見出し画像

今季最高のコートを探して…コート特集セレクトショップオリジナル編、今年は中間価格帯が熱い!【フィーチャー】

  冬アウターの王様、ウールコート。
日常はもちろん、ここぞ!というときには着たくなるアイテムです。

それこそ数年前は、クリスマスにはタートルネックにチェスターコートを着た男ばかり!とTwitterで揶揄されるほどでした。

ただその情勢には若干変化も。

昨年はクリスマスイブあたりですら、コートよりもフリースジャケットとかボアブルゾンみたいなアイテムを着ている人多かったんですよね。

長らく外出がはばかられるような時期が続いて、コート、特にロングコートとか億劫だな…という空気感があることも事実。

とは言え、まだまだ冬アウターの王座は揺るがないでしょう。

コート欲しい!という人は一定数居るのは分かっているので、力を入れてリサーチしております。

まずは中間価格帯、セレクトショップオリジナルを中心に紹介。

セレクトショップオリジナルと言ってもドメスティックブランドと遜色無いくらい高価格帯のものまで色々ありますから、あくまで中間価格帯、下は1.5万円、上は5万円程度までのラインナップです。

今年はここ2年、かなり傑出度が高く、相対的な出来の良さが目立ったあのコートが少しモデルチェンジしましたし、他のセレクトショップオリジナルのコートも出来が良いです。

どこが良くて、どこが気になるのか?

一緒にセレクトショップを廻っているような、そんな気分になって頂けると嬉しいです!

ここ数年最もコスパの良いウールコートを送り出してくれたCITY(STUIDOUS)、今年はさらに値下げでどうなった!?


 ロング丈&ビッグシルエットのトレンドで、生地をたくさん使うためか、値上がり傾向が続いたウールコート。

セレクトショップオリジナルのコートの価格帯は、おおよそ2万円台-5万円台。

一般的に見れば、これでもかなり高いお値段だと思うのですが、それだけ払ってもなかなか納得のいく良い物を紹介しづらいここ数年でした。

そんな中で、ダントツで良いウールコートを作っていたのが、STUIDOUSステュディオスです。


STUIDOUSは、2010年台、一世を風靡した新興セレクトショップ。

「日本発ファッションスタイルを世界へ」のスローガンの下、当時勢いのあるドメスティックブランドを取り揃え、オリジナルアイテムも充実。

卸のセレクトブランドとオリジナルの二本立てで勝負、というのは大手セレクトショップの確立された手法。
とにかくセレクトブランドの活きが良かったことで、それに倣ったオリジナルも絶好調でした。

ただ2017-18年くらいが転機だと思うのですが、ドメスティックブランド達もキープレイヤー達が入れ替わりました。

AURALEEやCOMOLIといった、現在もトップの人気を誇るブランドたちが勢力図を完全に塗り替えたのです。

この2ブランドを、STUIDOUSは取り扱っていなかった。

それだけが全てではないにせよ、それまでの勢いに若干の陰りが見られるな…と正直思っていました。

ただそこからしばらくすると、トレンドに合致したアイテムを作るようになり、以前ほどの高打率ではないものの、オリジナルでも良い物が見つけられるようになっています。

例えば20年秋冬に登場した「メルトンバルカラーコート」。

20AW  STUDIOUS  メルトンバルカラーコート


ウール90%、ナイロン10%の肉厚なメルトン生地を使用したウールバルカラー(ステンカラー)コート。 

十分な厚みがありながら、固さはそれほどない、高級感もある…この価格帯としては文句の付け所の無い生地を使用。


シルエットもほぼ完璧。

若干肩周りのパターンには上位ブランドとの差を感じなくはないものの、それを凌駕する生地の満足感で、同時期ではダントツの見栄えの良さでしたね。

グレーっぽいカーキのカラーリングも、リアリティと洒落感のバランスが取れており。

発売当時は特に他のセレクトショップオリジナルと比べて傑出していたということもありますが、仮に今年、全く同じ物が出たとしてもオススメしたアイテムでしょう。

冒頭でも述べた通り、ロング丈とビッグシルエットが求められることによって、なかなかこの価格帯でも納得の行く物はもう見つけられないのか…と思っていた頃でしたから。

もうコレだ!と、紹介出来ることが嬉しくなってしまうアイテムでしたね。


昨年21年、STUIDOUSはオリジナルアイテムを、それまでのSTUIDOUS名義からCITYシティーと名称変更しましたが、基本的には同素材、同シルエットでバルカラーコートを製作。

良い出来だったのですが、CITYに変わって、より「ブランドらしさ」を重視したのか、リアリティという面で使いづらいカラーが多くなってしまいました。

パープルや、白に近いベージュなどは売れ残ってしまいましたからね。


そして今年22年も、CITY名義でバルカラーコートが出ました。


CITY  BALCOLLAR COAT

スーパー100’sステンカラーコート/ バルマカーンコート


撮影時の光の関係上、色の再現度が低く、緑っぽさが抑えられています。実物はもっと緑っぽいです(オンラインストアの画像のほうがより実物に近い)

今年も基本的には同じアイテムながら、色以外ほとんど変わらなかった前2年とは異なり変更点も目立ちますね。

まず生地はこれまでのウール90%ナイロン10%のものからウール100%のものへ変更。
21年はSUPER140Sウールでしたが、これもSUPER100Sに変更されました。



このSUPER○○Sというのは、糸の細さを表し、SUPER100Sなら「原毛1キログラムあたり距離100キロメートルの長さの糸を作ることが出来る」という意味になります。
したがってこの数字が大きくなるほど細い糸ということ。

ウールの割合(90%から100%に)、SUPER140Sから100Sへの変更など、スペック面ではなく、純粋に見た目や触り心地からすると、正直ちょっとだけ高級感や満足感が減ったことは否めないかな…。

以前のほうが良い意味でふっくら感と、それに伴う立体感がありましたね。
ちょっとのっぺりした平面的な印象が出てしまいました。

ただそれでも38500円から、30800円に値下げされているのでね。
これは別に生地のグレードを下げたというわけではなく、確実に売れるから、たくさん作った、ということもあるでしょうし。

10%OFFのミニセールとか、クーポンとか、あるいはポイント還元などで、実質2万円台で手に入れることも可能になりました。

これはすごく納得感あると思うんですよね。

一般的には3万円出して良いコートって買えないの?って感覚だと思うのですが。

本当これが、探すの大変なんですよ…。


シルエットそれ自体は、昨年までとあまり変わりません。

丈感としては、しっかりロングではあるけれど、長過ぎない着丈110cm(サイズ2)。



着丈が115cmを超えてくるとかなり長いな、となってくるので、そこまで行かない、色気を失わず、かつ使いやすい限界のラインですね。

横方向も大袈裟感は無い範囲でゆったりとしています。
極端にふれず、でも十分にゆったりしたこのバランスに調整出来たのは、当時のセレクトショップオリジナルとしてはちょっとした驚きでしたね。

気を付けたいのが、ソデの長さ。
現行のトレンドは、ソデをやたら長く取るのです。
ここは短くもないですが、そこまで長くもしていません。

上位ブランドがソデの長さでニュアンスを表現していることからすると、若干物足りなさを感じるかも。

ただ全体的には、トレンドに沿いつつ、やり過ぎ感はない良いバランスだと思いますよ。


また今年は、チンストラップ、通称チンストが付きました。


これはエリのタブのこと。

これがあると、エリを立てた状態を安定的にキープ出来ます。


エリを立てた状態の画像が何故か無かったので、別アイテムの画像を参考に

首を防寒することは、体感温度に大きく関わるわけですが、結構男性ってマフラーとかを面倒に思う人が多いんですよね。

マフラーなんて、しゃらくせえ!みたいな(イメージです)。
その点チンストでエリを立ててしまえば、マフラーは要らないと。

そして何より、エリ高になることで全体的なシルエットすらも誤魔化せてしまう。

ロング丈&ビッグシルエットが普及した現在は、あると嬉しいディテールで、採用するブランドも多いのです。

(逆に言うと、エリを立てた画像ばかりオンラインストアにあったら、エリの形やシルエットなどを誤魔化したいのかな?と思ったほうが良いかも?)

ちょっとしたことではあるのですが、このチンスト採用は大きいですね。

今年は色も良いです。
昨年は良い色なんだけれど、ちょっとリアリティの観点からどうなんだ…というラインナップになっていました。

今年はブラック、ブルーグレー、ダークグリーン、どれもリアリティありますし。

無難にブラックでも良いですし、ブルーグレーとダークグリーンも洒落感が出せます。

ちょっとブルーグレーは綺麗過ぎるというか、若干「若さを感じさせるので、そこがハードルにはなりますが、良い色味。

ダークグリーンも、しっかり緑なので、カーキとかオリーブと比べると男らしさの抑えられた中性的なテイストもありつつ。

なおかつ着る人の雰囲気や年齢は問わない、クリーンで綺麗な色ですよ。


ちょっと私の撮った写真だと撮影時の光の関係上、色の再現度が低く、緑っぽさが抑えられています。実物はもっと緑っぽいです(オンラインストアの画像のほうがより実物に近いです)。

前2年の出来が良かっただけに、ちょっと今年の変更にケチを付けているみたいなレポートになっていますが。これで形をより完璧に…となると、もう2万円以上追加しないとダメなので。

38500円から、30800円に値下げされたことを考えればそれも目を瞑るレベルでしかありません。

今年は他のセレクトショップのウールコートもレベルアップしているので、傑出度、どれだけ相対的に抜きん出ているか?という点では昨年までに見劣りますが、それでも約3万円で買える良いコートなら、変わらずコレがイチオシです。


CITY  BALCOLLAR COAT

スーパー100’sステンカラーコート/ バルマカーンコート


ZOZO    STUIDOUS公式   Yahoo!ショッピング



ここから先は

11,888字 / 30画像
随時更新。その月に配信される有料記事はもちろん、過去の多数のマガジン収録記事が読めます。最低限の更新(週1本程度)は保証しますし、本数にはこだわらず情報と考えを必要な時に必要なだけ供給することを心がけます。 絶対損はさせません。

随時更新。その月に配信される有料記事はもちろん、過去の多数のマガジン収録記事が読めます。最低限の更新(週1本程度)は保証しますし、本数には…

サポートも毎回大変ありがたいのですが、「スキ」を押して頂けることや、シェアして頂くこと、またコメントを頂けること等、そうした皆さんの反応がとてもとてもとても励みになります! もっともっと精進してコンテンツを充実・発展させていきたいと思います。 応援よろしくお願いいたします!