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カリキュラムって何?—定義の生成から意味のデザインへ

写真:CAP,Do!サイクル(成田2010, 成田2017 作成)

1 研究-実践者として記述言語化した生成的な定義

カリキュラム/Curriculumとは何か?:2017.2.4現在の記述言語化された生成的定義
カリキュラムとは、幼児・児童生徒・学生・大学院生・現職教員などの学びの履歴 learning histories と、学習者の一人としての授業者の実践研究史 history of the practical study の総体である。
 カリキュラムは、意図されていない歴史・文化(hidden curriculum)の上に、様々なレベルの意図的目的的な教育計画(plan)のもと実践・活動(do)が展開され、その成果の検証評価と改善(see・ check/act)に至るサイクルであり、学習財(学習対象やツール)への深い「理解」を促すプロセスで ある。
 カリキュラムの展開過程は、PDS(plan・do・see)/PDCAサイクルを基点としつつ、ALACT モ デル、
CAP, Do !サイクルなど多様なサイクルやモデルが創成されてきた。 カリキュラムは、あらゆるひと・もの・こととのつながり、時間割で区切られた教科・領域等のつな がり connection とつりあい balance、そして、それらを包み込み inclusion、異校種の教育を縦断かつ 横断し続ける sustainability という、広くて深いホリスティック holistic な概念である。」(生成的定義 2017.2.4:成田喜一郎)
☞拙稿(2017)「カリキュラムデザイン研究の現在―1994.8から 2017.2までの学びと究めを踏まえて―」『東京学芸大学教職大学院年報』第5集,p.1-13.
 この作品は、定年退職直前の講義「カリキュラムデザイン基礎」の最終回の講義ノートだった。

2024年 ⬇︎ 対話/並進 ⬆︎ 2017年


2 多世代・多職種・無職の生活者市民/住民(Inhabitants)と並び進んでゆく並進者(Mutual translatior)として専門家と素人との狭間/Gradation Areaに立って、意味をデザインしてみたい❤️

 今、再び「カリキュラム/Curriculumとは何か?」という問いに、応答するとしたら何と書字文化記録にするか、また、口承文化記録にするか試みてみたい。
 それも、元研究-実践者としてではなく、多世代・多職種・無職の生活者市民/住民(Inhabitants)と並び進んでゆく並進者(Mutual translatior)として専門家と素人との狭間/Gradation Areaに立って述べてみたい。
             なりっちMr. Narick

カリキュラムとは、長-短いずれの場合においても旅のようなものです。
 一般に、旅をするときに不可欠なものは、なぜ、何、どのように目的地に向かうのか、目的地を示した地図が必要です。【Map(Plan)】
 また、時に道に迷ったり、外れたり、戻ったり実際に旅をした足跡ができます。【Footmark(Do)】
 そして、旅を終えて訪れた土地の景色やそこで出会った生き物や人々とのつながり、旅にかかった時間的な推移などを想い出の鏡から反射や反響・反映してきたことも意味しています。【Reflection(Check)】
 さらに、新たな未来への旅をデザインすることもあります。【Design(Action /Trial)】
 しかし、時としてMap(Plan)を持たずに、デラシネ/déraciné(根なし草)のような旅をする場合ももあります。【Déraciné】
 そうしたデラシネの旅は、歩き続けたあとに残った足あとによって前人未踏の新地図Mapができることもあります。【Untrodden】
 旅としてのCurriculumは、世代を超えて、また職の有無を超えて、生活者市民/住民(Inhabitants)の《まなくらしごと》(学びと暮らしと仕事)の中にあります。【Lifelong/Life History】

 (2024.6.27 創発的な/ふっ立ってきた意味:なりっち & Mr. Narick)
☞これは、成田(2017)における「生成的定義」と、わたくしのBlog&Noteおよびstand.fmにおける「創発的な意味」との並進(Mutual Reflection/Mutual Documentation等)によって「書字文化/口承文化」記録としてここに認/したためたものです。
 ・note:
 ・stand.fm

注 
・成田喜一郎(2010)「多様な教育方法および評価方法への支援」『学習指導と学校図書館』「シリーズ学校図書館学3」編集委員会編,SLA全国学校図書館協議会, pp.181-191.(C-A-P-Dの説明の初出)
・成田喜一郎(2017)「カリキュラムデザイン研究の現在―1994.8から 2017.2までの学びと究めを踏まえて―」『東京学芸大学教職大学院年報』第5集,p.1-13.(「CAP,Do!サイクル」図の初出)
・H・コリンズ/R・エヴァンズ 著 奥田太郎 監訳 右田 慈/清水右郷 訳(2020)『専門知を再考する』名古屋大学出版会

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