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4000円のファミマスウェットより3万のスウェット問題…良いスウェットは何が違う!?高い服を買うために必要なのはお金だけではない!ということ【コラム】

  今から10日ほど前、X(旧twitter)に投稿された、とあるポストが結構炎上してしまいました。

現在は削除され、投稿した方(とあるブランドのデザイナーの方のようです)は鍵アカウントになってしまいました。

これは本当に心から思うんですが、コンビニエンスウェアで3990円のスウェットを買うなら33000円で生地の良いスウェットを買ったほうが安いと思う。これが分からない人にはどれだけ言葉を尽くしてもきっと何も分かってもらえない。 

ここで挙げられているコンビニエンスウェアとはおそらくファミマスウェットのこと(パーカータイプは3990円)。


ファミマスウェットについてはブログの方で解説しているので、出来ればそちらを見て頂きたいのですが。
この値段からは考えられないクオリティーの高さで各方面で話題を呼んでいます。

昨年末には既にX上で「ブランドに詳しい俺から言わせるとこれは○万円の価値がある」という投稿がインプレッションを集めたり、またそれに反発するような服好きインフルエンサーによる過激な投稿がなされたり。
ファミマスウェットの反響の大きさ故に「燃えそうな気配」がしていたのです。

しかし流石に冒頭の「4000円のファミマスウェットより3万円のスウェットの方が安い」というポストは大反発を受けてしまうことになりました。

様々な意見が飛び交いましたが、おおよそ否定的な意見が9割以上を占めており。

一応このポストの補足がさらにポストされましたが、さして納得感をもって受け入れられることはなかったようです。

不十分を承知ですぐに思いつくのは、まず満足度の高い購買体験ができること、袖を通すたび気分が上がる、傷めたくなくて所作に気を遣うようになる、最終的に二次流通で代金の一部を回収できる、など。即効的な理由ばかり挙げてしまいましたが、もう少し抽象的なものを含めるといくらでも。

アパレル関係者特有の思い上がりであるとか、3万円のスウェットにそんな価値は無いであるとか、様々な反論がされることに。

もうね、正直な感想から言わせてもらえるなら、本当、何やってんのよ!?という感じ。

こんな言われ方をしてさ、それまで価格帯の高い服を買ってこなかった人が買うようになるわけがないじゃない?

この投稿をした方だけに留まらず、誹謗中傷まがいの論評がアパレル関係者全体にまで及んでしまったし(「安月給なのに格好つけて高い服を着ている」等)。

結局この方もSNS全般を封鎖に追い込まれて、やっているブランドの価値も毀損してしまったように思いますし。

洋服を売ろうと色んなところで努力している人を傷付けてしまって。
誰も何も得しない。
もう本当、何やってんのよ…。

ただ色々見てみると、洋服に対する熱意はしっかりある方のようだし、ブランドに専念して頂いて、また別の形で、本来伝えたかったことを伝えてもらえればなと思いますけどね。

この炎上をきっかけに、私のところにも「良いスウェットって何が違うの?」「3000円のスウェットと3万円のスウェットの違いって何?」とか「ファミマスウェットの適正価格は?」など、いろいろな質問も来ているので、ここらへんをテーマに考えてみたいと思います。

私のスタンスとしては、値段の高い洋服を買って欲しいということは特にありません。
いやその値段では手が出ないよ、と言われれば、OK、もう少し手を出しやすい価格で良いものが無いか、探してみるね、と。
そんな感じで、ここまで8年くらいこの活動をしてきましたし。

高い洋服のほうが色々なことが簡単になることもあるけれど、代わりにお金を失い、そのお金があれば出来た他の趣味や娯楽が出来なくなるというのは事実ですしね。

誰かの価値観を否定することなくこのテーマについて語っていければなと。

価値がわかりづらいスウェットというアイテム

 
 さて今回のこのポスト、発言の「敗因」から分析していきましょう。

まずは何と言っても言い方ですよ。

「安い服よりも高い服の方が優れていると一方的に、かつ「分かってもらえないと思うけどそういうものなんだよね」というような諦めを含んだ見下しをしてしまっている。

それが9割以上の要因なことは前提として、もう一つ、「高い服の方が絶対的に良いんだ」というテーマなのに「スウェットを題材にしてしまったこと」も良くなかった。

スウェットに特別な価値を持っている服好きは多いものですが、一般的には最も価値がわかりづらいファッションアイテムと言えるのでは無いでしょうか。

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