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東京もんがにわか大阪弁つこうて過ごした社会科地理の時間、復刻の復刻、なんで今頃?

大阪を知るための、とある試みィ〜あんたらも「大阪弁」をしゃべってみまへんか〜1997年の試み 
 成田喜一郎


はじめにィ


きょうは、大阪を知るための、とある試みぃとして、うちとあんたらで「大阪弁」を口にしてみまへんか?!
きっと、大阪がえろう近こうなりますやろ。

1ィ 口ならし大阪弁

これなんぼ、ごっつ、ええやんか、まいど、おおきに、もうかりまっか、ぼちぼちでんな、どないでっしゃろかいな、ええなあ、そりゃあかん、ほんま、やめにしときや、ちょっとまちいや、おもろいで、なにしてまんねん、しゃあない、かなんなあ、冷(れい)コにフレッシュいれといてなあ、うち、すきやねん、大阪弁。

2ぃ 大阪弁講座、受けてみてみぃ

① 大阪弁は、人との距離が近いんや=距離(壁)をつくらへん。
「はよせんかいな」:「はよせんかい」はきつうおますが、「な」で相手の肩を軽う抱く感じになりますやろ。「ちゃいまんねん」:「ます」で尊敬、「ねん」で相手を近づけまっしゃろ。

② 大阪弁は相手のneedsに応えるんや。
大阪弁は、相手との微妙な関係で言い分けるよって、ごっつおますな。
「活用形」:行け・行けや、行き・行きや・行きいな、行って・行ってや・行ってえな、行ったれ・行ったれや、行ったり・行ったりや・行ったりな、行ったって・行ったってや・行ったってえな、行かんか・行かんかいな、行きんか・行きんかいな、行ってんか・行ってんかいな、行ったらんか・行ったらんかいな、行ったりんか・行ったりんかいな、行ったってんか・行ったってんかいな、行ってきなはれ・行ってきなはれや

③ 大阪の看板、見てみてみぃ。
「かみます ちゅうい」わかればええやろ。「この犬に近づくとかむことがあります。ご注意ください。」やて、もってまわってゆうな、きどるな。

④ 大阪Mind-視点を相対化するんや。
距離が近こう、対応が細い、笑いがあるんや、理づめでっせ、ズバリでっせ、饒舌かて、転換も速ようて、視点がごっつ多様なんよ。

【地元大阪の中学生の感想や、大阪弁の。】
分析してみるとこんなふうになるんかいな。ふ~ん、なるほどォ。活用形なんてあるの、おどろきゃ。この講座とても分かりやすかア。難波の「虹のまち」は、「難波Walk」に変わってきよるし、戎橋(えびすばし)にはストリートシンガーがおるし、…新名所が今、ぎょうさん出来てきよるわ。うち、好きやねんOsaka!

3ン でぃべーと・論題「大阪弁は上品や」

「まずワ、肯定側どついたれ」
人それぞれ十人十色。みんな大阪人はやっぱり心落ち着くんとちゃう?へんな標準語しゃべってるより、大阪弁しゃべってるほうがえーやん。「花有り-はんなり」という語なんかよろしいな。東京人があまりに下品や下品やっていうからなんやろ。
「ほな、否定側どつきかえしたれ」
関東人口多いやろ。大阪弁、商売にはえーんやろけど、なれあい、なれなれしいっていう感じが東京のモンにとっては下品やとおもうんちゃう?ニュース、標準語やろ、大阪版でも。やっぱり大阪弁下品なんちゃう。

4ン 大阪のある中学生たちィ、夏目漱石の『坊っちゃん』、大阪弁に翻訳しよったん、全文!
「ほな、言ったってえな、大阪弁の『坊っちゃん』」
「親譲りの無鉄砲でおまして小供のときから損ばかりして居まんねん。小学校居よる時分学校の二階から飛び降りよって1週間ほど腰を抜かしとったんですわ。なんでそんな無闇をしよったかと聞く人がおるかもしれまへん。別段深い理由はないんでっけどな。新築の二階から首を出しとったら、同級生の一人がいちびって、どんだけ威張っとっても、そこから飛び降りることはできへんやろ。弱虫やおまえ。とはやしよったからでんねん。小使に負ぶさって帰ってきよった時、おとんが大きな眼をしよって二階ぐらいから飛び降りて腰を抜かす奴がおるかといいよったから、此次は抜かへんで飛んだるがなと答えた。(後略)」
「ほんま、ごっつ、ええやんか」

5ォ 演習しみてみィ 「大阪弁」で大阪の地理を紹介すんねん。大変やけどな。どや 教科書にある「大阪の地理」ンところ、大阪弁に訳してみてみィ。

おわりにィ
「ほんまに、けったいな、授業やったな。これで、地理の授業やて、うち、信じられへん。」
「うち、好きやねん。こな授業。5ォの演習やったら、忘れへんでェ。うち、期末、もろうたわァ。」

*このプリントこしらえるのに、大阪教育大学教育学部附属天王寺中学校の中西一彦せんせの「大阪弁の逆襲」『教師のやりがい子どもの学びがい』(ぎょうせい、1995年,p.117-123)があらへんかったら、できまへんでした。中西せんせ、「おおきに」や。
(東京学芸大学附属大泉中学校中学校「社会科地理授業プリント」1997より) なお、『教師のやりがい子どもの学びがい』には、わたくしの「デイベートを取り入れた社会科学習指導:縄文時代が弥生時代より優れている, だって?! 」(p.75-83)も収載された。
以上。
https://shakaikakyouikukennkyuu.blogspot.com/2014/01/blog-post_28.html
(2014.1.28 初版)

解 題(2023-2024)

・これは、27年ほど前になりっちが、まだなりせんだったかMr. Narick だった時に中学校社会科地理の時間で使った自作プリント(1997)です。

・その後、兼任講師をしていた中央大学「社会科教育の研究(社会科教育法)」という講義の時に使っていた講義ブログ「越境するSocial Studies(社会科)」にアップした資料(2014)です。

・今回(2023)、Twitterで出会ったもう一人の「なりっち」さんが、なりっちG(わたくし)のラジオ「響語 怒りは自分を傷つける、 もう一人のなりっちさんのお話 2023/3/12」をお聴きになって、「もう一人のなりっちさんとの不思議で素敵なご縁に感謝(ㅅ´꒳` ) @sousakujojisi様 とても優しい声に癒されました(◦ˉ ˘ ˉ◦) 」とツイートしてくださいました。
そのツイートへのコメントに、何を思ったか「おおきに。なんか不思議な感じやね〜。わてのツイートをわてがリツイートしてるやろ。これ見てるやっちゃ、何やろって思ってんとちゃう? さらにぃ、「自分」にコメントしてるやろ〜、ほんま、おもろいなぁ。(久しぶりに偽物大阪弁で書きよったなりっちG)」と書きました。

・なりっちGがこの書き込みをしたことから、大阪弁で書いたこの資料(1997/2014)を思い起こし、「解題」を書き加え、改訂新版をこちらのWeb Siteに転載しました。

・そうそう、こんな素敵な「大阪弁に変換:恋する方言」なんてWeb Siteを発見!
 リンク先をここに貼り付けておきます。
 https://www.8toch.net/translate/?lang=os

・そして、2024年、なぜ、復刻版の復刻版を書くことになったのか。
それは、Xでここ最近、大阪弁で自由律俳句を書いている方のポストを何回か拝見して、再び想起したって次第です。(2024.7.5)

付記


 なりっちのルーツは、父方の青森県の弘前です。大阪弁より東北弁(津軽弁)の方がシンパシーを感じていますが、津軽弁で社会科の時間を過ごしたことなありません。
 あるのは、高木恭造さんの『方言詩集 まるめろ』津軽書房の中の詩を中学生たちの前で声を出して朗読したことしかありません。
 「生だハマナスの実:中学(ガグ)二年の時(ドギ)」(p.19)、
 「石コ」(p.21)
なりっちの「よみききラジオ」004(新Lecture RADIO 032)2022.7.14
よみきき 高木恭造(1983)『津軽方言詩集 まるめろ』より
聴くラジオ(11分04秒)

読むラジオ(Web Site)
https://genkaikyoukaiekkyo.blogspot.com/2022/07/blog-post.htm

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 高木恭造 津軽方言詩集「まるめろ」朗読会 at 青森(動画)

なりっち(成田喜一郎/寺澤満春)
1997年の試み
2014.1.28 初版
2023.3.13 改訂新版
2024.7.5 改訂新版の改訂


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