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今、ここかしこでトップの危うさ、不甲斐なさを見聞きしない日はないですね。そこで今は昔、昔は今のお話「水の思想・川の組織論」を再び!

ここかしこでauthority/powerを有する者が、事件を起こし続ける昨今、
単に今は昔のお話ではなく、昔は今のお話として想起した「作品」がある。
査読や招待を受けて書いたものではなく、みずからのフィールドで思索と哲学、探求を重ねてできた「作品」である。
拙稿(2012)次世代型学校組織マネジメント理論の構築方法 :「水の思想・川の組織論」の創成過程『東京学芸大学教職大学院年報』第1集,p.1-12.
https://u-gakugei.repo.nii.ac.jp/.../AA12591409_01_01.pdf
この「作品」が創成されてくる過程については、以下のWeb Siteを参照されたい。わたくしがこれまでに書いてきた「作品」の中で最も多く読まれ、ダウンロードされてきた作品ではないかと思われる。
https://pedagogytocrosstheborder.blogspot.com/.../blog...


「水の思想・川の組織論」のルーツを辿る

   川下にいる者

         寺澤 満春

川上の人々に困ったことあらば、
おのずから川上に出向いてゆき、
わずかなるその力を貸し、
川上の人々に喜ばしいことあらば、
おのずから川上に出向いてゆき、
しずかに言祝ぐ言葉をかけ、
川上の人々が恙なきときも
常に川上の人々に心を馳せ、
さらに恙なきことを祈る。
川下にいる者は、川上から流れくる
水の清きも濁りも
そのすべてを受け止める。
川下にいる者は、川上から流れくる
水のすべてに誘われて
川上の人々を出向き訪ねる。

中国のとある思想家が
こんなことを言った。

    ****

最上の善とは、水のようなものさ。
水はあらゆるものに利益を与え、争わない。
水は人の嫌う地味な場所でもいつも満足しておる。
このように、水は道(タオ)に近いものじゃ。
水は住むために、地味な場所を好む。
水はものごとを考えるとき、奥深さを好む。
友との交わりには、心のやさしさを好む。
言葉には、誠実さをこめることを好む。
政には、良き秩序を好む。
仕事においては、その人の能力を生かすことを好む。
行動においては、正しい時機を好む。
このように、水は争わないから、まちがいはないのじゃ。(注)

    ****

そんな川下にいる者は、
常に、日常のcareを怠らず、
そして、責任chargeを持ち、
必要に応じて、指導direction、
監督supervisionを行う。
いつも、
すべての川上を支える運営administration、
経営managementを考える。
嵐が吹き荒れるとき、川の氾濫を避けるため、
心ならずも統制controlせねばならない。
川下にいる者よ、
仕事の後先、順序をまちがうな。
常に、日常のcareから始まることを。
そして、来るか来ぬか非常時以外は、
川上を支える運営administration、
経営managementにあることを。
さて、川上にだれがいる
そう、川下に汝がいる
子どもらは川上にいて
親や教師らは川下にいるもの
世の中にトップと言われる人々こそは、
実は川下にいなければならない人々だ
トップにあぐらをかいて
トップダウンだボトムアップだなんて
議論は超えてゆけ
おのずと川は上から下へ流れるのもさ
世の中のボトムにいると思っている人々よ
実は川上にいることを意識せよ
ボトムにあぐらをかいて
ボトムアップだトップダウンだなんて
議論は超えてゆけ
おのずと川は上から下へ流れるのもさ
そして、川の流れにそっと身をまかせると、
トップにいる自分も、ボトムにいる自分も
いつしか
川下にいる者に見えてくるものさ。

(注)張鍾元著・上野浩道訳(1987)『老子の思想』講談社学術文庫 第8章「水のようなもの」

期せずして管理職(附属大泉中学校副校長)になってしまったとき、立ち上がってきた問いへの応答の一つとしてのこの詩(2004年)があった。

参考資料
成田喜一郎(2016)「創作叙事詩「川下にいる者」を読み解く -「水の思想・川の組織論」への道(1)」『学校図書館』通巻786号.
https://laotao.way-nifty.com/islikewater/files/ayon5.pdf

参考Web Site
「水の思想・川の組織論:次世代型組織マネジメント理論への道』
https://pedagogytocrosstheborder.blogspot.com/.../blog...
続・「水の思想・川の組織論」のルーツを辿る

2012年11月1日付『教育新聞』に掲載された拙稿「水の思想・川の組織論 次世代型組織マネジメント理論」なお、本稿の執筆は、教育新聞編集次長の故池田康文さんのススメで執筆した「作品」である。

参考Web Site「水の思想・川の組織論:次世代型組織マネジメント理論への道https://pedagogytocrosstheborder.blogspot.com/.../blog...

続・「水の思想・川の組織論」のルーツを辿る

2012年11月1日付『教育新聞』に掲載された拙稿「水の思想・川の組織論 次世代型組織マネジメント理論
本稿の執筆は、教育新聞編集次長の故池田康文さんのススメで執筆した「作品」である。
参考Web Site「水の思想・川の組織論:次世代型組織マネジメント理論への道
https://pedagogytocrosstheborder.blogspot.com/.../blog...


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