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不動産の資産価値って何?

不動産投資をする際、自宅を買う場合など、よく
「資産価値的にどうでしょうか?」
と相談されます。

不動産の資産価値って何でしょう?

資産価値って、すごく曖昧な言葉だと思いませんか?
資産としての価値なのですが、不動産という資産にとっての価値って何ですか?

・将来高く売れる
・市場性が高い(値段はともかく売りやすい)
・高く貸せる
・いつでも貸しやすい
・建物が劣化しにくい
・将来にわたって栄えるところに立地している

表面的、経済的なものはこんなところでしょうか?

これらはそれぞれ関連し合いますが、結局

「将来にわたって高い換金価値を維持、向上できること」
を不動産の資産価値って捉えていることが多いかと思います。

でも、、、

将来高く売れたとしても、保有期間中の収益が低ければ、トータルリターンは低くなるので、どうなのでしょう?

一方、利回りが高ければドンドン投下資本を回収していくので、最終的な売却価格が低くても、投資時点では「資産価値が高い」と言えますよね?

結構難しいです。

また、表面的、経済的ではないこと、例えば「快適性」「ステータス性」はどうでしょう?
これらも「換金価値」に置き換えることはできますが、すべてを置き換えることができない点に注意する必要があります。

典型例なのは、自宅。
私の家の周りにも多くありますが、「凝った豪邸」は特にその典型例です。

作った家主にとっては快適だし、満足だし、自慢できるものでしょう。
でもいざ売ろうとすると思ったように売れません。
「こんなにこだわったのに、、、」
と言われても、豪邸を買えるような人は自分の趣味で、自分のこだわりを入れた自宅が欲しいのです。
たまたま趣味が合えば良いですけどね。。。

これって、よく「失敗例」って言われますが、本当にそうでしょうか?

私としては、「もう既に回収している。住みながら満足を得ていた時点で」と考えています。

富裕層向けのリゾートホテルの分譲も同様に考えています。
2億、3億で海外や沖縄などのリゾートホテルの分譲を買うものです。
よく相談されますが、表面的、経済的な観点ではどれも大した資産価値はありません。

いやいや、分譲期間中(つまり竣工前までに)に転売できる!から大丈夫!儲かります!

そう言われてセールスされます。
もちろんできることもあり、儲かっている人もいます。
が、他の投資用不動産に比べて儲かるかと言えば、そんなことはありません。

でも、「所有欲を満たし」、「自分でも使えるかも」という楽しみを見出せる。
これだけでも資産価値があるかもしれないな、と最近思うようになりました。

要するに、「絶対欲しい」と思う不動産は、その時点で「資産価値がある」のかな、と最近では悟りを開いてきた次第です。

数字、経済合理性を追究して、不動産鑑定士、コンサルタントとしてやってきてたどり着いたのが、こういう心境って面白いな、と思う今日この頃です。


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