願い

願いを叶える800の方法 1/800「やりたくないことをやらない」

「あの時こういうことやりたいって言ってましたよね? どのくらい叶いました?」
と聞かれて思わず
「ぜんぶ叶いました」
と答えたのだけど、実はその時自分が「何を叶えたい」と言ったのか、あまり覚えてなかった。
ただその当時、ガイドの会社に雇われていてので「独立してどうこうしたい」と言ったのだろうな~と思う。
詳しい文言は覚えてないけれど、今現在、個人で仕事を作っているからほぼほぼ叶えられたと言っていいと思う。

ずっと「願いを叶える方法」が知りたくて、そのテの本を読んだり、実際に叶えた人に会いにいったり、色々やってみてようやくそのコツみたいなのが分かってきたように思う。

願いを叶えるために一番必要なのは、やりたくないことをやらないことだ。
これを言うとみんな「?」な顔をする。なんだか直接関係ない気がするし、この世にはやりたくないことだらけだけど、がんばってやらなきゃと思っているから。
でも、ほんとにそうかな~?と思う。
やりたくないことをやることで削がれるエネルギーは莫大なものだ。
そのエネルギーをもってしたら、創作でも芸術でもなんぼかはかどるだろう。
「そうは言っても、生活が」とか「それはわかるけど、家庭が」とか、そういうもっともな意見もよくわかる。

けどその辺こそ、発想の転換をすべきところではないかと思う。

『古事記』の中にスサノオノミコトという神様が出てくる。
『古事記』の神様は色々矛盾だらけで面白いのだけど、彼の凄いところは姉のアマテラスオオミカミにとんでもない悪さをして、神の世界を追放されるところだ。
どんなに粗暴でも思慮が足りなくても、彼はれっきとした神の一員であり、しかもアマテラスオオミカミの弟なのだ。この世の中心であるアマテラスの弟というこの上ない身分なのに、神々の世界から追放されてしまう。

これはある意味悲劇だけれど、その後スサノオは地上に降りてきて大活躍する。ヤマタノオロチの被害に苦しむ人々を助け、クシナダヒメとともにオロチと戦い勝利するのだ。
この時ヤマタノオロチのしっぽから出てきた剣が、草薙剣(くさなぎのつるぎ)といって皇室に伝わる三種の神器のひとつになる。

スサノオノミコトは神の国で居場所を失ってどんぞこだったかもしれないけど、神でありながら神に見捨てられたけれど、追放なんて不名誉な扱いを受けたけれど、それがなければ新しい居場所は見つからなかったし、クシナダヒメには会えなかったし、草薙剣を手に入れる英雄にはならなかった。本当のところ何が最良かなんて、死ぬまでわからないし、下手したら死んだあとひっくり返るかもしれないのだ。

ちなみにこの話は、当時の風景をかたどったものではないかと言われている。毎日のようにオロチに食べられる村の娘、オロチを退治したことによって手に入れた剣。現在も古墳から銅剣や銅鐸が出土することから、当時それは大変貴重なものだったのだ。モノをモノであがなう時代、銅剣の価値に見合うものがヒトだったというのだ。

スサノオのように「追放」を「新たな船出」としたらまさしく世界は変わるだろう。


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