンテンツマーケティングがワインなら
広告はビールである。
じっくりと時間をかけて醸成されたワイン。それはソムリエという専門家がいるように、その奥深さと食事との組み合わせによって、さまざまな表情を見せます。
コンテンツマーケティングは、ワインのようにじっくりと時間をかけて、ユーザーと信頼関係を結ぶために、少しずつ変化しながら継続することで効果を発揮します。
とはいえ、そんなにじっくりと時間をかけている余裕はない、という方には、軽くて安くてグイグイいける、ビールが強い相棒になってくれます。
広告はビールのように宴の導入にぴったり。特に最近は、ターゲットメディアとの親和性が高いネイティブアドが大人気です。リスティング広告やリターゲティング広告の効果が薄れてきたと悩んでいる方は、人気の高いターゲティングメディアでネイティブアドを試してみてはいかがでしょうか。
コンテンツマーケティングがサボテンなら
広告はサクラである。
サボテンは見かけも地味で、バラやサクラのようにその華やかさで注目を浴びることはありませんが、その生命力と癒し力は植物の王様と言えます。
コンテンツマーケティングは、長期的視点に立つと、サボテンのようにユーザーにとって頼りがいのある強く長生きするメディアに育ちます。
とはいえ、そんなにじっくりと時間をかけている余裕はない、という方には、日本の風物詩であるサクラが強い相棒になってくれます。
サクラのように、つかの間ながら華やかに注目を浴びる広告は、時流に乗せて告知することで、より多くの人に認知してもらい、その存在を強烈にアピールすることができます。
コンテンツマーケティングは、最初は目立ちにくく、集客と認知獲得にはある程度時間もかかります。
コンテンツマーケティングがハンカチなら
広告はトイレットペーパーである。
涙を流したときはもちろん、お⼿洗いのあとや、いざとなったらお尻を拭くこともでき、何度も洗って使い回すことができるハンカチ。
映画『幸福の⻩色いハンカチ』のように大切なメッセージを伝えるときにも役立ちます。
コンテンツマーケティングは、ハンカチのように⻑く⼤切につきあっていく恋⼈のような存在です。
とはいえ、毎日、用を足すたびにハンカチを使うわけにもいかない、という方には、水で跡形もなく流せるトイレットペーパーが、相棒としてあなたを助けてくれます。
広告はトイレットペーパーのようにあっという間に流されてしまいますが、短期間で認知してもらえる瞬発力とインパクトを与えるには、とても効果的です。
コンテンツマーケティングが必然の出逢いなら
広告は偶然の出逢いである。
コンテンツマーケティングは、ユーザーが求めるコンテンツを用意することで、必然の出逢いを演出します。
そして、集まったユーザーの行動履歴を把握し、その属性を精査していくことでユーザーの優良顧客化に役立てます。
必然の出逢いを演出できるのが良いコンテンツであり、その良いコンテンツを生むための拠点になるのがオウンドメディアです。
とはいえ、必然の出逢いを期待して、ただ時間をかけて待っているだけでは、せっかくのチャンスを逃す!という方には、偶然の出逢いを演出する広告が強い味方となります。
広告は不特定多数のターゲットの中から、さまざまなチャネルを使って、企業の商品やサービスに興味をもった人に出逢う機会を創出します。
コンテンツマーケティングが家臣なら
広告は女王である。
コンテンツマーケティングは、ユーザーが困ったときや悩んだときに、いつでも相談に乗り、問題を解決してくれる家臣のような存在です。
コンテンツマーケティングは、家臣の役割を果たして、はじめてその存在感を発揮します。
とはいえ、家臣だけの力で、多くのユーザーにメッセージを伝えたり、信頼を得るには、時間と手間がかかります。
そんなとき、より多くのユーザーにメッセージを届けるパワーと影響力を持つ女王の存在が不可欠です。広告は広く多くのユーザーにメッセージを届けるための、上意下達の女王的な存在です。
コンテンツマーケティングと広告の上手な併用
コンテンツマーケティングは、コンテンツを提供し続けることで長期的に見込み顧客を生み出し、優良顧客を育成する拠点となります。
長期的に行動履歴を把握することができるうえ、自社でメディアをコントロールできる点がメリットとなります。
広告(ペイドメディア)は、自社でユーザーの行動履歴を把握したり、メディアをコントロールするのは難しい一方、短期間で多くの認知・リードを獲得できるメリットがあります。
コンテンツマーケティングでどんなに魅力的なコンテンツを作っても、ユーザーに届かなければ意味がありません。
コンテンツマーケティングのコンテンツを効果的に拡散・偏在させるためには、広告(ペイドメディア)を上手に活用する必要があります。
目標設定に従って、コンテンツマーケティングと広告(ペイドメディア)の関係を把握し、それぞれの役割や特性を理解したうえで、上手に組み合わせることが、コンテンツマーケティングの成功のカギを握ります。
コンテンツマーケティングは、デジタルマーケティングにおける万能薬のようにもてはやされていますが、決して「安上がりの広告」ではないのです。
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(文・成田幸久)
コンテンツマーケティングやオウンドメディアのお問い合わせはこちらへ。
narita.yukihisa@gmail.com
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