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ごまめ・みそっかす文化

ごまめ・みそっかす文化

幼い頃、瓦屋さんのくみちゃんちの
資材置き場が地域の遊び場だった。
弟の私は
なんとかにいちゃん達と遊びたい。
いつも缶けりについていった。
けど、走るのも遅くて、不器用な私は、
参加させてもにいちゃん達は面白くなかったんだろう。いつも鬼になって「やるぞー!」と元気いっぱい他の子を探す私をよそに、兄貴達は私を置いて家に帰りよる。


数時間後、私は誰もいないことに気づき
泣きながら家にかえるのだ。

…だんだん兄貴に腹立ってきた!

そして関西にでてきて
当時の彼女(いまのかみさん)から
素敵な言葉を聞く
「ごまめ」だ
ごまめとはお正月の小魚のことではない。
関西弁で力がない、やくにたたない(半人前)のことで
遊びの通常ルールから除外される扱いの子だ
関東における「みそっかす」にあたる。

学年や技術習得の違いによって
遊びの中に差がうまれる
けれども
当時の子どもたちは
責務として「弟」「妹」の世話を役割として任じられていたため、同じ遊びをする上で、特別枠を設けることによって、
遊びにおいて下の子が参加できる
その子だけの特別ルールを工夫をする。

当人としては
物心つく前までは、
一緒にいれてくれて嬉しくもあり、
ごまめとして参加する中で
正式なルールを学んでだんだんと対等になり
ごまめ卒業とあいなる。
〇〇ちゃんはちっちゃいからどっかいけではなく
ごまめだろうが何だろうが
同じフィールドで過ごすことが大切なのだ
伝承遊びは
つたえると言う意味を持つ
これは
言葉だけで伝えるのではなく
ごまめ・みそっかす文化により
背中を見せて伝えることも重要な視点である

先日、大阪バイゴマくらぶの
高橋さんより
前々からお聞きしたかった、
ベーゴマの先入れ、後入れの話を聞いた。
ベーゴマは関東はチッチノチ
関西はせーの!で
基本同時に投げ入れ弾き飛ばすのだが、
資料には先に入っているベーゴマを飛ばす技が出てくるのだ。
「先に入れる」という行為がそもそも不利になるので、その先入、後入の遊び方がいまいちわかっていなかった。

先に入れているものを飛ばす方法はいくつかある
・ガッチャ(上からベーゴマに直接当ててとばす)
・ひもけし(ひもでひっかけて、引き出す)
・つっけん(ビリヤードのように押し出す)
ほかにも、ひっちゃきと呼ばれるものもあったようだ。

高橋さんは
品川の大井町の生まれ
地域によってみんなルールが違うが

ベーゴマにおいて
みそっこ(みそっかす)みたいな
年少の自分より技量が低い子と対等に勝負するために「先入れ」があったとの話をきけた

つまり、

■おまえ、まだへたっぴだから後から入れていいよといって自分は先に入れることで対等に勝負する

■先にいれな
おれは後からガッチャやるから、成功したら俺の勝ち(お前のもらう)
失敗したらお前の勝ちな(俺のやる)

つまり、難しい技をするから
失敗したら負けというリスクを負うことで対等な勝負を行うというのだ。

小さな幼い子達と一緒に遊ぶ
見て覚えるにはそこに参加していないといけない
誰かに伝えるということは
子どもたちにとって
1番の学びだ
自分でルールを確認して
守り履行しないと
他の子には伝えることができない

また、小さい子だから手を抜くのではなく
レベルを遊びの内容の中で調整して対等に勝負するってのは心地よい

ちょうど将棋するときに
飛車角を落として対戦する感じに似る
もちろん、その勝負は真剣勝負。
飛車角落ちであろうが
負けは負け

今日、帰りに一年生とベーゴマ勝負したら
負けたw
「まいりました。練習しときます」
って言うたら、
ちゃんと練習しいや!っていうてかえってった。
廊下走って子どもに注意されたら
言い訳せずに大人もあやまらなあかん
負けて言い訳する大人にはなりたくない。
じぶんの下手さも認めますw

#ごまめ
#みそっかす
#伝承遊び
#ベーゴマ

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