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今こそ、言葉の力が求められている

職場であるHOTEL SHE, KYOTOがクローズして早3日、そしてここ半年に渡って進めていた「泊まれる演劇」のプロジェクトも無期限の延期となって、これまで握りしめていた情熱をどこに傾けていいのかわからず、高速道路から急に下道に降りたような日常を過ごしています。


Twitterを眺めていても、ニュースを見ていても、悲しい話題か政府批判の声しか聞こえてこなくて、ネガティブを産むようなことをわざわざ言いたくないのでぼんやりスマホの画面を眺める時間も増えました。

そんな中でも有難いことに、「だからこそ一緒に面白いことをやろうよ!」と引っ張ってくれる方が周りにいて、そんな素敵な方たちと何かを作ることで情熱の拠り所を見つけることができました。

でもきっと、この閉塞感の中で何をしたらいいのか/すべきなのか分からない人はたくさんいるはずで(例に漏れず僕もそうだった)、いつもは絶対に恥ずかしくてやらないんですが、会社のメンバーを対象にとあるリモート・ワークショップやりました。有難いことに社内の半数以上の方が参加してくださり、僕自身もとても学びがあったのでその内容をnoteでも共有しようと思います。


今こそ、言葉の力が求められてる気がする

今こそ、想いを140字で届ける力が求められている.001

一言で言うと、今後はもっと個人や組織のオンライン上での発信が増えるだろうから、そこで埋もれないためにも、120%で届けられる言語化力 / 発信力を身につけよう、というものです。

周囲を見ると、Youtubeを始めた人やインターネットラジオを始めた人がたくさんいます。ECやD2Cでモノを売る組織も今後増えてくるでしょう。そんな時代に「良いものを作れば売れる」なんて考えは早く捨てて、その良さをちゃんと発見してもらう”伝えきる力”こそが大事なんじゃないかと思っています。

分かりやすい例として、HOTEL SHE,でもよくお世話になっているD2CファッションブランドのLEBECCA boutiqueさん。プロダクトのデザインセンスも素晴らしいのですが、それと同じくらいブランドを象徴しているのがその商品名。「愛妻と朝のワンピース」「嫌煙家のチュールワンピース」など、名前を見るだけでどこのブランドか一瞬でわかりますし、その商品を身に纏うことでどんな体験を生みたいかまでちゃんと伝わってきます。まさに120%のメッセージ、言葉の力が凄まじいのです。

今こそ、想いを140字で届ける力が求められている.001

僕はコピーライターでもないしインフルエンサーでもないので、一方的に教えることはできないんですが、”言葉の力”の大切さだけはなんとなく感じていました。だからこそ、僕らのホテルブランドが今後も生き残り続けるために、会社のみんなで一緒に考える場を作っていこうと思ったのです。


とにかく言葉にする。そして、そこで生まれた”なんとなく良い感じ”を体系化する。

上でも書きましたが、僕はコピーライターではない(憧れてはいる)ので、正解を教えることはできません。そして「本を読むより、10トライして9失敗して1成功する方が何倍も価値がある」というそれっぽい言い訳を振りがざして、これまでロクに本も読んでこなかったので体系化された知識もありません。なので、ワークショップも必然的に超・実践型となりました。

今こそ、想いを140字で届ける力が求められている.008

まず、参加してくれたメンバーに3つのキーワードを含めた仮想ツイートを作成してもらいました。このワークショップはSlackのテレビ電話でやったのですが、作成した人から順に専用チャンネルにツイートを投稿してもらい、最後に「なんとなく良いな〜」と思ったものに各々がスタンプを押していく。そして多くスタンプが集まったものを並べて「これってなんで良いんだろう?」と話し合う、といった流れにしました。

3つのキーワードは「NETFLIX」「家族」「ホテル」。誰もが知っているくらい身近な言葉で、かつ今この時に何かを考え・感じやすいものとして選びました。以下で各キーワードにつき一つずつ、スタンプの多かったツイートをそれぞれ紹介します。


キーワード:NETFLIX

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キーワード:家族

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キーワード:ホテル

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どれもとても素敵やな〜〜〜って思ったんですが、それだけで終わらせずに体系化することが今回のゴール。少々内輪じゃないと分からない部分もあるのですが、”良さ”を醸し出しているその要因を話し合ったところ、大きく以下の3点あると結論に至りました。


1:画像や絵文字など、目を引く工夫がされている
当たり前といえば当たり前なんですけど、洪水のように流れるツイートでまず読んでもらうためには「見た目としてのキャッチーさ」はとても重要です。ちなみに、個人的にTwitterの写真は1枚か3枚で投稿すべきだとなんとなく思っています。特に4枚だと流し見で印象に残らない感じがしているので。


2:パワーワードが目に止まる
1で実際に目に止まった後も「ちゃんと読むか判断する」という時間が0.5秒くらいあると思っていて、そこで「読む」と判定される確率を上げるのが”パワーワード”なんじゃないかと思っています。上の例で言うと「ハグの文化」とか「彼女できるのまだですか?」などで、これが単語レベルで視界に入れるような工夫(行間とか)も大切だと思いました。

3:キャラやブランドに合った言葉選び / 言葉でキャラを作る
個人的にこれが一番大切だと思ったのですが、自分や組織のキャラクターを踏まえた上で言葉を選ぶことがとても重要だと感じました。例えば吉田さんはたしかにハグの文化で育ってそうだし、いつもゲストに対して優しく話しかけている池田さんだからこそ共感できるツイートです。そしてこれを繰り返すことで、ソーシャル上でもキャラクターが築き上げられ、そしてそのキャラクターにファンが生まれる。とても難しいですし時間がかかることですが、まずはしっかり自分らしさを見つめる時間も大切なんだと、ハッとさせられました。


最後に

今回は「いいことを言う、綺麗にまとめる」というより、「いいメッセージや対象物はちゃんとある。それをどう言う風に表現すればちゃんと伝わるか」に焦点を当てて考えてきました。

もちろんこれ以外にも要因は複合的にあるはずですし、そもそも正解を追い求めたり体系化すること自体がナンセンスなのかもしれません。

ですが、このnoteを読んでくださった方にほんの少しでも気づきやヒントが生まれて、この先行きの見えない無重力のような世界で、地に足がつくような感覚を少しでも持って頂ければと、切に願っております。


最後になりましたが、都市部を中心に厳しい状況がこれからも続いていくかと思います。自宅に籠っていると、自分の存在価値や何もできない歯痒さに居ても立っても居られなくなりますが、少しでも前を向いて、自分ができる限りのことを生み出し、誰かに伝えていきたいと思っています。そうすれば孤独な8畳の世界でも、なんとかやっていけるはずなので。

早く安心な世界で旅に出たり、仲間とタイ料理を食べる日が戻ってきますように。

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