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ダンソン・ヌメロ・ドス

また別の音楽の話。
今日は雨だから。



指揮者でグスターボ・ドゥダメルという人がいる。(クラシック聴く人なら誰でも知ってるような超有名人だけど。)

中南米のベネズエラ出身でベネズエラの公的事業エル・システマ(青少年に楽器を与えて音楽教育を施す事業)で音楽を学び、その後ぐんぐん頭角を表し、名だたるオーケストラから招聘され一躍世界的な指揮者となっていった人。
有名になるきっかけになったのが、自国のシモンボリバルユースオーケストラを率いてのユニークな演奏で。
聴くだけでなくて観てても楽しい演奏で、私も好きでよく動画を観たりしていた。
たぶん一番有名なのはこの曲、Mambo!の演奏なのかな。

楽しい。おもしろい。
でも個人的に一番好きなのはこの曲Danzón No. 2(ダンソン・ヌメロ・ドス)の演奏。

ダンソン・ヌメロ・ドスはメキシコの現代音楽作曲家アルトゥロ・マルケスの曲で、キューバ発祥の音楽かつダンスである"ダンソン"の要素を取り込んだオーケストラ曲(らしい)。
この曲とこの演奏がめっちゃ好きで…たぶん日本で一番私がこの曲を再生した自信があるくらい(笑)、よく聴いてた時期があった。

ドゥダメルはこのほかにも中南米の作曲家の曲をよく取り上げているらしいのだけど。
"我らの曲"として。
聴いてると楽団の人たちがちゃんとこの曲のもとになった"ダンソン"を知っているのがわかるというか。
疾走感、躍動感がすごくあってとても気持ちがいい。

ドゥダメルがベルリンフィルとこの曲を演奏したものもあって。
これが同じ曲なのに全然違う演奏。

どちらがいいとか悪いとかはないのだけども。
このベルリンフィルの演奏も観てておもしろいなぁと思うのが、曲が進むにつれてクールに演奏してた楽団の人たちがどんどんノッていくのがわかるところ。
ドゥダメルが天才と言われる所以はどのオーケストラと共演してもとても"乗せていく"のが上手いところだとか書かれてたのを読んだことある気がするけど、これなんか観てるとすごくそれを思う。
終盤、パーカッションの人たちなんて小躍りしてるもんね。笑
めっちゃ楽しい。好き。

あと演奏とは関係なくこのベルリンフィルの演奏観てていいなぁと思うのが、途中で聴衆の姿が映し出されて、小さな花火に火をつける様子が何度か出てくるのだけど。それがめっちゃいい。
あぁこんなんしながら外でオーケストラの演奏聴けるとか最高やんって思う。
みんなペタンと座って思い思いに音楽を楽しんでいて…時折手もとの火花を眺めてみたりしながら。
火なんて手に持って危険!じゃなくて、そこに火がある美しさを感じられる余裕というか自由というかそういうのがとても素敵だなぁと。
だって綺麗だもんね。花火。
隣に大切な誰かがいて、素敵な音楽があって、夜で…風が吹いてて。パチパチと火が燃えている。
いいなぁ。



話が長くなってしまった。

好きな音楽の話…ダンソン・ヌメロ・ドス、
おわり。


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