アフターセブン放浪記 第6回「海が見える降りられない駅」

私はいわゆる「乗り鉄」として全国各地の路線を回り、様々な駅を訪れてきましたが
その中でも特に好きな路線が関東近郊にあります。

それがこの「鶴見線」です。
神奈川県の鶴見駅から走っているこの路線は、主にこの鶴見地区の工場勤務者を輸送する路線であるため
関東近郊に住んでいるという方であっても一度も乗ったことがない方は多いかと思われます。
今回はこの鶴見線の『降りられない駅』に訪れてみました。

鶴見駅から約15分で到着する『海芝浦駅』です。
この駅は東芝エネルギーシステムの京浜事業所と直結している駅で、改札と工場入口が直通しており、会社の関係者でない限りは下車することができません。
(駅の出口側や工場側は撮影禁止となっています)

駅の目の前…というよりは駅が海のすぐ真横に立っているため、電車から降りるとすぐ目の前は海が広がっています。

ではこの駅は折り返すことしかできないのか…
というとそういうわけではなく、駅に隣接するこちらの「海芝公園」に入ることができます。

公園からは東京湾を一望することが可能で、
さらに正面には鶴見つばさ橋、それに右側には大黒ふ頭と横浜ベイブリッジを眺めることができます。

圧巻の工場夜景…というほどではないですが、普段は意外と見る機会がない東京湾の夜景を独り占めすることができます。
この駅は特殊な事情がある駅であることから、近年は鉄道マニアだけでなく家族連れやカップルにも知名度が高くなっており、
休日の昼間には美しい海を眺めに来る人が多いそうです。

しかし今回訪れたのは木曜日の夜20時前ということもあり、乗ってきた電車も私以外はすべて工場関係者の方しかいませんでした。
またこの日は風がとても強い日で、いくら爽やかな海風と言っても
それが顔面オールバックになるくらいに吹き付けられると心が終わっていきます。

海に行くことはいいリフレッシュになるとは思うのですが、当日の天気に左右されてしまうのが難点です。
特に泳いだり水遊びをするとなると気温も含めていかんせん運が絡むので、海は景色を眺めて楽しむというのが一番いいと思います。

残念ながら今回は強風の日だったので、足早に折り返しの列車に乗って退散することにしました。
鶴見線はかなりマニアックな路線であり、他にも色々と面白そうな駅があるのでいつか別記事で乗りつぶしてみたいな、とも考えています。

ほかにも川崎や鶴見の東京湾方面にはけっこうマニアックなスポットが多いんですよね。
いつか紹介できたらいいなと思います。

ちなみに、海芝浦駅から外に出られないというのははっきりと鶴見駅に書いてあります。
コーラの自動販売機とお手洗いくらいは設置されていますが、本当にそれしかないうえに本数もやや少ないので訪れる際は予定をしっかり見た方がいいです。


鶴見線はマニア向けな渋い路線ではありながら、東京駅からもかなり近いのでぜひ皆さんも機会があったら一度は乗ってみることをお勧めします。

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