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暗闇だからこそ対面の価値がある

先日、この会社を作ると決めたときから絶対にやりたかった研修を遂に開催することが出来ました。

心から本当にやってよかったと思えるものだったので、その感情を忘れないうちに書き留めておこうと思います。

特にリモートが中心の会社には絶対におすすめしたい。

なぜこの研修をしたのか

研修の内容はミッションパートナーとして企画運営に携わってくださったあきこさんの開催レポに書かれてあるので割愛しますが、簡単に言うと真っ暗闇の中でいろいろやってみることで何か感じることがあるはずで、それをみんなでシェアしてJPTのミッションについて考えよう、というものです。

なぜ、僕がこの研修をかねてからしたかったのかというと、10年ほど前に体験したときの衝撃がずっと心の奥に残っていたから。

兄に誘われて神宮の常設店舗で体験してきたのですが、本当に何も見えない。目を開けても、目を閉じても、全く同じ。

でも、アテンドしてくださる視覚障害者には、一緒に入った8人のメンバーの居場所やその空間にあるいろんなものが「見えている」んです。

この感覚を味わうことで、誰もが対等である社会を作るというミッションの、コアである「対等」という概念について、十人十色の気づきが得られるのでは無いか、と考えました。

研修で得られたもの

結果として、この研修をやって良かったと思えることが三つあります。あくまでも私個人が感じた気づきであり、参加してくれた社員、役員、ミッションパートナーらにも、それぞれ琴線に触れたことがあったのだと思います。

その①自然にスキンシップできる

暗闇では、危険がいっぱいあります。

一緒に入った人たちと何度もぶつかる。壁にもぶつかる。床に置かれているちょっとした箱?にも躓く。誰かの足を踏む。などなど。

なので、手を伸ばしたり、白状をフリフリしたりしながら、自分の周りに危険なものがないか探しながら進みます。で、何かにコツンとあたったら、そっと触れてみて、触感で探ってみます。

また、空間にはいくつかの部屋があり、移動するときには電車ごっこ的な陣形やフォークダンス的な陣形になったりします。手を繋いだり、肩に手を置いたり。そうしないとはぐれてしまうからです。

そんな状況だからこそ、文字通り肌と肌が触れ合うスキンシップを自然にすることが出来ます。

外界で「スキンシップしましょう。そういう研修なので。」と言っても、このご時世だとなおさらネガティブな反応もかえってきそうですが、改めてスキンシップの情報量の多さに感動しました。

今回アテンドしてくださったせとせっとさんは、スキンシップによって相手の感情がわかるときが少なからずあるそうです。そこまではいかなくても、普段PCのモニターを通してしか交流のなかったメンバーたちと触れ合うことができ、心の距離がぐっと縮まった気がしました。

その②自然に発信がある

暗闇では、声を発しない人は存在が消えてしまいます。

1グループ8人で体験したのですが、誰がどこにいるか、という情報は音(もっというと声)のみで判断します。

それは思ったよりも難しく、具体的なアクティブティの内容は言えないのですが、思ったよりも近かったり、遠かったりしました。

さっきまであそこにいたはずなのに、いつの間にかそんなところまで移動していたの!?と思うことも。

だからこそ、みんなで「座ります」「立ちます」「そっちに行きます」などと頻繁に声を掛け合いながら課題をクリアしていきます。

普段はあまりしゃべらない、しゃべりたくない、雑談が苦手で何を話せばよいかわからない、という社員も、このときばかりは積極的に発信していて、とても嬉しかったです。

JPTは普段、一人1プロジェクトで基本的にチームでの業務は行いませんが、だからこそこういった業務外の時間に「自分はここにいる」という発信が重要なのだと思います。縁あって集まってきた一つの会社ですからね。

その③支える、支えられる関係は環境に依存していると再確認できた

3つ目はやはりこれ。

普段、たくさんの人に支えられているであろう盲の方に、支えられながら課題をクリアしていく体験を通して、対等の意味を再確認することができました。

今、私は社長として社員らを支える仕事がメインですが、一度その環境や立場、状況が変われば、彼ら/彼女らに支えられることだってある。

だからこそ、お互いにリスペクトし合い、プロとして接することが重要なのだと思います。

せとせっとさんの講演の中で、「前職では盲であっても健常者と同じように仕事をしようと頑張っていたが、ここではそんなことを気にしなくても良い。」という趣旨の発言があり、これこそが目指す姿だと感じました。

リスペクトとは、その人を変えようとするのではなく、ありのままを受け入れ、自分にないところに着目して、敬うことなのではないかと思うのです。

最後に

初めて開催した対面でのミッション研修。

普段はリモートでしか交流していないからこそ、対面でやる機会を最大限に活かしたかったのですが、結果は、大成功でした。やって良かった。

暗闇でのアクティビティは、よく言われている「対面の良さ」をぎゅーーーーーっと10倍濃縮したような時間にすることが出来ました。

それだけでも十分価値があるのですが、それ以外にもたくさんの気づきを得られる可能性があるこの体験。

興味がある方は行ってみてもらいたいです。
ダイバーシティ、インクルージョンなどに取り組む組織はぜひ。


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