第三子マタニティライフ⑤〜完〜

38週の妊婦健診の2日後。
お盆の3連休のうちに、長男の休み明けの提出物を準備しておこう!ということになり、毎日書かなければならないような宿題以外は終わっていたのでランドセルやカバンに準備し、暑いので一度昼前にお風呂に入る。
お昼ご飯を食べ、洗濯物を干し、少し横になって休もうとしたお昼12時25分、

ジャバッ!!!!

破水だーーーーーー!!!!!

股の間から勢いよく温かい羊水が吹き出した。
ダムの決壊みたいな。自分では止められない。

私の横で寛いでいた旦那氏に「やばい!破水した!!」と伝えると、大急ぎでバスタオルを2枚持ってきてくれ、とりあえず股に挟む私。動けば動くだけ羊水は流れ出してしまう。
母に連絡して迎えに来てもらい、その間に病院に破水した旨を連絡。そろりそろりと移動して風呂場で産褥ショーツに産褥パッドを貼り付けて穿き、着替えをして、入院バッグと飲み物、ゼリー飲料を持って迎えの車に吸水シートを敷いて乗り込む。イマイチ状況を把握していない息子たちに「お母さん、赤ちゃん産んで入院するから、○○病院に行ってくるね!」と伝え、家を出発。

13時頃、病院着。
産褥パッドは流れ出す羊水を吸い取りきれず、ぽたぽたしながら陣痛室へ向かう。
すぐさま破水の確認の検査と、子宮口の開き具合をチェック。それが終わるとすぐ入院着(私は病院レンタルを使わずにパジャマ持参)に着替え。
破水しているので感染症を予防する抗生剤の点滴。留置針が血管になかなか入らず、6回目でようやく完了。ごめんなさい看護師さんたち…
お腹にNSTモニターを付けると、なんと陣痛が4分間隔に。強さもどんどん増していく。

「経産婦さんだしこの調子ならすぐ産まれそうなので、分娩室行きましょう!」
これが16時頃。
どんどん痛みが増していくけど、いざいきみたくなる「おしりが内側から押される感覚」にはあまり近づいてこない。ただただ下腹部がどんどん痛くなってきて、フーフーと痛みを和らげる呼吸を続けるのみ。
看護師さんが痛みが来る度、腰をさすってくれる。夕食が運ばれてきたので、分娩台の上で食べる。痛みが来る度、スプーンを手放せないまま、握りしめて堪える。度々手を止めながら、お腹がすいていた私はご飯を完食。

しかしこの後、陣痛間隔が5〜10分になってきてしまう。立て続けに他に破水した方、陣痛が来た方が病院に来て、埋まっていく陣痛室のベッド。分娩室にいた私も、陣痛と陣痛の間隔が開いてしまったために、一旦、分娩室近くの陣痛室ベッドに戻ることに。これが22時頃。

しかし陣痛室に戻ってきたら、23時過ぎから陣痛がまた力を取り戻し3分間隔に。「ふぅ〜…痛たたた…ふぅ〜…」と、痛みに思わず声が出てしまうほどの強さに。さらに痛みの位置が段々とおしりの方にも来て、モニターを見ていた助産師さんに「もう1回分娩室に入りましょう!」と声をかけられる。

1時頃。分娩台に上がり、内診。

「あっ!子宮口8…いや、9cm!頭ももうすぐそこ!もう少しいきみを逃して欲しいけど、もう我慢できそうになければ、いきんじゃってもいいです!」

もう私はとっくに我慢の限界だったので、いきむことにした。
「ふーっ、ウン!っていきんで!」
「ふーっ、ウン!ぁぁぁああーーー!!(絶叫)」
痛みの波が押し寄せる度にこの絶叫を繰り返す。
5回目くらいの波でいきんだとき、何かが出口にずるっと降りてきた。
「いいよ!次で出そう!上手だよー!!」
めちゃくちゃ褒めて励ましてくれる助産師さん。出口を狭めまいと手を入れて産道を押し広げられていたので、めちゃくちゃ痛かった。そして次の陣痛でいきむと、赤ちゃんの頭が出口にズン!と挟まったのが分かった。
「もうね、次、痛くなってもいきまなくていいよ!陣痛だけでずるっと出てこれるからね!」

しかし痛みのせいでいきみたくなくてもいきんでしまうのであった…
「あーーーー!!!(絶叫)」
「いきまなくていい!いきまないで深呼吸!!」
「ふうううううううーーーー」
ずるるるるっと私のお腹から赤ちゃんが出てきた!!!

午前1時22分、身長50cm、体重2,938gの女の子、誕生の瞬間である。

出てきてすぐに産声があがり、ほっとしたのも束の間、後産スタート。

「胎盤出すためにお腹押しまーす」

ぎゅうぎゅう押される私のぷよぷよのお腹。残りの羊水もどんどん押し出され、上の方から段々と下の方へ、胎盤が徐々に剥がされて押し出される感じが何となく伝わってくる。これがめちゃくちゃ痛かった。陣痛と比べたら全然だけど、痛いもんは痛い。そしてまた胎盤もドゥルンと出ていき、子宮収縮が始まる。経産婦は痛いと聞いていたけれど、マジで痛い。生理痛MAXくらいの痛みがガンガン襲ってくる。しかも、収縮を進めるためにまたお腹をグイグイ押される。できるだけこの段階で子宮内の出血を体の外に排出した方がいいんだそう。そして子宮収縮を促す点滴も開始され、出産とは違う、子宮を握られるような腹痛が私を襲う。分娩台の上で体調チェックもしつつ、お腹もグリグリ押されつつ、ここから母子ともに約2時間の経過観察。
幸いなことに、今回のお産では会陰を切ることなく赤ちゃんが生まれてきてくれたので、円座を使うことも、おそるおそる座ったり立ったりすることもなかった。少し産まれる時に傷がついてしまった程度で、処置は特になし。バースプランに書いてよかったし、会陰がちゃんと伸びてくれたのが良かった。

カンガルーケアを希望していたので産まれたての赤ちゃんを抱っこさせてもらい、まだ母乳は出ないけど乳首をちゅーちゅー吸わせてあげた。産まれたてなのにとても上手に哺乳を試みる赤ちゃん、すごい。

後産の処置をしていた看護師さんに、バースプランに書いていた「へその緒の断面がみたい」を叶えていただいた。私は妊婦健診で単一臍帯動脈と診断され、通常2本あるはずの臍帯動脈が1本しかないと言われていたので、どういう感じなのか見てみたかったのだ。
確かに、動脈1本、静脈1本の2つの血管しか、へその緒にはなかった。これで栄養や血液を母体と胎児が送りあって無事生まれてきたんだから、本当に良かったとしか言いようがない。
へその緒と一緒に袋に入った胎盤を初めて見たんだけど…まぁグロテスクだし、The!臓器!!っていう感じだった。濃いめの紫色でした。私の胎盤は今回大きめだったそうで、後産の際、出てくるのにちょっと時間がかかったようです。

午前3時半過ぎ、車椅子でベッドまで運んでもらう。
ようやく休める…
待望の仰向け・うつ伏せ寝ができる幸せを噛み締め、後陣痛に耐えながら(この後痛み止めの座薬を入れてもらったし、ロキソニンも処方してもらった)、ご飯の時間と授乳時間以外はほぼ爆睡して出産当日を終えるのでした。
疲れてるからいくらでも寝れた。

マタニティの記録、これにて終了。
覚えているうちに!と思って勢い任せで書きました!!

新生児育児頑張りまーす!