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自分の疑問に疑問を持った方が良い

さてさて、相変わらずのBEV信者界隈だけれど、何と言うかもうモノの見方のキャリブレーションみたいなところからやり直さないと、多分もう生涯歪んだ視野しか持てないのではないかと思う。

これYoutubeで配信されたインターネットラジオの動画中に挟み込まれた日本自動車工業会(JAMA)作成(元データはIEAと図版に記入されている)のデータだが、ストレートな回答としては、引用した筆者にそのデータの検証を問うのは無理筋。

そんなことを言うなら@dp_twfgが引用するイギリスの人口動態の内、労働人口の比率比較はどうなのかとか、人口に移民やEU内他国民の出稼ぎなどはカウントされているのかとか、その間のGDPの比較はどうなのかとか、そもそも全数調査なのか、抜き出し調査からの予測値なのか、そのカウント方法は比較対象である日本と同じかとか疑義はキリがない。こんな問い合わせに答えろということは、疑義があるという一言で書き手の時間を永遠にもぎ取ることが可能になってしまう。だからそんなことに付き合ってはいられない。

上に挙げた疑義はあくまでも視点の指摘のみであって、そもそも@dp_twfgの論拠となるものがどこの何のデータなのか出典記載もない。おそらくは引用データとしての信用基準を考えたこともない素人相手にそこを本気で突っ込む気も回答を求める気も全くないけれど、ちゃんとしたプロの書き手は、信用に足る引用元からしかデータを引っ張らない。その代わりその先のデータの検証はしない。逆に言えばいちいち検証なんかしていたら記事を書く時間が無くなるし、そんな信用できないデータに煩わされる時間はないからだ。信用できるところが発表したデータ(かつ著作権的に引用可能な発表元)が出てくるまで探す。だから疑義があるならデータ元に聞いてくれ。真摯な疑問ならそれを手間だと思わないはずである。@dp_twfgがIEAにちゃんと問い合わせをして、結果を発表するかどうかが本人の本気度を問うことになる。それが真摯な問いなのか、マウント合戦をやりたいだけなのかを判別する答えだ。

んで、このデータはすでに述べた通り、JAMAが何度も発表して使っているデータで、どこからもクレームがついた様子も、文句がついた様子もない。むしろ大手のメディアが黙殺し続けて、報道されなかった重要なデータだと言える。実際エネルギー業界で政府の諮問機関に参加している様な人にこのデータを見せたら「JAMAはどうしてこのデータを発表しないのか」と逆に聞き返される始末で、「いやいや、何度も発表していますし、会長が会見でも使っています。それをメディアが報道しないだけで」と説明すると驚いているという具合だ。実際この@dp_twfgも今回このデータを初めて見たからこういう反応をするのだろうし、筆者から見ればそれこそがマスコミの偏向報道の証明だと言うことになる。

今回の議論の本筋は、カーボンニュートラルについて「日本出遅れ論」はおかしいだろうという話であり、人口動態がどうあれ、現実的にCO2排出量を2位の英国に対してダブルスコア以上の圧倒的成績を収めて、日本がぶっちぎりで改善していること、テスラの米国とフォルクスワーゲンのドイツという、意識高い系BEV先進国は言うことだけはご立派だが、現実問題としてCO2排出量を削減どころか大幅に増加させていることは、COPなどを介して伝えられてきた国際的イメージと真逆で恥ずべき結果だよねと言うことが提示できればそれで良い。まあそれでもどうしても人口動態が気になるのだと言い募ったとしても「人口が増えたらCO2排出量を増やしても良いという世界的コンセンサスがどこかにあるとでも言うのか。あるならそのソースを示せ」と言われて答えられるわけではないだろう。そもそも人口が増えたことが言い訳になるのなら、産業革命の時の地球人口は8億人、現在は80億人で、CO2は増えて当然ではないか。

つまるところ、筆者が主張しているのは、これまでBEVの普及台数こそが環境意識のバロメーターとされてきたことがおかしいという指摘であって、CO2排出量という基準に照らせば正反対の結果になっているという視点の提示でもある。この人が本当にフラットに考えて人口動態を持ち出すのであれば、筆者より前に、カーボンニュートラルを語るに際して、CO2排出量ではなく、BEVの普及台数を代用して論じることの異常性を指摘するべきだったはずだ。

BEV信者に顕著な傾向だが、チェリーピッキングでエビデンスに見えるデータを持ち出して、勝ち負けに持ち込もうとする。本人が内心で「なんかこのデータ納得行かないなぁ」と思うのは全くの勝手なので、そう思っていれば良い話。わざわざ世の中に見える形で公開質問すること自体、本質的にはイデオロギッシュな行動である。

指標を変えればそういう見方もあるのかと思えないこと、思わず反発反論したくなってしまうメンタル。そういう自分に対してちゃんと健康な疑問を持った方が良いと思う。筆者的には嫌になるくらい書いているが、筆者はBEVを否定することは一度も書いていない。ただBEVは万能ではなく、世界各地の、あるいは個人の事情により、明らかに不得意なケースは存在するし、である以上、その他の選択肢もあるべきだと言っているだけ。「例えばこう言うケースではBEVだと厳しいでしょう」と言う例示をいちいちBEVへの否定と取って反発するのも、対立に持ち込むのもBEV信者の仕業である。

何回目だかわからないがもう一度書いておく、自宅で充電できる環境で、計画充電を組み込んでミスを絶対にせずに経路充電できるか、自宅充電の航続距離で使える人は幸せなBEV生活が送れるから、存分に堪能して欲しい。そ言う人にとってはBEVはとてもいいものである。


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