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SFPC 2019 Summer in Yamaguchiに行ってきた

まずSFPC[School for Poetic Computation]とは何かということについては、このページをご覧いただきたい。ここに引用する。英語が苦手な方はGoogle翻訳結果を見ていただくのも良いが、もしあなたがSFPCについてより深く理解したいと思っているのであれば、翻訳は見ずに、たとえすらすら読めなくても、よく意味がわからなくても、大意をつかめているかすら自信が持てなくても、原文のまま受け止めておくことをお勧めする。声に出して読むことは理解の助けになる。

The School for Poetic Computation is organized around exploring the creative and expressive nature of computational approaches to art and design. The school approaches writing code like creative writing — focusing on the mechanics of programming, the demystification of tools, and hacking the conventions of art-making with computation.

We value the craft necessary to realize an idea, recognizing that every writer needs space and time to hone their trade. Our school aims to provide a safe haven for you to get acquainted with the craft of coding at your own pace, make it your own, and investigate the space between creative process and craft. This takes conversations with colleagues and the right push at the right time.

The school aims to be more than a technical bootcamp. It is an opportunity to work intensively with a small group of students, faculty, and artists to explore questions about the poetics of computation. For us, computation is poetic when technology is used for critical thinking and aesthetic inquiry – a space where logic meets electricity (hardware), math meets language (software) and analytical thinking meets creative experimentation.

This is also a school for teaching. Every student who comes here will be asked to share their expertise with their classmates in the form of workshops and outreach.

The goal of the school is to promote completely strange, whimsical, and beautiful work – not the sorts of things useful for building a portfolio for finding a job, but the sort of things that will surprise and delight people and help you to keep creating without a job. However, employers tell us they appreciate this kind of work as well.

This is not a program to get a degree, there are large programs for that. This is not a program to go for vocational skills, there are programs for that. This is a program for self-initiated learners who want to explore new possibilities. This is a program for thinkers in search of a community to realize greater dreams.

というのも、今回のプログラムは全て英語で進行するものであったのだが、これがよかったと感じているからだ。日本での開催だからといってもし翻訳が入っていたら、いま僕が感じているような満足感は得られなかったように思う。
別の言い方をすると、SFPCの期間もし僕が"Poetic Computation"ではなく「詩的な計算」について考えようとしていたら、悪い意味で全く違った体験になっていただろう、ということだ。
意味のつかめない言葉はまだ柔らかい粘土のようなものだ。無理やり知っている形に押し込めるのではなく、そのものがどんな形をしているのかいろんな視点から観察し、いろんな角度から少しずつ形を補整しつつ、そのときどきで思うように捉え、思うように使うのが良い。

もうひとつの理由は、SFPC自体が(翻訳に限らずだが)こういった「便利」によって無意識的にたくさんのものが抜け落ちてしまうことへのカウンターカルチャーであるからだ。SFPCは多様性を尊重し、相互受容と他者理解を是とする。
翻訳は一見これらと親和性のあるツールであるようにも思えるが、僕は使いようによっては全く対極にくるものであるとも考えている。相手の言葉を自分の領域で理解しようとすることは、非受容的だ。
翻訳全てが悪であると言っているわけではない。理解のとっかかりには良い場合もある。しかしもし「ニュアンス」と呼ばれる細部まで受け取りたいと思ったら、翻訳しないことが解になりうる。今回僕はそれを"Poetic Computation"を解釈する過程において痛感したし、冒頭に引用したステートメントについても同様に、翻訳することの難しさを感じている、ということである。

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さて、本家のSFPCはニューヨークで10週間のプログラムなのだが、今回参加したのは山口で8日間(!)のプログラム。アメリカ国外では初の開催となる。

SFPC自体には2013年だか2014年だか、とにかく始まって間もない頃から興味は持っており、いつか参加したいと思っていたので、日本で開催されると聞き、これに参加しない手はない!と飛びついた。

飛びついたのだが、正直なところこれに飛びついて良いものか、という懸念はあった。
つまりどういうことかというと、もしこの「短縮版」SFPCで消化不良の8日間を過ごしてしまった場合、卒業生というラベルだけが残り、逆に何も変わっていない自分自身とのギャップに悩まされるようになってしまうのではないかという不安があった。

しかし幸いなことにこれは杞憂に終わった。School for Poetic Computation 2019 Summer in Yamaguchiは短縮版などではなく、濃縮版であった。
はっきりと参加してよかったと言えるし、見えている世界は明らかに違う。

何回連載になるかわからないし、書き終わるかもわからない(まだ書いてないので)が、僕がこの8日間のプログラムで得たものを残せるよう、書き残してみようと思っている。

[カバー写真]
Photo: Naoki Takehisa
Courtesy of Yamaguchi Center for Arts and Media [YCAM]

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インタラクティブコンテンツのプログラマ/コラボラティブプログラマ/運動会エンジニア/anno lab/「技術的な興味を突き詰めると思いやりが生まれる」と「プログラマにもっとも重要な能力は気遣いと思いやりである」がモットー。
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