生血


罪の深い朝、部屋の電気からカーテンの光に変える時
ブランデーとマグ、加えてポカリスエットのゴミ
ベッドに染み込んだ血に何を見出すも自由、嘲りの喘ぎ声

「青い世界はもう終わり!さあさ哀しみの人魚姫。早くしなさんな、泡は誰にも気付かれないで、名実おしゃかになっちゃうぜ
鮮やかな暗闇を闊歩しよう 冬の孤独の匂いに、彼女を喰らった青い波の底で、砂の裏側はずっと赤く脈打っていたろ その裸足の指で掴んだ向日葵畑の土は、さて、どんな味がする?

ほら、笑えよ おまえの笑みで太陽は出る 踏切を超えろ 世界を喰って夜へ光れ 強く 強く おまえのことを勘違った世界へ、今更どうして何を乞う?

殺されるな 殺されているな 自分を殺して相手の胸に楔を打つなんて、片腹痛い、時代遅れさ。変わらぬ想い、本当の恋、一生の大好き。無いとも知らず言の葉イチマイに胸を切り裂かれる想いは、もうたくさんだろう?雷が潜む風に乗せて、飽きるくらいさよならをしよう」



急ぎ整えた髪、袖の破れたシャツ、時間のずれた腕時計、親指のない右手、剥げたネイル、痣だらけの膝、土を掴む裸足、姿勢だけは美しく、顎をつんと高く上げて



傷だらけの胸を張れ、生血を流してやむな。




美味しいお酒でも飲みます。