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ベーゴマ考17『両さんのサンガンベー』

聖地と言われる場所があるように
ベーゴマの聖地は言わずと知れた川口であろう。
西の聖地は今は無き大阪大正の「火の来間」だった訳だが、
独楽とベーゴマに関しては西の聖地と言われるようになりたい。
 
今日はバイブルの話
私の生まれ育った富山は
ベーゴマ文化も、独楽文化も無い。
そもそも、
何かを店で買って遊ぶという文化もない。
川で間引きされ大きくなった鯉つかまえたり
空き缶のなかのドンコつかまえたり
蛇を振り回したり、
枝持ってどうやったら勝ちが決まるか分からんチャンバラごっこしてた。
雪が降ればひたすらカマクラほってた。
もしくは、誰も踏んでいないルートで田んぼの中に足跡つけて帰ってきて、振り返り自分の足跡しか無いことになんとも言えぬ満足感に浸るのだ。

そんな私にとって
大学時代にであった
ベーゴマは
「こち亀のやつ」
である

ベーゴマが出てくるこち亀

こち亀(こちら葛飾区亀有公園前派出所)には
主人公の両さんの思い出やエピソードに
ベーゴマやメンコがでてくる。

中でも94巻の「ベーゴマ名人両津」の巻
では、
女巻きの巻き方から、日三鋳造そしてなぎらさんまででてくる。

そんなエピソードにしばしば
サンガンべー(王様サイズ)のものを
通常サイズまで削り出し、
肉厚なため最強を誇るベーゴマ
が出てくる

そして、先日の葛飾コレクションの中にも
まさしく、サンガンを削り出したものがある

第57巻「浅草物語」

これは、中王サイズのペレスを赤中と同サイズまで削り出しているものだ。
(左は通常のサンガンサイズ)
昔は駄菓子屋のベーゴマのよこに
鉄ヤスリもうっていたとの証言があるが
サンガンをここまでけずった昔の子どもたちの逞しさがみえる。

「やった!賢坊の勝ち!」
「見て!!両ちゃん、勝ちとったベーゴマがこんなにふえたよ」
「賢坊のは大型をペチャにした特製ベーゴマだ、おまけに左ききだから、ぜったいに負けないよ!」

偶然にも寄贈していただいたAさんは葛飾区
この削りだされたサンガンをみていると
実際の両さんと賢坊の会話が聞こえる気がするのだ。

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