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奈良 春日大社中元万燈籠

8月14日・15日と春日大社では中元万燈籠が始まっています。


境内にある3000基もの灯籠に火が灯り、崇敬者の方が奉納した灯籠が参道に設置されあかあかと照らしています。


もともと神社にある灯籠はこんなにずらりと並ぶものでなく、神前に一基置くくらいのものでした。


灯籠(灯り・炎)をお捧げするというのは仏教からきているようで、東大寺の大仏殿の前にも、巨大な灯籠がありますね。


春日大社はそこから独自に発展を遂げ、神恩を返したい人々がそれぞれ灯籠を寄進して、やがてあんなに沢山並ぶようになったようです。


それが全国の神社に普及して、今ではどこのお社でも参道にずらりと灯籠が並ぶようになりました。


でも、よそさまの灯籠達と春日さんが違うのは、春日さんの灯籠は一基一基形やデザイン、太さ細さが違うことです。


おおくのお社が、統一的に灯籠が並んでいるのに比べ、春日さんの灯籠はどれも個性的。


それはそれぞれの奉納者が、おのおのの気持ちをこめて奉納しているから。


春日大社を歩くたび、これだけ多くの方がまごころをこめて神様に感謝の気持ちを表しているのかと思うと、圧倒される気分になります。


この灯籠達に火が灯るのは現代では年に数回だけ。


江戸時代は毎晩灯っていたといいます。


それはつまり夜のお参りも盛んだったということなのでしょうが、すべての灯籠に灯りが灯っても、なかなか暗いです。


でもせっかく?江戸時代の気分も味わえるので、ぜひ15日のうちにお参りなさってください。


今参道では見逃せない素敵な灯籠が設置されています。


春日さんの神様の物語を表したもので、絵がとても素敵なのです。


参道に面した部分だけでなく、側面にもちゃんと描かれています。


昼間見るのもきれいなのですが、やはり灯りを燈すことを前提に設置されているので、夜眺めるのがいいかと。


背景が黒いものが、闇夜に映える気がしました。


ぜひ昔の人の気分になって夜参りをしてみて下さい。


この春日大社の神様が、実は仏様でもあっということを知っていますか?


そのご正体は、実は興福寺 南円堂の不空羂索観音さまだというのです。


不空羂索観音さまには、春日の神様と共通点が沢山あるのですよ。


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