【無料記事】ユニクロU、HELMUT LANG、JWアンダーソン、MARNI…+J(プラスジェイ)の居なくなった2022年のユニクロデザイナーコラボを振り返る!後編
今週2月10日(金)、遂にUniqlo U (ユニクロユー) 2023年春夏コレクションが発売開始になります。
その前に、2022年の2022年のユニクロデザイナーコラボを振り返ろう!という企画、後編になります。
前編はコチラ
相変わらず充実のユニクロU、その幅の広さなら一番もデザイナーコラボとしての刺激は良い意味で薄れる…?
22年秋冬のユニクロコラボは、メンズに関しては少し寂しいものとなりました。
相変わらずユニクロU、JWアンダーソンはあったものの、上半期あれだけ話題性のあったMARNIに関してはレディースのみの展開に。
今のユニクロデザイナーコラボを全面的に支えるようになったユニクロUですが、良い意味でも悪い意味でも、新鮮さはもう無いですよね。
刺激が無い、と言うか。
「何か特別良いものあったら買うか」
「ちょっと今、手持ちでシャツが無いから買うか」
のような、ユニクロの通常ラインと同じ使い方、見方にどんどんなっていますよね。
本当数年前には、「ユニクロUでそのシーズンの洋服全部買わないといけないんだ!」みたいな、もうカゴいっぱい買っている人とか見かけたのですが、そんな必死感は皆無いんじゃないかなと。
イベントやお祭り騒ぎ感も薄れていますよね。
少なくともアウター類は、もう本当に、相当良いものじゃないと定価で売り切れることは今後も無いのではないかな?
22AWのユニクロUで良かったのは、コーデュロイパンツとニット。
ユニクロU22AW コーデュロイワイドフィットワークパンツ
これは20AWシーズンで非常に出来の良かった2「コーデュロイワイドワークパンツ」の焼き直し?いやいや、アップデートと言えるアイテム。
まずこの素材が素晴らしい。
秋冬の鉄板素材の一つであるコーデュロイですが、実はユニクロUが得意としているアイテムでもあります。
この生地感は、セレクトショップオリジナルあたりで1万円以下で見つけてこい、と言われたらお手上げになってしまいます。
少ない原料を無理やり膨らませたような、スカスカでペラペラな素材のものばかりですから。
その点これはふっくら感やツヤ感など、コーデュロイ本来の素材感を十分楽しめます。
シルエットも、ワイドパンツながら、太過ぎない、取り入れやすいものに改良されました。
20AWのコーデュロイワイドフィットワークパンツとは、スソ幅で比べるとそこまで違いは無いのですが、ワタリと呼ばれる、太ももの付け根の一番太い部分などがかなり細くなっているんですよね。
結果、全体的にかなりスッキリして、重いコート類などとも難無く合わせられるようになりました。
ワークパンツとあるように、ワークディテールもありますが、ほとんど気にならないものなので、取り入れやすかったと思います。
それなりに数を作っていたにも関わらず、定価4990円で売り切れたのも納得。
ユニクロで定価4990円は、決して安くはないですが、それでも安い!と言いたくなるハイレベルなアイテムでした。
ブラックとかダークブラウンのような、コーデュロイパンツの定番色で他に良いアイテムを探すのは断念したくなる出来でしたから。
シルエットや色味でそれなりに特色無いと、もうキツイぞ…と。
あまりこういうこと言いたくないのですが、それこそ「もうコーデュロイパンツはユニクロで良いのかな」と思ってしまいましたね。
これ買った人かなり満足感高かったんじゃないかな?
いかに良品と言えど、以前同じようなものが出たことがある、継続品の場合はほとんど売り切れないのがユニクロU。
それでもこのアイテムは、アップデート具合がかなり良かったので。
もう1つは、このニット。
ユニクロU22AW プレミアムラムリブVネックセーター
この「プレミアムラムリブVネックセーター」は、素晴らしいアイテムだったと今も思うのですが、それなりに後悔・反省もあるアイテム。
ウール100%で肉厚、チクチクしやすかったラムウールですが、これはチクチクしない。
リブの締付けが無いので、そこに野暮ったさを感じることもなく。
あとは何と言っても1枚でも見栄えする…。
インナーなら…みたいなニットは得意なユニクロですが、1枚でこれだけ見栄えするニットはそうそう見当たらないし、そこがやはり素晴らしかったなと。
もちろん毛抜けがするとか欠点が無いわけではなかったのですが、それでもこれは良いでしょ!?と。
ただね…これ店舗限定品では無かったんですよ。
ユニクロの非・店舗限定品を舐めてた…。
どんだけ在庫あるんだよ!?というくらい、本当売りきれない。
無限在庫というくらい。
そのため定価3,990円はどんどん下がっていき、それでも売れず、半額の1990円で買えるタイミングもかなりありましたね。
流石にオンライン限定サイズは早めに行っといた方が良いんじゃないか?と思ったのですが、オンライン限定サイズすらどれだけ作ったんだ?というくらい在庫があって。
あれだけMARNIの花柄シャツで、ユニクロの非・店舗限定商品の流通量はの多さを目の当たりにしたにも関わらず、本当の意味で分かっていなかったなと。
定価で買ってしまった人に申し訳無さを覚えましたよ。
売り切れるから良い商品、売りきれないからダメな商品というわけでは決して無いですが、やはりいつまでも売りきれずどんどん値下げされていく商品は、今後同じようなものが出た時にその価値が下がってしまうもの。
それを言ってしまうと、今のユニクロUに定価で売り切れるアイテムがどれだけあるのだ?という話もなってしまうのですが。
それでもやっぱり、このニットと先程のコーデュロイパンツ、シーズンを終えての感じ方が違うのは、売れ行きと、そこからくる値下げ度合いもあるなと。
多くのブランドがそれで終了していきましたし、そういう視点も持たないといけないのかなと反省しましたね。
その他、シャツなど、日常的に着るアイテムで、ちょっと数が心もとない…なんて時に補充したい場合にはちょうど良い物が揃っていました。
新型ウイルス禍も一段落して、勝負服的なアイテムだけではなく、そうした日常着もまた必要になってきたと思うんですよね。
そこらへんの幅の広さはやっぱりユニクロU強いのかなと。
ただ、発売直後にこれは買っておきたい!みたいなアイテムは少なかったですね…。
その他、定番的に展開される「レギュラーフィットジーンズ」は、22SSとはシルエットをマイナーチェンジ。
ユニクロU22AW セルビッジレギュラーフィットジーンズ
21AW=22SSのモデルと、22AWのモデルとを比べると、スソ幅は同じですが、そこに至る過程、ワタリ(太ももの一番太い部分)から、スソから上10cmくらい上くらいまで、22AWのほうが全体的に太くなっています。
スッキリとした前期までのものを買い足したかった人は、ちょっと違う、となったのではないかなと。
ユニクロUのレギュラーフィットジーンズは、いつも変わらないという意味での「レギュラー」ではなく、その時その時に合わせた、その時代のレギュラーなんですよね。
ワイドジーンズが台頭し、前期までのレギュラーフィットジーンズでは細く感じてしまうトレンドに合わせて、太くしてきた、それでも太過ぎず…という苦心が伺えます。
23SSシーズンのレギュラーフィットジーンズも、今のところ公表されたサイズスペック的には22AWのものを踏襲しそうですよ。
ユニクロU22AWの総論としては、良い物が22SSに比べて、グッと減ってしまったなという感じ。
22SSはなんだかんだ、+Jが無くなってこれからのユニクロコラボを引っ張っていくのはやっぱりユニクロUだな、と思わせるだけの充実ぶりだったのですが。
22SSが85点だとすると、22AWは50点も行かない感じ。
コスト高など、様々な外的要因が関係しているのかどうなのか。
流石と感じるところもありましたが、全体としては「どうしちゃったの?」と感じるところが多かったですね。
強みだったはずのアイテムが、全然魅力が無くなってしまっていたり。
23SSで巻き返して欲しいところですが…。
ジーンズのみという新しいコラボの形…HELMUT LANG(ヘルムート ラング)は盛り上がりはしなかったが…
ユニクロUの22AWから間を置かずに展開されたのが、UNIQLO and HELMUT LANG。
ヘルムート ラングは、90年代-2000年代に人気を博したインポートデザイナーズブランド。
おそらく、どこかで一度は耳にしたことはあるはず…。
紆余曲折を経て現在はファーストリテイリング傘下のブランドになっており、Theoryのようにグループ内コラボという形になりました。
ただし大々的なコラボというわけではなく、デニム一型のみという非常に限定的な展開です。
UNIQLO and HELMUT LANG クラシックカットジーンズ
何となく、今の基準で行くと細身に見えると思いますが、実はワタリとか太さ的には前述のユニクロUのレギュラーフィットジーンズとそこまで違わないんですよね。
ただ股上は、今の基準で行くと短め。
そして股下はグッと長め。
そのため全体としては細身に映るという感じ。
体感としてのジャスト具合も、股上大きい目のものに慣れてしまった今、かなり違って感じますね。
これが昔は普通だったんだよなあ…。
ストレッチとかも入っていないので、デニムの固さをダイレクトに感じると言うか。
これ、スタイルの良い人にはかなりハマると思いますね。
股下は全サイズしっかり84cmも取っていますし。
これはUのデニムの最大サイズよりも+10cmもあるんですよ。
サイズの大小と股下は比例させてしまうブランドが多いので、「ウエスト、腰回りはめちゃ細いけど、股下は長い」みたいな体型の人には合うパンツって本当に無いんですよ。
そういう体型って、ファッションとしてはかなり理想に思えますが、ウエストゆるゆるで穿けるものがない…みたいな。
私の周りにもいますが、そういう人にオススメを聞かれてもなかなか答えてあげられず。
一応ユニクロには丈の長いデニムがインラインにあるにはあるものの、もう少し特別感も欲しいし…。
そんなに細い、スキニーみたいなものが欲しいわけでも無いし。
そういう人にはこれ良かったと思います。
ブラックも、Uで以前出ていたもののように真っ黒ではなく、硫化染めブラックのような感じで、よりデニムらしさがあるものになります。
標準的な体型の人が丈を詰めて無理に穿くようなものではありませんが、日本国内におけるトレンドボトムスがしっくり来ない人にとってはかなりハマるコラボになったのではないかなと。
単価も高めで、これをユニクロ全体みたいな大きな規模感で売り切らなければならない、というような切迫感が無くて。
本格的なセールには掛けず、そのため今も買えるんですよ。
グループ内ブランドだからか、ブランド価値を下げないように大事にされてますよね。
そこまで話題にならなかったのはやはり、体型的に良く見える人を選ぶことと、今これを穿いて良い意味での違いを感じることが難しいこと、単価が高いことでしょう。
「これは自分には関係がない服だな」と感じる人が多かったのかなと。
ユニクロデザイナーズコラボって、自分に関係があると思ってくれる人の数を極限にするのが目的ですからね。
普段ユニクロは買わない人をユニクロに呼び込んだり。
これ3-5年は早かったように感じます。
ワイドパンツが普及しきった頃、ようやく細身、スキニーみたいな細さではなくて、これくらいのスッキリさに戻るような気もするのですが。
それはその時が来てみないとわからないし。
トレンドが変わったとき「そういえば、ヘルムート・ラングがちょうど良いデニム出していたな」ということになるのかどうか。
そのための種まきをしている、と言ったら良く言い過ぎなんでしょうけど。
+Jとか、最後の値下げ値下げ値下げの印象を皆が忘れるまで、あと5年は出来ないだろうなと思うと、本当大事にされているなと思いますよ。
このくらい大事にしないとダメよ…と、年末のMARNIコラボの惨状を見ると改めて思いましたね(後述)。
上半期に続き、良い意味で期待の低さを裏切ってくるUNIQLO and JW ANDERSON
「第二のユニクロ×ルメールになるのではないか」と、鳴り物入りでスタートするも、契約年数の問題で辞めたくても辞められないのか、というくらいに不遇を囲っているUNIQLO and JW ANDERSONコラボ。
もうあんまり皆期待してないというのは、毎回売り場の雰囲気で察するのですが、22AWに関してはちょっとした「争奪戦」がありましたね。
それがこのトートバッグ。
UNIQLO and JW ANDERSON 22AW トートバッグ
ブラック、オリーブ、ブラウンの3色展開だったのですが、オリーブとブラウンの在庫数が本当少なかった。
オンラインもすぐ売れてしまったし、店頭でもオリーブとブラウンはほとんど用意された数が無くて争奪戦でしたね。
アパレルが期待出来ないから小物類、特に分かりやすさのあるバッグを記念的にとりあえず…とか。
あとは転売しやすそう…などなど、様々な思惑があるにせよ。
ユニクロUなどは、簡易的なバッグが多かったのですが、JWアンダーソンのコレは結構ちゃんとしたバッグ。
結構大きめ(横36×縦42×幅12.5cm)のサイズ感で、ノートPCも入るし、マチ(奥行き)もしっかりあって、お弁当箱なども入りますし。
ビジネス用途はちょっと違うと思いますが、学生の通学用、また休日の買い物などカジュアルシーンに適しています。
定価約3000円だからね…。
ユニクロUでいつも展開される簡易的なバッグとくらべても大分頑張ってくれた感ありましたよ。
これ何で3000円だったんだろう…。
もちろん世の中良いバッグっていうのはいくらでもあって、「カバンは良いもの持ったほうが良いぞ」とか言うのは簡単なのですが。
そうそう今すぐ急に全てのモノにお金を掛けられるわけではないですから。
次良いバッグ買うまではコレで…とか、全然アリだと思うんですよね。
万人向けアイテムでは無いものの、「シューカットジーンズ」も良かったです。
UNIQLO and JW ANDERSON 22AW シューカットジーンズ
「シューカット」は、いわゆるブーツカット、フレアパンツの亜種。
2000年代-2010年代前半に、小規模ですがフレアパンツがトレンド化した際に「従来型のブーツカットのように大袈裟ではない、ほんの少しフレアしているもの」をシューカットと呼んだりしていました。
ただ特段区別していないブランドもあります。
脚と靴との境界線を半ば無くし、靴も含めて脚に見せてしまうシューカット。
脚長効果的なところで言えば、シューカットは最強です。
脚を長く見せるには、脚と靴の一体性を高めて、「靴も脚の一部」のように見せることが必要になってきます(逆に靴と脚がハッキリ分かれて、分断して見えれば脚は短く見えやすい)。
シューカットは、ナチュラルに靴に覆いかぶさり、靴とパンツの一体性を高めて、脚を長く見せてくれる効果があります。
脚を長く見せる方法は、ヒールの高い靴を履くなど他にも方法はありますが、出来るだけ自然に…と言うと、シューカットが一番ではないでしょうか。
まあ別にスタイルを良く見せることだけがファッションではないのですが、やはりよく見えるならそれに越したことはないですからね。
ただこのシューカットも、2010年代後半を席巻した「アンクルカット」トレンドによって姿を消しました。
数年前、やたらスソの溜まり、クッションがダメ!と言われた時代がありましたよね。
ただ他ならぬユニクロまで「足首出して行きましょう!」などと言い出し、世の中皆アンクルカットのパンツを着用し出したことでアンクルカットトレンドも終息。
今はむしろ少しクッションが付くくらいがちょうど良いとされており、シューカットなどフレアパンツも穿けるフェーズになったというわけです。
まあこれもそれなりにハードルありますけどね…。
ただ値段が約5000円、という価格面でのチャレンジしやすさ。
そしてダークグレーは実質真っ黒と、着こなしやすいカラーリングでした。
やはりラインナップの全体としては低調なJWアンダーソンなのですが、これも間違いなく22年のユニクロデザイナーコラボの良品の1つでしょう。
ユニクロUなどと比べると、売り場は明らかに盛り上がらないのですが、だからと言って1つも良品が生まれないコラボではないし、久しぶりに争奪戦まで生じたユニクロ×JWアンダーソン22AWでした。
やはり二回目以降は盛り下がる…レディースのみの展開となったMARNI(マルニ)、値下げ地獄再び
ユニクロデザイナーコラボ、22年最後を飾ったのは、上半期話題をさらったUNIQLO and MARNIでした。
花柄やグラフィティ、黒やグレーなどをほとんど使わないコレクションは、新型ウイルス禍からの開放を裏テーマに、少なくとも話題性においては抜群。
売り場の熱気も、+Jを思い起こさせるものがあり、これぞユニクロデザイナーコラボ!という熱狂を生み出しました。
成功に終わった22SSだっただけに、継続が望まれていましたが、22AWはレディースのみの展開に。
おそらくユニクロマルニのコンセプトと、メンズとの相性の悪さを危惧したのでしょう。
メンズ服は、黒、グレーのモノトーンを筆頭に、ネイビー、オリーブ、カーキ等、とにかくリアリティのあるカラーが需要があります。
カラフル過ぎるユニクロマルニは、メンズからは敬遠されるはず…。
そのように懸念されたのも無理はありません。
ユニクロではない、MARNIの本コレクションは、シンプルな洋服もあるんですけどね。
それは何故かユニクロマルニでは採用されず。
そして発売当日…一応人は売り場には居るんですが、全然アイテムが減って行かないんですよね。
一応整理券とか、販売制限とかあったのですが、いやこれ要らないでしょ…というくらい(途中から整理券関係なくなってましたし)。
上半期の比ではなく、盛り下がってしましたね…。
もちろんレディースのみ、メンズが基本埒外に置かれたので、当たり前と言えば当たり前なのですが。
どうしてもユニクロデザイナーコラボって、初回の盛り上がりを超えられない…。
お祭り騒ぎがどこか行ってしまうんですよね。
一応今回もメンズでも着れる服はあるにはありました。
UNIQLO and MARNI コーデュロイワイドフィットタックパンツ(丈長め73cm)
例えばこの「コーデュロイワイドフィットタックパンツ(丈長め73cm)」は、上半期良かった「ワイドフィットタックパンツ」の夢をもう一度…みたいなアイテム。
丈が短いバージョンと、丈が長いバージョンとがあり、後者はメンズでも穿けました。
ただオンライン限定だったんですけどね。
シルエットは及第点。
なのですが、やっぱりこの色味がね…。
どうしてもレディースのそれなんですよ。
ブルーなら、メンズもギリギリ行けるんじゃないか?と思わせて、ギリギリ合わないライン。
恣意的なファッション…それを志向するならまだしも、そうでない人がするとこれみよがしな、何とも取って付けたようなものになってしまうリスクが高かったですね。
確かに派手、でも着れるっちゃ着れるし、気分がガラッと変わるような洋服達なのですが、じゃあこれ、クリスマスにデートで着ていくの?と言うと…まず着ないんですよね。
私はパーカーも買って、気分転換にはすごく良かったのですが。
売り切れたのは、オンライン限定だった丈長いバージョンのコーデュロイワイドフィットタックパンツだけで、他は年明けを待たず早々に値下げに。
それでも売れず、現在は投げ売り状態になっています。
どうしても注目度や話題性の落ちるコラボ2回目、そして万人向けはしない、またたとえレディースとはいえちょっと敬遠されそうなデザインや色使い…。
JWアンダーソンのトートバッグほどではないにしても、もう少し生産数を抑えて限定的な展開、プレミアムな演出をしないとキツかったでしょうね。
これおそらく3回目がもしあったとしても、皆敬遠してしまいますよ。
ユニクロ×JWアンダーソン化してしまうおそれすらあります…。
ほとんど無風だったヘルムート・ラングと違って、ユニクロMARNIに関しては、各インフルエンサーが力を入れて取り上げていたのですが、やっぱりどこか「私には関係ないもの」と捉えられてしまった感はあります。
ぱるるが着ると可愛いんだけどね。
同じようにあまり大々的に成功とは言えなかったヘルムート・ラングが大事にされているのを見ると、あまりにブランドを雑に扱っていて、うーん、これMARNI側も損してない?
MARNIの23SSシーズンはもうスタートしていて、1枚8万円のシャツとか、これ変わらず売れるんかな…と思ってしまいます。
今回被害を受けなかった?財布やバッグなどの小物類は変わらず売れると思うのですが。
インフルエンサーの影響力は低下しているのか…?これからのユニクロとの向き合い方
デザイナーコラボに限らず、注目アイテムの売上を見ていると、インフルエンサーの影響力が低下しているような印象を受けます。
インフルエンサーがこぞって絶賛したアイテムが、売り切れず、半額以下になったり。
これは、一つにはあまりにもユニクロを紹介する人があらゆる媒体で増え過ぎてしまったことも要因としてあるでしょう。
どうしても数が増えれば、個々の印象は薄まります。
擦られすぎている印象もありますし。
またユニクロを紹介してフォロワーを獲得・集客する→獲得・集客したフォロワーに自己のブランド(インフルエンサーブランド)を販売する、というビジネスモデルがハッキリ確立してしまったことで、どこか冷めた目で見られることも多くなったのかな、と。
ユニクロは、ごく一部のアイテムを除いて、とにかく凄まじい数を作ります。
それを定価で売り切るには、それこそ「熱狂」が必要なんですよね。
そうした熱狂は、簡単に生み出せるものでは無くなっています。
22SSの、「初モノ」かつ「大物」だったユニクロMARNIは、そういったものを吹き飛ばすお祭り騒ぎ感がありましたが、それも2回目となると盛り下がってしまいますし。
また容赦なく投げ売りみたいなことをしてしまうものだから、なおさら次の熱狂は生まれにくくなります。
一連の値上げで、ユニクロはもう安いブランドでは無くなるかもしれませんし。
皆の目が厳しくなるからこそ、「ちゃんとやらないと」と。
もう「ユニクロだしこんなもんだろう」は絶対通じません。
いい子ぶるわけではないのですが、私は元々皆がユニクロを扱うからこそ、「自分が一番真面目にユニクロを扱おう」と、ユニクロを扱い始めました。
批判されることも有りましたけどね。
でも、価格や、何と言っても馴染みやすさや気軽さ、ハードルの低さがあるのがユニクロの良さで、それはファッションを「自分には関係がないことだ」と思う人を作らないために、必要な取り組みでした。
(良い服を紹介したくても、どうしても「自分には関係ない」と言われてしまうこと、あったのです。)
うーんどうだろう、それは今も、全う出来ているだろうか?
こうして22年を振り返ってみて、出来ていたところもあるけれど、反省すべき点もありますね。
いやーUのラムウールニットはね、申し訳無さすらありますよ。
あらゆる物が値上げされる昨今、モノとの向き合い方はさらに真剣さを増して行くと思います。
今まで何も考えずにカゴに入れられていたものも、これ本当に必要なの?と。
モノの良し悪しももちろんありますが、それだけではなくて、これはどういう人に、どういう状況で合うのか?
そこまで掘り下げて紹介、提案していく必要があるでしょう。
時にはユニクロ以外の選択肢も絡めた総力戦で、この時代を乗り越えていく、そんな提案が今年も出来たら良いなと思っています。
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