伝えるということ

拳を握り、胸を叩き、言葉で格好でしっかりと伝える。

ピッチャーが孤独になると、その疲労感と焦燥感は観るものの言葉を詰まらせる。
だからこそ、その前にちゃんと伝えて、仲間の居ることを知らしめる。

最初に見たのはブロンコの部の日本代表選考会。
ピッチャーの選考でのキャッチャーをしていた。殆どが初めて会う、初めて受ける相手だ。
それでも良い球がくれば、しっかりと褒める。やや思惑と外れたと思われる球がくれば良いところを伝えながら落ち着いて、と大きな声で伝える。

思わず、選考会の取材に来ていた高校野球ドットコムの記者と「彼の声出し、良いですね。」と話し込んでしまった。それは選考結果の前のこと。

見事選出され、ブロンコ大会では準優勝という結果。

春の関東連盟ブロンコ大会では盤石の優勝。

夏の全日本選手権ブロンコの部でも優勝。

身体はむしろ小さい方。しかし、プレーはどのポジションでもこなす技巧派かつ本格派。
それでいて常にチームを鼓舞する姿はこの先も絶対的な武器だ。

写真を撮っている自分にも何故か感じさせられるその安心感は同じフィールドに立つ仲間の不安な気持ちをどれだけ明かしてくれることだろう。

これまで先輩たちの活躍を更に超えるべく、また大きな声で不安を吹き飛ばし、勇気を自信をしっかりと伝えていくだろう。

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