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【養成課程】中小企業診断士【日本生産性本部】

こんにちは。中小企業診断士のなおとです。
noteをご覧いただき、ありがとうございます。

先日投稿したnoteでは、『【中小企業診断士】私の勉強方法【一次試験】』を書きました。

私は一次試験合格後、養成課程を経て中小企業診断士の資格を取得しました。

今回は、私が通った日本生産性本部の養成課程での勉強内容の概要など経験したことを書きたいと思います。

中小企業診断士の一次試験に合格して養成課程をご検討されている皆様や、これから診断士を目指そうとしている皆様の少しでも参考になれば幸いです。


【1】中小企業診断士 養成課程とは?

まずは中小企業診断士の養成課程とは何なのか?
概要だけ軽めにご紹介です。

中小企業診断士になるには、下図のステップの何れかが必要です。

中小企業診断士になるには、一次試験合格後に
【二次試験合格→実務補習or診断実務従事】
【養成課程を修了】
のどちらかが必要です。
どちらのルートを選ぶかは自由です。

養成課程を実施している機関は、私がお世話になった日本生産性本部以外にも中小企業大学校、法政大学、マンパワー、など公的機関や大学、民間企業など養成課程実施機関として認定された機関が幾つかあります。

実施機関については、中小企業庁のサイトの【養成課程・登録養成課程実施機関一覧】をご確認ください。

それぞれの機関によって、半年間平日は日中毎日、1年間で土日と平日夜間、1年間平日は日中毎日、などスケジュールは異なります。

どの機関でも受講費用はかなりかかる事、また、平日日中も講義がある機関を選ぶ場合には仕事を休むOR調整する必要がでてくると思います。

【2】なぜ中小企業診断士 養成課程に通ったのか?

では、なぜ私は中小企業診断士 養成課程に通ったのか?ですが、理由は幾つかあります。

✅当時、半年~一年であれば時間の調整は可能だった。
✅金銭面は何とか調整可能だった。
✅診断士の資格取得後、何れは独立という選択肢も欲しかった。その為の力を身に付けたかった。とにかくガッツリ学びたかった。
✅二次試験の勉強もTACのスケジュールは必ずこなし有志の勉強会も数ヶ月は通うなど最低限の勉強はしたが、このまま二次試験→実務補習を経ても、何れは独立してしっかりとしてやっていけるか不安だった。自信がなかった。(あくまでも私の場合です。出来る人はどのような状況でも出来ると思います。)
✅そもそも二次試験に一発で確実に受かる自信を持てず、そこでズルズルと数年の時間をかけたくなかった。現場に近い場所で学びたかった。(あくまでも私の場合です。)

正直、二次試験でも養成課程でも人それぞれの状況や将来的な目的によってどちらが良いかは左右されると思います。
何が良いか悪いかは人それぞれなのでどちらを選ぶかは自分的にはどちらでも良くて、出来る人はどんな状況でも出来ると思うし、出来ない人は何をしたって出来ないと思ってます。

一番大切なのは自分でしっかりと考えて、決断して、その決断に対して後悔しないよう頑張りきることだと思っています。

「あくまでも私の場合です。」が、将来的に独立ということも選択肢として持ちたくて、二次試験の自信ないしズルズル時間をかけたくなくて、現場の近くで色々学びたくて。

で。当時、時間と金銭の都合もついたので、このタイミングでガッツリ学びたいと考えて養成課程を選びました。

結果、自分はその決断で本当に良かったと今でも思っています。

【3】なぜ日本生産性本部を選んだのか?

ということで。色々と考えた結果、養成課程に行こうと決めた後、なぜ日本生産性本部を選んだのか?

お金的にはどの機関も大差ないので、それ以外の要素で自分の希望と照らし合わせて考えました。

まずは場所。家の事もあったので都内の自宅から通えるところ。で、日本生産性本部、法政大学、マンパワーなどが対象に。

次に、【とにかくガッツリ学びたい】というところで、自分は不器用なので働きながら夜間や土日にガッツリ学ぶのは難しいと思い、マンパワーは無しに。

選択肢として残った二つ。日本生産性本部か法政大学(法政は卒業したらMBAももらえる)か?正直とても悩みました。

ここは、とにかく【現場で通用する力となるベースが欲しい】という視点で考えました。

養成課程が民間にも開放されたのが2005年。

日本生産性本部は現場のコンサルやコンサルタント養成講座など50年以上の歴史がありプロのコンサルが講師。
法政大学も講師の方はプロだが、コンサルファームとして組織に蓄積されたノウハウは日本生産性本部と比較したら劣るのでは?と考え、日本生産性本部に決めました。
(法政のMBAもらえる&成績良ければ卒業後1年間はインキュベーション施設を無料利用(が当時はあった。)もとても魅力的で最後まで悩みましたが。。。)

【4】久々のお受験・面接。体力はありますか?('Д')

ということで。日本生産性本部に行こう!と決めて、久々のお受験。日本生産性本部の養成課程は【春から開始】と【秋から開始】があります。春から開始の場合、前年10月から当年3月初旬頃まで募集していると思います。
(※但し、募集人員が埋まってしまったら募集停止するかも?なので、その点は注意が必要です。不安であれば直接問い合わせたほうが良いと思います。)

早速、募集要項にそって応募書類を作成。
✅申込書(履歴書みたいなの)
✅職務経歴書・一覧表(経験してきた業務分野・内容を記載)
✅志望動機(パワーポイントで3ページ程度書きました。)

無事に書類審査は通過、久々のお受験面接。
面接は思ったより短時間、これまでの職務経歴や応募動機を話す。わりとフランクな雰囲気。

最後に「貴方は体力はありますか?」と質問あり。

その質問は予想してなかったので一瞬、('Д')なりましたが、一次試験お休み前まで草サッカーもやっていたので

「あります!すごく下手だけど草サッカーやってました!!頑張ります!!宜しくです!!!」

と勢いで押し切って面接終了。

私がサッカー下手情報は余計だったかと若干後悔しつつ、数日後、無事に合格通知。やったー。(*´ω`)

これではれて、春から半年間、日本生産性本部の養成課程に通うことになりました。頑張るぞ!(/・ω・)/

【5】日本生産性本部 養成課程でのお勉強

ということで。4月から約半年間、日本生産性本部 養成課程でのお勉強開始。クラスメイトは約30名。銀行員の方が多め。「春開始」と「秋開始」では「春開始」のほうがクラスメイトは多いらしく、色々な人と一緒に勉強できたので私は春開始で良かったなーと思ってます。

ざっくりのカリキュラムはこちら(日本生産性本部のWebサイトへリンク)。

最初の一ヶ月は財務、経営戦略、人事管理、生産管理、マーケティングなど概要についての講義が多く、一次試験勉強の肉付け&復習といったイメージ。そこに少しコンサルスキルやコミュニケーションなどの講義あり。

特に課題など多くもなく、全然すいすいいけるなー、体力うんぬん余裕じゃん。とその頃は感じてました。

ただ、4月末頃から実在する企業の事例を用いたケーススタディーもはいり、講義中には提案資料の作成が終わらず、夜中まで教室に残って作業したりが増えてきました。で、5月から実際に現場に出向いての診断実習が始まると、そこからはやる事も増えて時間的にかなりきつかったです。

ケーススタディーは、マーケティング関連、財務関連、人事関連、など分野を絞ってのものと、企業全体の経営課題・改善策について提案など。
それぞれパワーポイントで提案資料を作成、提出しました。

「企業全体の経営課題・改善策について提案」では、企業の状況についての情報をかなりのボリュームで頂き、それをもとに財務分析・諸々の課題抽出・改善策まとめ、を各自それぞれ作成。自分は提案資料は数十ページになるケースが多かったです。

日本生産性本部から配布されたテキストの量は↓の画像です。
講義で利用した資料、ケーススタディーの提案資料、などで使った資料です。これ以外に講義で利用する本を数冊頂きました。
(診断実習関連の資料は含まず。)
なかなかのボリュームでした。

あとは診断実習。

診断実習は日本生産性本部のコンサル講師と受講生数人のチーム体制。

日曜に現地へ移動、月曜朝から現場で診断開始。お客様企業の社長さんや担当者さん達にヒヤリング、現場を見て回って、課題抽出、提案の方向性まとめ。翌週火曜にお客様へご提案。な流れでした。

診断実習の訪問前に、外部環境の調査・財務分析・モラルサーベイなどチームで手分けしておこなっていました。これらの作業は訪問前に終わらせていました。

訪問前の準備は講義後の夜がメイン。
ここに前述のケーススタディーの課題対応も並行しながら、の時もありましたので作業ボリューム・時間的にかなりハードでした。

私が訪問した診断実習先は、チェーン展開の飲食店、製造業の工場、地方の旅館、食品メーカー、食品メーカー、の5社に行きました。

診断テーマはチーム内で手分けして担当決めでしたが、私は営業・マーケティングを今後の自分の軸にしたかったので、マーケティング関連に立候補して担当していました。

とにかく自分が力を付けたかったのもあるし、そもそもお客様の会社にいって無責任な提案は絶対にしたくなかったので、とにかく時間が許す限り頑張りました。

簡易的なWebマーケティングから始めてPUSHしつつPULLでうんぬんしながらブランディング、とか、マスコットキャラを使ってブランディング&Webマーケで全国制覇をうんぬん、とか提案内容に辿り着くまでは大変でしたが、色々と考えたり、自分がそれまで見たことない世界を見れてとても勉強になり楽しかったです。

基本的に行きたい診断先は希望をだせましたが、製造業の工場だけは診断前にお客様から「IT業の経験者に自社のIT環境をみて欲しい。」と依頼があり、当時のクラスでIT業界で仕事してたのが私ともう一人のSEさんだけだったので、本部から依頼を受けてそこの工場に行きました。工場の生産過程をみて「巻紙分析」で流れをまとめて、そこに現状のIT環境を照らし合わせて、お客様のマンパワーと予算など踏まえ、優先順位をつけてIT環境の改善点をご提案できたのはとても楽しかったです。
最後の発表の時には診断先の企業さんがお世話になっている銀行さんも同席していたのですが、企業さんと銀行さんにすごく褒めて頂けて嬉しかったです。

クラスの中にはモチベーションを維持できない方も少しいたかもしれないのが正直なところですが、自分は全ての診断先で色々と経験出来たし、その当時の自分の持てる力は全て出し切れたと思い、とても楽しかったです。

ただ。診断実習の時は勿論、実習の準備とケーススタディーが重なった時もあり、その時はかなり睡眠時間を削ったので眠い。ひたすら眠い。ひたすら眠いが頑張らなくては。という日々が結構続いたので、面接時の「体力はありますか?」は、まーそれは聞くわな。と痛感しました。

そんなこんなであっという間の半年間。自分の診断士としての今後などにある一定の手応えは感じつつ、無事に卒業しました。(*´ω`)

【6】中小企業診断士の養成課程、日本生産性本部に通って良かったか?

自分は日本生産性本部の養成課程に通って本当に良かったと感じているし、日本生産性本部さんには今でも感謝しています。

良かったことを挙げだしたらきりがないですが、

✅診断実習、ケーススタディーでプロのコンサルの方の考え方とか方法論を直接聞いて学んで、色々と議論できた事。
✅診断実習で約10日間くらい、泊まり込みでガッツリ診断の実習ができた事。
✅とにかく半年間、ガッツリ勉強できた事。

このあたりは日本生産性本部で本当に良かったなーと思います。

また、これは日本生産性本部に限らずだと思いますが、自分はそれまでIT業界でネットワークやソフトウェアなどの法人向け営業をしていましたが、あまりお客様の業務内容を意識しなくても売れるものだったので、お客様の業務内容など状況を踏まえて【課題抽出→提案内容まとめ→提案】という流れを経験できたのは勉強になりました。

一次試験で網羅的に基礎を学んだうえで、実際の方法論・環境調査の際に使うコンテンツなどを学びながら診断実習やケーススタディーでフレームワークも使いつつ提案としてアウトプットできたので、自分の型のベースは出来たと感じました。

一次試験のお勉強で自分のアンテナの感度が高くなったな、と感じ、養成課程のお勉強でそのアンテナでひろったものをアウトプットできるように少しはなれたかな?と感じています。

中小企業診断士の養成課程で学んだことは、中小企業診断士としての仕事だけではなくて、事業会社での業務にも役立っていると感じています。

【7】中小企業診断士 養成課程はお勧めか否か?

養成課程がお勧めか否かは正直なところ「何とも言えない」ですね。

時間的・金銭的に都合つくなら私はお勧めだと思います。会社でお休みくれたり費用負担してくれるなら絶対にお勧めです。

あとはとにかくガッツリ学びたいって方にもお勧めかと。その場合だと日本生産性本部、中小企業大学校、法政大学とかですかね。

ただ。「何とも言えない」というのは状況は人それぞれ、休みとれなかったりとかお金のこととか色々あると思います。それぞれ自分が置かれた状況の中で後悔しない判断ができれば良いのかな?と思います。

たまに、二次試験をとおったほうが養成課程よりもうんぬん、いう人もいるらしいですが、そこは私にとっては不毛な議論ですね。養成課程と二次試験、一長一短だし、どちらも実務補習や診断実習で現場は学べるし。というか、中小企業診断士としての本番は中小企業診断士になってからどれだけやれるか?どれだけ企業様のお役に立てるか?だと思うので、二次試験でいくか?養成課程でいくか?は私にとっては正直どちらでもいいです。

それぞれが自分の状況や今後の目標を踏まえ、それぞれ最善の選択をすればいいと私は思います。

【8】まとめ

すみません。もっと簡潔に書ければと思いつつ、思い出しながら書いていたら止まらなくなり。。。

養成課程をご検討の方などに少しでも参考になれば幸いです。

まとめにならず申し訳ないですが、時間とお金が許すなら養成課程はお勧めだと思います。

私は養成課程で学んで自分の型のベースが出来たと感じていますし、少しだけ自信が持てました。

いずれにしても、皆様の状況に応じて悔いのない決断を。

それでは、駄文長文にお付き合い頂き、ありがとうございました。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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