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まなびびとさんが『ハチドリのひとしずく』の「物語のつづき2027」をよみききを試みた❤️

まなびびとさん
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stand.fm『よみききの世界』(2024/2/12)
「物語のつづき」2007が「発掘」されました!
https://stand.fm/episodes/65c984d040aa7a276030ecfb
(16分)
「物語のつづき」2024年版を描/書いてみませんか?
https://stand.fm/episodes/65c98ae940aa7a276030ed6b
(10分)
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まなびびとさんから ハチドリのひとしずく「物語のつづき2024」が届いた❤️
読む:https://genkaikyoukaiekkyo.blogspot.com/2024/02/2007-2004.html
聴く:https://stand.fm/episodes/65cf46ef07007b8b94dca81f
(5分25秒)まなびびとさんの「よみきき」
聴く:https://stand.fm/episodes/65cc221c5dc5c0ff26c7d96e
(9分)なりっちの「よみきき」+ 一言

『ハチドリのひとしずく2006』 とその 「物語のつづき2007」をよんで
「物語のつづき2024」 作・まなびびと

クリキンディの話をじっと聞いていた動物たちの反応はそれぞれでした。

「森が怒るだと? くだらない。 森だって俺たちがいるから助かっていることだってあるはずだ。」
「わたしたちは自分が生きることで精一杯。 生きるためなら仕方がないことだってあるわ。」
「自分さえ良ければ誰かが苦しんでもいいのか? 森はつらかったはず。 森が怒って当然のことを私たちはしていたんだ。」
「このまま森が燃え尽きたら、 ぼくたちはどこで寝て、何を食べればいいの?」
「みんなでまた別の森へ移動するまでさ。ここが燃えたって、 また別の場所へ行けばいい。」
「でも、森はつながっているよ。 どこまでもどこまでも。火はとなりの森まで追いかけてくるよ。」
「だからってこんな広い森の火事をわたしたちだけの力では消せっこないわ。」
「こういう運命だったと、あきらめるしかないさ。」
「クリキンディを放ってはおけないよ。 ぼくら仲間だろう?」

動物たちの多くが、 生きるために逃げることを選びました。

それでも少しの動物たちは、 クリキンディの話に共感し、 森の怒りを鎮めるために動きはじめました。
あるものは少し離れた大きな川まで水をくみに、 何度も行ったり来たりをくりかえしました。

すると、川にむかって逃げていた動物のなかに、 何度も行ったり来たりしているものに申し訳なく思うものがでてきました。
自分のほうが、もっと早く水を運べるぞ、と思うものもでてきました。

彼らもまた、クリキンディとともに森の怒りを鎮めるために動きはじめました。

一羽増え、一匹増え、一頭増え...

少しずつ、その数は増えていきました。
仲間はずれになりたくないので、あわてて手伝うものもでてきました。

はじめはクリキンディの行動に呆れていた動物たちも気が付くとみんな黙って、ただひたすらに水を運んでいるのでした。
森の怒りを鎮めるために。 この森で生きるために。

どれほどの時間がたったでしょうか。
1本の燃えた木から放たれる炎は次々と隣の木に移り、懸命に水を運ぶ動物たちを嘲笑うかのようにその勢いは収まらず、
だれもが疲れ果て、 もうほんとうに駄目なのかもしれない、そう思ったときでした。

疲れ果て、ふらふらになっているクリキンディの傷んだ羽に冷たいしずくが重く滴りました。

「雨だ!」

それは、森とクリキンディと動物たちの様子をじっと見ていた空の流した涙でした。
空はずっとずっと昔から、ただじっとだまって森や動物たちのすべてを見ていたのでした。
雨は怒りに満ちた森たちを優しく包み込み、ひたすらに目の前の火の上に水を落としていた動物たちを労いました。
疲れ果てたクリキンディはその様子を嬉しそうに見つめながら、目を閉じ、深い深い眠りにつきました。

今、焼けた木々の下からは新しい若い葉が空を見上げています。
クリキンディと動物たちがこの森に生きたことを語り継ぐものたちもいます。
この森のすべての生き物たちが過去を学びの糧として未来に向かって今を生きています。
きっとそこにはすてきな仲間がいて、 そっとささやきあっていることでしょう。
若葉が上を向いてすくすくと伸びるために必要なことを。

たくさんの経験をもつものの知恵を。
若者が気づいた、 新しい発見を。
そして空は今日もただじっとだまってすべてを見ています。

Copyright(C)2024まなびびと

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