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記事一覧
フカサワノブル#6『下の名前で僕を呼んで』
1 駐車場
隅に留められた一台の車(黒のアルファードとか)。
肩からトートバッグをかけたスーツ姿の暢、コンビニ袋を手から下げて車へと走ってくる。
運転席の扉を開く暢。
暢「あ」
暢、一度扉を閉め、ドアをノックして再度扉を開く。
暢「すいません。お待たせしました」
後部座席に座っていた高城周太(18)、つけていたアイマスクをとって。
周太「あの、しな
フカサワノブル#5『スーツと引き換えに』
1 公園
街角にある、平凡で小さな公園。
暢、新しく新調したスーツを持ってやってくる。
スマホを耳に当て、何やら通話中の様子で。
ドサっとベンチに腰掛ける暢。
暢「そうそう。仕事のためにね。…そうそう、スーツ。買うてん。前のはあかんよ。だってあれ大学入る時に買ってもらったヤツやし。年季っていうんかな? 入ってる感じやし。相当くたびれてたし。そうそう。…え、色?
フカサワノブル#4『父の願い、子の思い』
1 暢の部屋・新居(昼)
ダンボールと雑多に荷物の置かれた部屋。
部屋の真ん中で荷ほどきをする深澤茂雄(58)。
大きな家具や家電などはある程度荷ほどきが済んでいて。
宅配業者の声「これで以上ですね」
暢の声「ありがとうございます」
宅配業者の声「毎度ありがとうございました。失礼します」
暢、ダンボールを抱えて部屋へ戻ってきて。
暢「よし。あ、お父さん、ありがと
フカサワノブル#3『あんこ的人間論』
1 暢の部屋(夜)
前回と代わり映えのない一室。
暢、キッチンで洗い物をしている。
リビングテーブルでは横関大作(25)が赤福を食べている。
大作「そういう経緯で俺に赤福が回ってきた訳や」
暢「まぁね」
大作「可哀想な赤福。赤福には何の罪もないのになぁ」
暢「美味しく食べてやってください」
大作「言われなくても頂いてまーす。あ、ここで問題です」
暢「遠慮し
フカサワノブル#2『男の都合、女の事情』
1 暢の部屋(夕)
ソファに衣服が雑にかけられていたりする狭いワンルーム。
暢、大きなトランクから下着やらを取り出し畳んでいる。トラ
ンクの脇にはお土産と思わしき紙袋があって。
ソファに腰掛け、テレビゲームに夢中の柳井由貴(25)。
暢「それで立花が急に言うたんやけど」
由貴「立花って?」
暢「あぁ、えっと俺の高校の同級生で、あの。卒アル見たっけ? 百均とかで売っ
フカサワノブル#1『ソーダくん』
1 面接部屋
広く無機質な部屋。
向かい合って座っている深澤暢(25)と野口(30)。
暢、野口を見つめている。
資料に目を通しながら、チラリと暢に目をやり微笑む野口。
応えるように暢も笑顔を作って。
野口「えっと、フカザワさん」
暢「(割と食い気味に)サワです」
野口「え?」
暢「あ、フカザワじゃなくてサワ、フカサワです」
野口「フカサワさん
ダメでもともと・決定本
こんにちは。森永です。
2017年の春先にTBS連ドラ・シナリオ大賞という
シナリオコンクールに作品を投稿しました。
有難いことに最終選考入選という結果を頂くことができました。
大賞は逃してしまいましたが。
今回はその時に投稿した作品を記します。
僕が本気で脚本家の道で生きていこうと決意したお話。
拙い部分も多々ありますが、是非。
※この賞は連ドラの1話を書くという賞のため、
台本上では物語
海東翔さえいなければ・決定本
舞台、海東翔さえいなければ。改訂稿0615
舞台下手から亜木聡太郎・鵜飼晶・相良辰馬・旅田きな子・小出沢康文・善光寺吉晴。
聡太郎「偶然なんですよね、そもそもの出会いが」
一筋の光が聡太郎を照らして。
聡太郎、淡々と話し始めて。
スポーツジムでの談笑の声。
1・スポーツジム(1)
聡太郎「社宅みたいなとこに住んでたんですけど、たまたま家が隣で、たまたま幼稚園が一緒で、