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「E TICKET PRODUCTION&岡島紳士インタビュー これまでのMIC RAW RUGA、これからのMIC RAW RUGA」(3)

(2)はこちら。


「E TICKET PRODUCTION&岡島紳士インタビュー これまでのMIC RAW RUGA、これからのMIC RAW RUGA」(3)


13 Right Now

――次が「Right Now」。「ETRS2」で水春さんが歌った曲ですが、音源が少し違いますね。


Eチケ:ちょっとだけアレンジが変わってます。イントロとか途中で水春さんのバージョンには入ってないTB303の音が入ってたり。YOU THE ROCKの「GROUND MASTER FRESH」という曲が好きで、こういう曲をやりたいと思って作りました。わかりやすいパーティーチューンで、4つ打ちでちょっとテンポが早くて。途中で電気グルーヴの「N.O.」でも引用されていたPop Will Eat Itself の「Can U Dig It?」のパロディも入っています。

――「MAGIC PARTY」の前後に歌うことが多いですね。トリ曲というか。

Eチケ:「Right Now」から「MAGIC PARTY」という流れは多かったと思います。

岡島:「MAGIC PARTY」の途中で「君の瞳に恋してる」に入らずに「Right Now」につながるパターンもありましたね。

Eチケ:最近やったバージョンは、DJミックスみたいに繋ぎました。

――マイクロウの曲としては、どういう位置づけですか?

Eチケ:わかりやすい上げ曲なので最後に持ってくることも多いし、逆に最初に持ってくる時もあります。

――先鋒か大将ってことですね。ある種の勝負曲というか。

Eチケ:むりやりテンションをアゲる時に使うみたいな感じですね。マイクロウバージョンでは途中でダンスを踊るパートが加わっていて、そこが毎回アドリブでメンバーが踊っていた時期があったんですよ。一人がアドリブで踊って、それを別のメンバーが真似して繰り返すみたいな、偶発的な部分を入れたいと思って。踊りの手本をするメンバーは通称・先生と言われて、今日の先生誰ですか? みたいな。

――面白いですね。曲が生き物みたいに成長していくというか。

Eチケ:見せ方が変わっていく。

14 ENDLESS PARTY

――次が「ENDLESS PARTY」。COCOさんが最初にアカペラで歌い上げるバージョンが印象的でした。

Eチケ:これもガジェットで作った曲ですね。おしゃれなトラックにしたいと思って作りました。歌詞は「辞めちゃうアイドル」と「アイドルオタクの片想い」みたいな感じですね。

岡島:アイドルネッサンスが解散した寂しさで作った曲ですよね。

Eチケ:アイルネが解散した時に一番まで歌詞を書いたんですけど、その先が書けなくて、その後、他の好きだったアイドルグループが解散した時に、続きを書いて完成させたという記憶があります。

――そんな曲だったったんですね。

Eチケ:歌詞にある「手が触れ合った瞬間」は握手会のことで「僕だけ見てる」はアイドルファンがレスを貰ったみたいな気持ちとか、写真撮るというのは「チェキ」のことで、最後、アイドルが辞めちゃってさみしくしていると、別のグループに入って楽しそうに笑っていて、それを観てショックを受けるみたいな。

――「別の世界で楽しそうにしてるからいいじゃん」って言いたいけど、複雑な心境ですよね。

Eチケ:そういう裏テーマを知って歌詞を読むとそうかって思いませんか?

――意味が出すぎますよね。知らなきゃよかった(笑)

Eチケ:この曲は、クオンタイズをなくそうとして作りました。

――クオンタイズ?

Eチケ:リアルタイムで打ち込むとリズムがズレたりよれたりするので、それを補正することです。この曲はわざと凄くズラしていたのですが、ライブで聴いてたらジャストでも良いなと思って、全面的に打ち込みを綺麗に整えて曲の尺も短くしました。

――これも「終わらないパーティー」を歌った曲でEチケ節ですね。

Eチケ:歌詞の内容としては完全に終わってるんですけどね。

15 FUN FOR FUN  
16 GOES ON   
17 アウトラウド   



――「FUN FOR FUN」は「ETRS2」の曲。「GOES ON」、「アウトラウド」は「ETRS」の曲ですね。ここで「ETRS」系の曲が一気に増えました。

岡島:新曲を作ることはポンポンとはできないんですけど、ライブでは新しいものを見せていきたいじゃないですか。だから曲を作っている間に「ETRS」の持ち玉を使ったという感じはあります。

――「アウトラウド」は結構ライブでやってますね。方向性としては「WONDERFUL WORLD」と同じ方向性ですが。

Eチケ:曲の種類としては同じですね。「GOES ON」は、ベースがクラフトワークの「アウトバーン」風です。

――「偏差値 偏差値 偏差値」ってのが「ベルサーチ ベルサーチ ベルサーチ」から取ったと以前、おっしゃってましたね。

Eチケ:「トラップというものがあるらしいぞ」と知った時期の曲ですね。シンセのフレーズは電気グルーヴのアルバム「VITAMIN」に収録されている「STINGRAY」を意識しました。

――「FUN FOR FUN」は?

Eチケ:この曲はブーンバップ寄りのトラックですが、ファットボーイ・スリムみたいな曲を作りたいなぁと思って作りました。結構いい感じになったんじゃないかなぁと思います。

18 SEEYOU(Let’s Dance)


――次は「SEEYOU」です。

Eチケ:「SEEYOU」はもともと小川紗良さんが監督の映画『BEATOPIA』に提供した楽曲の発展版みたいな感じで。ビートだけ先にあって。映画の中では黒さき海斗さんというラッパーの方がラップをしていて、歌詞も黒さきさんが書いたものだったのですが今回は、自分流にアレンジを発展させて書きました。歌詞も当初は2番までだったのですが、途中でポエトリーパートが追加されて。マイクロウの曲はメンバーの人数の変化によって構成が変わる曲がちょいちょいあるんですよ。


19 一網打尽(MICRAW REMIX)



――「一網打尽(MICRAW REMIX)」はカバーですね。

Eチケ:HIPHOPの場合は既存のトラックに自分のラップを乗せることを「リミックス」と言うので、カバーというよりリミックスだと強調しています。歌詞は書き下ろしで、サビはオリジナルと同じですが、他は全部違います。

――どうして、この曲をリミックスしようと思ったのですか?

Eチケ:いろいろ検討した結果、イントロが鳴った時に一番気分が上がると思ったのがコレでした。

岡島:鳴った瞬間に日本語ラップファンなら誰でもわかるんで。「韻踏合組合やるの?」って驚いてもらいたかった。

Eチケ:曲が長いのでメンバーが少ないと中だるみするんですけど、メンバーが多いと、それぞれの個性が出るので盛り上がります。

20 WJ(ORIGINAL)


――次がWJ(ウィンタージャム)ですが。

Eチケ:このORIGINALバージョンはMOE-K-MCZで最初にやったバージョンですね。ライムベリーで音源化したものとは違うものです。電気グルーヴの「新幹線」やレネェガストンの「コンテデフィー」のフレーズが入るテクノっぽいトラックです。

――MOE-K-MCZの時からある曲なんですね。

Eチケ:この曲はたぶん「HEY!BROTHER」の次くらいに作った曲ですね。これも凄く古い曲で。

――評判はどうでしたか? 「MAGIC PARTY」に続く旧音源ですが。

Eチケ:「うぉーっ」てお客さんが、4~5人いましたね(笑)

岡島:何かしら主催イベントでお祝いというか季節に絡めて特別なことをしたくなり、「年末なのでいつもと違う曲をやります」って言ってやりました。

Eチケ:そう宣言した後、最初に「一網打尽」をやって、もう一曲やりますって言って「WJ」をやったんですよね。

――同じ日にやったんですね。

岡島:クリスマスの時期にクリスマスではなく年末をフォーカスするというのは、僕がユニコーンを好きだってところから来てますね。「雪が降る街」がそういう曲。だから年末をフォーカスしたくなる。
 

21 花火

――次は「花火」。「ETRS2」に収録された曲ですね。

Eチケ:花火は「HEY!BROYHER 」よりも古い曲で。僕がラップを作り始めて3曲目くらいのトラックですね。トラックは、チャーミースマイル&グリーンヘッドの「青春ゼネレーション」の引用で。歌詞はアダルトだったんですけど、少しマイルドにした感じですね。

――繊細な男の子の失恋ソング系ですね。「SUMMER OF LOVE」にも通じる。

Eチケ:昔作った曲だからフロウがオールドスクールっぽくて、かせきさいだぁとかそのあたりの感じなんだよね。そのあたりが好きな時に作った曲ですね。

――なんで繊細な男の子の失恋みたいのを繰り返し描くんですか?

岡島:失恋してるからじゃないですか?

Eチケ:「恋がうまくいったぜ。イェーイ!」みたいな曲は書かないんですよ。「失敗して悲しい」って曲しか書かない。「イェーイ! ハッピー」みたいな曲はパーティー系でしか書いてないですね。

――「ハッピーライフ」をあまりやりたくないというのもそのあたりにあるのかもしれないですね。


22 HOOVER BEATS

――次は「HOOVER BEATS」。これは楽しい曲ですよね。ドリフ感があるといいますか。

Eチケ 「Right Now」と「MAGIC PARTY」で最後を飾ることが多かったので、マイクロウのオリジナル曲でトリの曲を作ろうと思いました。シンプルにこういう曲にしたいと思ったのは、リップスライムの「STEPPER’S DELIGHT 」だったのですが、似た感じにはならなかった。「本日のMC」のくだりは「Right Now」のダンスと同じで、毎回、ライブごとに変わる要素を入れたいと思って。

――「Right Now」の要素が「HOOVER BEATS」に行ったわけですね。

Eチケ:たまにREIとAKIRAは、その場の目線のやりとりだけでラップのパート割りをしていくということをやっています。あれはめちゃくちゃ高度なんですけど、誰にもそれが伝わらない。

岡島:完璧すぎてアドリブに見えないんですよね。よっぽどバランスのおかしいラップの配分にしないとそうは見えないじゃないですか。だいたいバランスよく、こなしてしまうから、「元々そういうパート割りなんでしょ?」という風に見えてしまう。

Eチケ:あと途中の「H・O・V~」ってのは、海援隊の「JODAN JODAN」のイメージです。

岡島:「YMCA」じゃないんですか?

Eチケ:「YMCA」よりは海援隊のイメージでしたね。でもお客さんはあまり一緒にやってくれないんですね。

岡島:発表して、すぐにコロナ禍に入ってしまったので……。

Eチケ:「HOOVER」ってお客さんの総称なんですけど、これは一方的に決めちゃったところがあって。だから、お客さんも「なんか、しっくりきてないなぁ」って感じだったところがあったんですよ。

――なぜこちら側からお客さんの総称を決めたのでしょうか?

Eチケ:マイクロウの歌は「火をつける」って歌詞が多かったので“放火魔”をファンの総称として使うお客さんがいたのですが、その時に京都アニメーションの放火事件が起きて「これが定着したら良くないなぁ」と、強引にフーバーと変えちゃったんですよね。

――フーバーは掃除機でしたっけ?

Eチケ 掃除機の名前とか、レイヴで使うブーンって音です。しっくりきてないかもしれないですけど、愛情を持って付けたんですよ。というのはここで言っておきたいですね。だから、この曲はお客さんのために作った曲という意識が大きいですね。

岡島:フーバーバッチも作りましたからね。

Eチケ:フーバーバッチってのがディズニーランドのアトラクションで昔もらえたメダルのパロディになってるんですよ。

――なるほど。

Eチケ:この曲を披露した時はまだギリギリ、コロナじゃなかったので、最後、めっちゃ盛り上がってやってる時もありましたよね。

――僕が見た4人のライブの時も盛り上がってました。

Eチケ:メガネが飛んでるという歌詞のところで本当にメガネが飛んだり。

岡島:「HOOVER BEATS」を初披露した代官山LOOPの1stワンマンライブが2020年の2月9日なんですよ。すでにコロナは発生していたけど、こんな未曾有の事態になるなんて誰も思ってなかったから「なんか病気流行ってるけど、すぐおさまるだろう」っていうくらいな感じでしたよね。

――そのライブは僕も観ていて、その後、渋谷NoStyleでAKIRAさんにインタビューした後に観たライブが、コロナ以前に観た最後のライブですね。

岡島:ワンマンの後は3回しかライブはしてなくて。感染者数が多くなってきてライブ自体を中止したり出演辞退したりするようになって、ライブ活動の休止が8ヶ月ぐらい続くんですよね。再開したのは10月でした。

(4)に続く。

 

MIC RAW RUGA 1st ONEMAN LIVE
「PAY YOU BACK」


日程:2022年9月23日(金祝)

開場 18:00 開演 18:30
場所:渋谷 club asia(東京都渋谷区円山町 1-8)
出演:MIC RAW RUGA

チケット:前売<9/9(金)23:59まで販売>

A.VIP 13000円(+D)
…最優先入場&「PAY YOU BACK」Tシャツ&メッセージカード&お礼動画&バッジ&MC集CD-Rつき

B.SPECIAL 7500円(+D)
…「PAY YOU BACK」Tシャツつき

前売<9/22(木)23:59まで販売>
C.NORMAL 4000円(+D)

当日
D.NORMAL 4500円(+D)

●新曲を初披露します
●オールスタンディングです
チケットは8月24日(水)20時よりPassMarketにて発売。

購入はこちらから。
詳細はこちら

MIC RAW RUGA ニューシングル
「PAY YOU BACK」

発売日:2022年8月24日
レーベル:VIDEOTHINK

Streaming & Download

https://linkco.re/Y8V6a01U


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