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ビジョンクエスト。

眠いのだけど少しだけ。

インディアン(ネイティブアメリカン)の成人の儀式である「ビジョンクエスト」のこと。
今読んでる石川さんの本の中でチラッとその言葉が出てきて何かなと気になって。
そこに参加したことのある人の体験記などをいくつか読んでみたりしてみてた。

ビジョンクエストとは多くのインディアン部族の中に伝わる子どもから成人になる通過儀礼で、自分の使命に気づくために山奥に一人で入り、一切食べ物も飲み物も口にせず四日間を過ごす儀式のこと。

部族によって少しずつやり方の違うところもあるようなのだけど、基本的にビジョンクエストの前にはスウェットロッジと呼ばれるサウナのようなものに入って身を清めるらしい。
スウェットロッジは半円球のドーム型になっていて、それは母なる大地としての子宮をシンボライズした形であると。
床にはセージが敷き詰められ、真ん中に置かれた炉には真っ赤に焼かれた石が置かれてある。
人々は四つん這いになってドームの中に入り、焼かれた石に水をかけて熱い蒸気を身体に浴びながら大いなる神秘に祈りを捧げる。

Wikipedia「スウェット・ロッジ」より


スー族のビジョンクエストのやり方について書かれた記事からの引用↓

"現在も夢から啓示を得る儀式「ビジョン・クエスト」 (Vision quest) は、多くのインディアン部族の成人の儀式として重要であり、これはスー族では「ハンブレチヤ」と呼ばれ、思春期を迎えた若者や、問題を抱えた者が深山(スー族ではパハ・サパなど)へ分け入り、独りっきりで断食の苦行を行い、未来に繋がる夢を得るのである。 この苦行には呪い師や友人、親戚が後見人につき、一緒に山へ入り、まず「イニカガーピ・オケヤ(スウェット・ロッジ」で体を浄める。それから人一人が入れる縦穴の奥が横穴になったカギ状の穴(ビジョン・ピット)に向かう。この際、色とりどりの布や煙草の葉、呪い袋、神聖な石やいろいろな動物の頭蓋骨などが供えられる。苦行者がこの穴に毛布にくるまれて入ると、その上に防水布と土をかぶせられ、埋葬されたような格好となる。こうして穴の中で苦行者は4日4晩、飲まず食わずで大精霊に身と骨を捧げ、ビジョンを乞うのである。岩の上や木の陰でこの苦行を行う者もいる。タシュンカ・ウィトコ(クレイジー・ホース)は岩の上でこれを行った。女子の場合は2日2晩で、穴に入らず岩や木の陰で行う。 この際に穴に持ち込めるものは「ワグムハ(瓢箪のガラガラ)」と「聖なるチャヌンパ(パイプ)」、煙草の袋のみである。"

Wikipedia「スー族」より

ビジョンクエストのときに持っていけるのはパイプとタバコの袋、音のなるガラガラなどのみ(現在ではパイプのほかに寝袋や雨よけのシートなども許されてはいるみたいだけど)。
そして一切食べないし飲まない。
ちなみに、断食をしながら尚且つ太陽に向かって四日間踊り続ける「サンダンス」という儀式もあるらしくこちらはさらに過酷だなと。。

それにしても食べないだけでなく飲まないというのは相当すごいことだなと感じる。
数日間食べなくとも人は死なないとは知っていたけど、水分も取らずして4日も生きれるのかと、聞くだけで思わず心配になってしまう。
気になって調べてみたら4日というのは本当にギリギリのところらしく、飲まず食わずでいたら約5日で死に至ることが多いらしい。
そう考えるとさらにこの儀式の壮絶さがわかるような。

でも参加した人たちの体験記を読んでみたらそこまで過酷な印象は受けないのが不思議で。
一般的に言われている人体の作用とは何か違うことがそこでは起きるのかなと思ってみたり…。

貼り付けた記事(↓)は、15年ほど前に書かれたとある方のラコタ族のやり方に倣ったビジョンクエスト体験記なのだけど、とても読みやすくて面白い記事だった。(その1からその7まであるけどあっという間に読める)

"ビジョンクエストは、カリフォルニアとの州境に近いアリゾナの山中で行うという。
予定を空け、その週末を目指して、さっそく儀式の準備に取りかかった。
“プレイヤータイズ(Prayer Ties)”という小さなテルテル坊主のようなものをつなげて作る。
最初は赤を1個、次に黒101個、また赤を101個、そして黄、白をそれぞれ101個、全部で405個作る。中には刻みタバコを入れる。
これでチョークチェリーの苗木を囲み、結界を作るのだ。"

引用 exciteブログ『海とか、山とか、光とか』

自分が過ごす場所にチョークチェリーの苗木を置き、祈りを込めながら作ったタバコ入りの飾りで囲んで結界を作り、そこで四日間を過ごす。

ちなみにチョークチェリーはこんな木。
白い花が咲いて葡萄のような紫の実がなるらしい。

"持っていってはいけないもの。食べ物はもちろん、水、カメラ、ライター、メガネ、ノートやペン、ナイフの類、携帯電話。
持っていくべきもの。寝袋、タープ。
タープはビニールの防水シートのことなのだが、実際のところ、本当にこれが役立った。
めったに行かないウォルマートにタープを探しに行ったとき、心の中で「なんでこんなもん必要なのお?」とブーブー言ってた私だが、ビジョンクエストの後は「タープ様、タープ様」と崇めたてるほど、素晴らしい存在であることがわかったのである。"

引用 exciteブログ『海とか、山とか、光とか』


寝袋、防水シート、パイプのみを持って山に入り、チョークチェリーの木で囲った結界のなかで過ごす。
不思議なことに乾きは感じず空腹も気にならないのだという。
いくつかの体験記を読んでみたけど共通して書かれていたのがそのことだった。
喉も乾かないし飢えも感じない。
そして何か普段感じていない感覚が研ぎ澄まされ、前世の記憶のようなものが頭に浮かんできたりもするらしい。
時間の流れは早く、あっという間に四日間が過ぎるのだとも。
本当に不思議。

ちなみにさっきのブログの主がビジョンクエストの最中に見た"夢"についての記載↓

"座っていると、時々やけに眠くなって、むにゃむにゃと寝袋の中に入ってしまう。すると太鼓の音がドンドンと聞こえてきて、「は、やらなきゃ」と体勢を立て直す。
そうして目をつぶって座っている間に、私は実にはっきりとした光景を見た。

最初、私は馬に乗っていた。目の前には真っ青な草原が広がっている。
自分は鎧兜をつけた戦国の武士で、襲いかかってくる敵の武士を刀で切り倒していた。
何人も切り倒した。ずいぶん腕っぷしが強かった。
そして、誰もいなくなった。自分1人が残った。
すると、地平線の向こうから、敵の一団が横並びになってやってきた。
旗を立て、のろしを上げてやってくる。もうだめだと思った。
戦いはきりがない。何人殺したところで、自分もいつか殺されるのだ。
戦の無意味さ、虚しさを知った。

次に、怒った男性の顔が現れた。群青色の着物を着ている。
隣につり目の女性が座っている。こちらはあでやかな着物だ。
畳に正座をする私の着物はみずぼらしい絣の着物。私は2人に怒られている女郎だった。
三味線も踊りも、なんにもできないんじゃない。
私はただうつむいていた。
苦労ばかりの人生。何の楽しみもない人生だった。

そして最後に見えたのは、チベットの子供だった私の姿。
お祭り用の鮮やかな衣装を着て、ウキウキしている。
結婚すると、子供が何人も生まれた。
死ぬ間際は子供たちや孫たちが大勢私を取り囲み、見守ってくれていた。
平凡な主婦の一生だったけど、神の国で生まれ、神の国で暮らしたという誇りを持っていた。"

引用 exciteブログ『海とか、山とか、光とか』


読みながら、まるで前世の記憶が蘇ったみたいな話やなって。
食べたい飲みたいを離れてみたら無意識の中にある、普段は気づいてない(気づくことのできない)世界が開かれたりとかするのかな。
もしかしたらそうなのかも。
煩悩を超えた先の世界にアクセスするみたいな。

他にも何人も参加したことのある人がいるようで、どの体験記もとても面白かった。
中には、日本の山奥でやってみた人なんかもいて…。
でもこういうのって場所を変えてやっても良いものなのかな。どうなんやろう。
個人的にはネイティブアメリカンのゆかりの地でその部族のやり方に敬意を表しながらするというのがなんとなく良い気はする。
ちゃんとスウェットロッジでの清めの儀式もして…。

このビジョンクエストの間中、ずっと火を焚いて参加者の無事を祈ってくれる人たち(ボランティアの人たち)もいるらしく、たくさんの人たちのそういうピュアな思いもこの儀式においては大事な要素なのだろうなと感じる。
あと、さっきも書いたけど人体の持つ不可思議さも。。
人間の身体ってわかってるようでわからないことだらけだから。
そのわからなさに何かとても惹かれるものを感じてしまったりもあるのだけれど。



少しって言いつつ案の定めっちゃ書いてしまった。笑
でもほとんど迷わずスラスラ書けて、眠かったはずなのに書いてる間は眠気も起こらずで。
もしかしてこの話をしてる私の身にも何か不思議な力が作用してたりとかある…?
こんなの考えてみるのも楽しいな。


今日の推し活。
風くん、元気かな。(毎日これ聞いてる。笑)
たぶんだけど、きっと元気。(これも毎回書いてる笑 今日も元気でありますように。⭐︎)

SNS断ち、今日で何日目やろ。
ちゃんと数えようって思ってたのにすぐ見失うから苦笑。
一週間くらい経ったかな。
そろそろ見てみてもいいかな。。
うーん。
明日ソーッと見てみようかな。。

明日もきっと良い一日。


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