【文献レビュー】COVID-19 感染拡大下における留学生の大学生活について ―PAC 分析を用いた質的研究―
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石鍋 浩・安 龍洙(2022)COVID-19 感染拡大下における留学生の大学生活について ―PAC 分析を用いた質的研究―. 『茨城大学全学教育機構論集. グローバル教育研究』, 5, 95-106.
留学生4名を対象とした質的分析研究。
留学生固有の困難として、渡航制限により帰国ができないということが指摘されていた。
そのほかの困難は日本人の大学生と同様に、アルバイトが減り経済的困難を抱えていたり、家にいる時間が長くなったことから電気代などの光熱費が上昇、外出ができないために運動不足になっている、オンライン授業のため友人ができない、孤立、孤独を感じるなどであった。
私も留学生の後輩たちが大変な想いをしていないか気にかかり、たまに連絡をとるようにしていた。
その中でやはり一番困っていたことは帰国できないことであった。
正確には帰国することはできるのだが、一度、帰国してしまうと今度は日本に再入国できない可能性が高いために一時帰国ができないというものであった。
さらに、中国の場合は0コロナ政策のため、帰国するためにかかるホテル療養の費用等を含めて60万円程度かかるため、学生でかつ家族のいる留学生にとっては帰国はほぼ不可能な状況にあった。
コロナがまだ未知のウィルスで恐怖心があおられていたころに帰国した留学生たちは結局、日本に再入国することができず、そのまま留学終了となってしまった。
国は観光客の入国に関する議論をはじめているわけだが、学びを保障するために留学生に対する柔軟な対応が求められる。
この論文を読みながら、2020年3月に我が家にやってくる予定だったドイツ人高校生は今頃どうしているのだろうと思った。日本が大好きで日本語を一生懸命勉強していたという彼。いつの日か日本留学、果たしてほしいなぁと思うのであった。
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