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芸能人を見てダッシュで色紙を買いに行ったが・・・

あれはいつだっただろう。
地元の奈良駅で志茂田景樹さんを見たことがある。
それまで芸能人をほぼ見たことがなかった私は大興奮した。
(蛭子能収さんは見たことがある)
直木賞作家のあの志茂田景樹さんが、奈良駅の改札口を出たところに立っていたのだ。個性的な髪色と服装。間違えるわけがない!

なぜそこにいたかは不明だが、ミーハーな私はサインが欲しい!と思い、色紙を買うためダッシュで奈良駅の改札口から地上へ上がると、周辺の文具店を探し回った。しかし、こんなときに限ってどこにも見当たらない!

今なら東向き商店街のダイソー辺りに売ってそうだが、当時はそんな店もなかった。今思えばコンビニでノートでも買えば良かったものの、当時は色紙のことしか頭になかった。

あちこち必死で探し周り、どこにあったか記憶にないが奇跡的に色紙を見つけて購入すると、またダッシュで奈良駅へ戻った。

がしかし、志茂田景樹さんはいなかった。普通に考えれば当たり前である。芸能人がずっと同じ場所に立っているわけがない。行基像やないねんから…
ただ、当時の私はそこにいるものだと思い込んでいた。 

結局私は、色紙を買っただけで終わった。一体何をしていたのか。私の記憶が正しければ、色紙はその後、誰かの寄せ書きに使ったはずである。

後から考えると黒マジックもなかったので、色紙を渡してもサインは貰えなかったかもしれない。

時間が経てば経つほどに思う。あれは幻だったのではないか。
いや、サインがもらえず幻だったと思いたいだけなのかもしれない。

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