『日本の児童遊戯』に見るベーゴマの加工(ベーゴマ考36)
1970年に発行された「日本の児童遊戯」という中田幸平氏が書いている書物がある。
この書籍は、
ベーゴマ・めんこ・ねっき等、他の文献ではなかなか触れられていない
ジャンルの遊びについてとても詳しく書かれている。
図書館で見たけど、コピーしきれない分量だったので
古本を購入した。
この本の中にベーゴマの当時の加工について書かれていた
そこで
私のコレクションから同じ加工を探し出して並べてみたい。
※ただし、加工の名称は各地域によって異なるためこの書籍に載っている加工名とする
◇タネベエ
タネベエとは、角を斜めにけずり、相手に潜り込むようにしたもののようだ
◇ロンパベエ
ロンパベエは縁を垂直に削り、攻撃に特化したもののよう
◇ピタガン
ピタガンとはコインや穴あき銭をピッタリくっつけたもの。徳島などの聞き取りでも、飴などでワッシャなどをくっつけたと言う話があった。写真はそれらしいものがなかったので、蝋でコーティングしてコインをくっつけたもの
◇シリトガ(ケントン)
凸部分を全面的に削ったもの。
全面削り
◇ローガン
蝋を垂らして、重さを増したもの
◇ギザ(クレヨン付)
ベーゴマの周りに、刻みを細かく入れたもの。持っている中では見当たらなかった
◇サクラベエ(自製)
流行した桜ベエは桜の形のデザインのため、それを花弁に応じて削る加工が生まれたが、それの強さに憧れて、通常のベーゴマをまるで桜ベエのように削って加工したものが生まれた。
◇鉛ガン
重さを増すために、鉛や真鍮などを上部に垂らして埋める加工も行われた。鉛は融点が低く、また釣りの錘など、子供に身近なものだったため
あそびの工夫に使われることも多かった。
8・イボ
この書籍における「イボ」は加工したのちに中央に穴をあけ、金属の球をいれるというものであった、しかし、その加工はかなり高度な技術を要するため、ヤスリで削って点部分を残すハリケツ加工の方が一般的に浸透していたと思われる。
◇ブルガン
底の部分を点ではなく、丸く突起部分がないように削ることで、床上でぐるぐる回るようになる。不安定でリキはないが予測不能の動きをするのでややこしい。勝手に飛び出していくことを願いたいやつだ。
以上当時の加工をここまで詳細に載せた書籍は存在しないであろう。
貝独楽から鋳物に変わったことにより
子どもたちの中で
どうやったら強くなるか
どうやったら勝てるか
個々が試行錯誤し、色々な加工が生まれて行ったに違いない
賭け事かもしれないが
勝負のためにさまざまな工夫が子どもたちに見られた
おもちゃにしてもなんにしても
子どもたちが簡単にできるようにばかり進み
工夫などの面白さも失われているのではないだろうか
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