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残酷すぎる成功法則を読んで 前編

自己啓発本のなかでは珍しいくらい、膨大なエビデンスに基づいて、本当に成功するには何が大切かを教えてくれる本。10年前の君の周りにもたくさん啓発本はあったはずだが、実際に本を読んで成功した人を見たことがあるだろうか。(それは残念ながら今でもほとんどみないが。)ただ、この本はたくさんの証拠に基づいて、丁寧に成功する法則が書かれているから、実践すればきっと幸せになることができるだろう。そう、いつものことだが、読んでも実践しないと意味がない。。。

さて、実践あるのみと言ってしまえば元も子もないかもしれないが、一方で本当にその方法を信じて良いのか、妄信してしまったら変な宗教みたいになりはしないか、気になってしまうのも理解できる。若気の至りで、盲目的に恋に落ちて、うまくいかずに大きな傷を負うようなことは、できれば避けたいものだ。例えば、昨今流行りのやり抜く力(グリットと呼ばれている)が必要だという意見もあれば、見切ることも大切だということも真実の一つだと思う。じゃあ、どっちが大切なんだ、どうすればいいのか、それらを紐解いてくれる本なのだ。

まずは成功するにはエリートがいいのか、成績が良ければ幸せになれるのか。恐らく、皆何となくそれだけではいけないと思いつつも、学校になったら成績で優劣をつけられ、基本的には良い大学を目指して頑張る人がほとんどだ。確かに大学名で、特に日本の場合は就職先に有利不利が出てくる。ただ、昨今の風潮でいえば、別に就職しなくてもいきなり企業して成功するような人もいるわけで、単に成績が良ければ収入も高くなり、幸せになるかというとそうでもない。
高校を主席で卒業した人の多くは、企業に入り出世する人も多いが、その会社のシステム内にとどまることがほとんどで、実社会でナンバーワンにならないことが多いという。また、何においてもレベルが高く、花形スターのような人が、必ずしも優れたリーダーになるという訳でもない。エビデンスとして、第二次世界大戦に臨むイギリスの首相、ウィンストンチャーチルのことが挙げられている。彼はたしかに切れ者ではあったが、一方で変質的で、何をしでかすかわからない危険人物というのがもっぱらの世評だったようだ。逆に一番の候補と呼ばれていたのはチェンバレンで、全てを完璧にこなす、まさに典型的なイギリス首相と言われた人物だった。
しかし時代は第二次世界大戦(北斗の拳の世紀末の雰囲気かな)、まさにドイツはヒトラーが台頭していた時代、チェンバレンはヒトラーを『約束をしたら、それを守ると信じられる男』と評価し、その考えで凝り固まっていたようだ。他方チャーチルはイギリスを脅かす可能性があるあらゆる脅威に対して、声高に騒ぎ立てるチキン・リトルだったようだ。そう、結果としては、その姿勢がイギリスを救うことになり、チャーチルは英雄となったのだ。
ここで言えるのは、自分の欠点だとされていたことが、世界を変える可能性を秘めているということ、環境によって欠点が非常に優れた武器にもなりうるということだ。

では、普段どのようなことをすればいいのだろう。それにはまず、自分をよく知ることが大切だと説かれている。さらに自分の強みを理解し(上記の流れから言えば弱みや欠点も理解するべきだろう)、自分がチェンバレンのように王道タイプ(本ではふるいにかけられたタイプと書かれている、要は周りから選りすぐられてきたタイプということ)なのか、それとも異端的な、チャーチルのような(本にはふるいにかけられていないタイプと書かれている)タイプなのかを知ったうえで、強みを活かすことが重要だとまとめられている。

また、自分を知ったうえで、成功するには環境が大事だということを肝に銘じることだ。チャーチルは世紀末のような環境があったからこそ輝くことができたのだ。自分が輝ける能力を知り、それが行かせる環境に身を置くことが幸せになる一歩ということだ。

長くなったので、次回また続きを書こう。今日はここまで。

ではまた。


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