[3−5]最強のぼっち王女がグイグイ来る! オレは王城追放されたのに、なんで?
第5話 いい加減はっきりしないと、そのうち後ろから刺されるぞ? アルデが運転する魔動車の助手席で、ティスリは感嘆の声を上げました。
「す、すごい……これが小麦畑なのですね……」
「ああ、ちょうど収穫前に間に合ったな」
二泊ほどキャンプした森を抜けると、別世界が広がっていました。
なだらかに波打つ大地は、地平線の彼方まで黄金色に輝いています。大地のすべてに、初夏の太陽をふんだんに浴びた小麦が実っていました。まさかこれほどまでに広大だとは想像していませんでした。