『死に方がわからない』

門賀美央子著の『死に方がわからない』が話題になっていたので、図書館で借りて読んでみた。
ここ数年、私の病気が特に進行したのかできないことや大変なことが多くなってきて、(加齢もあるのか!?)できないことを受け入れられずイライラ、早く死にたい病を発症することが多かった。ついでに何かにつけて文句も多い。実際に言うこともあるし、独り言も多かったりの厄介な老人みたいになりつつある。やばっ。
純粋な死に方を教えてくれる本かと思いきや、そんなことは当然なくて終活の本だった。著者は私の年齢と近いアラフィフ。フリーの作家で所属なし、というのも私に近い。そして一人暮らし、母が別世帯で一人暮らし。親が死ぬまでは自分も死ねない、と考えるのも一緒。

孤独死、という言葉があるが、この現代の世の中、一人暮らしの人は増える一方なのでもはや孤独死はそれほど珍しいことではなくなり、でも著者が嫌なのは、孤立死。死んでから誰にも発見されずに、腐っていくこと。私も絶対嫌だ。
この孤立死をしないための方策が書かれている。要するに人に迷惑をかけないため、ということだから死んだ後のもろもろの処理の準備なども。

結局は、自分ではどうしようもなくなったら誰かに頼まないといけなくなるのだからそれを誰にするかは元気なうちに考えておいたほうがいい。
そのためにも、いい人間関係をいくつかつくっておいたほうがいい、ということだろうか。もちろん、人間関係に関係のない行政やお金で依頼する機関もあるけれど。
死んだときの後始末をお願いできる人なんてなかなかいないのが現実。今の時代、安らかに死ぬためには元気なうちにいろいろ情報を集めていかないといけない。こういう本も増えてくるだろうし、支援してくれるところも増えていくだろう。一方で詐欺まがいのところも増えるだろうから、そういうのに引っかからないように、だけはしないといけない。

どんどん昔と変わっていく現代。情報を手に入れたもんがちだ。
先日も持病の悪化で頭痛がひどくて一人で動けないときがあった。事実、記憶がないくらい意識も失っていたようである。そんな状態でも死なない、と医師に言われた。死ぬよりしんどいことって多いんだよな。