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人が勝手に集まるシェアハウスのつくり方|信州まつもとうらまち シェアハウスうら町base#06

シェアハウス。
なんだか楽しそうで、毎日パーティーみたいなことしてるの?って

実際そんなことはないけれど、ぼくの住むうら町baseはInstagramを見る限りは人がよくいる。
なんでそんなにも人がくるのか?集まるのか?ちょっとその辺も探りを入れつつ、ぼくがどんなことをしてこの家に人を呼び続けているのかってところも俯瞰してみてみたいと思う。

https://www.instagram.com/uramachi_base/ 
↑うら町baseのInstagramページ

Instagramを見てる限りは随分とおもしろそうな家であって、よく人がいるイメージ


2023年4月、片付けが始まる
まずは掃除と片付けと片付けと片付けと掃除。
いくら片付けても物は減らなくて、いくら掃除しても綺麗にならなくて
一人でやってもどうにもならないし、つまらない。それなら人に手伝ってもらおうって。
知り合いの大学生に声をかけてまずは人の集まるリビング、日常で使うキッチン、そして住人が住む各部屋をどんどん何度も時間をかけて掃除した。
その度人を集めてご飯会も何度もやってきて、数えてみたらうら町baseに訪れた人の数は70人をゆうに超えていて今もなおそれが更新され続けている。

こうなったらいいなとは想像したけれどこうなるとは思いもしなかった、というのが正直な感想

こんな数字もこんな知名度も何一つ想像しなかった物だけど、ぼくの住む家はこうやって関係人口を拡大させているみたいでとにかく人が溢れかえって、うちのことを知ってくれる人は増えていってる印象だ。

ところでだけど、うら町baseって一体何?

ほんと今更すぎるけど「うら町base」って一体なんなのか?ってところ。
シェアハウスなのはわかったけどなぜ人がこんなにもくるのか?

2023年の4月から空き家を活用した事業として実はこの地域の方との協力のもと「うら町base」は出来上がっている。

元々10年ほど空き家だったこの家は今も大家さんの持ち物であって、使い道に困っていたそう。
たまにくる演劇の役者たちの滞在拠点になってはいたけど、ものに溢れてとても何かに使える状況でもなかった。
おまけに「裏町」という町は昭和のころには夜の街として栄え、人と肩がぶつかるほど、って言われても今の夜は店は閉まり看板は置き去り、明かりの灯る看板は数軒のみでとてもじゃないけど町を再建するのは難しい。
大家さんはどうにかまちが活気付いてほしいと願いながらもコロナもあってかうまくいかないと、悩んでいました。

そんな中、大家さんとぼく自身が繋がって結託してまずは家を片付けてみる。
飲食店ができればそれなりに人が訪れる町にはなるものの、それは一時的な何かであって裏町の活性に繋がるのかはわからなかった。
だったら人の滞在時間の多くなる居場所を作ってみようと、町に必要なのは店よりも誰かの住む家だというぼくの持論によりシェアハウスとして動かしてみる試みがはじまった。

初期の片付けから手伝ってくれている学生や大人たちは今でも遊びきたり、ご飯を食べにきたり、関わってくれているのはありがたいこと。

外で肉焼くよ!っていえば20人近くに人が真夏の空の下に集まるし、秋刀魚焼くよ!っていえば16人もの人が押し寄せて、鍋でも肉でも秋刀魚でも、いつだってどんな時だって、人まみれ!な生活を送れているんだからこれがぼくの中の一つの幸せなことなんだと思ってる。

夏の流しそうめん

管理人としてのぼくがやっていること

さて、管理と運営を任せれてはいるものの、いったい何が必要で何をすれば人が来るのかなんてわからないまま始まったこの家のことも、管理人として住んでいるぼくが何かをすることで変わって行くことになったことがたくさんある。

例えばこの家に来る理由って人それぞれで、今ではなんか楽しそうなところだからって言われるけど前はまだよくわからない場所だったと思うし、今も少しよくわからないんだろう。

けれどそのちょっとした気になるなぁ、行きたいかもしれない、というものを行きたいに引っ張り上げるのが「言い訳」って仕組みで、ぼくはこの家にいろんな言い訳を仕掛け続けている。

美味しいご飯が食べれるから、人と交流できるから、なんか面白いことに巻き込まれそうだから、って思ってもきっとめんどくさいことなのにこの家に関わってくれている。

そして8月からは住人が住み始めて、住人の入居管理や生活環境の改善に管理人としてやっているだけで、とはいえぼくも住んでる身なのでどちらかというと自分で住んで気持ち悪いものは改善していくというものだ

あとは勝手に作ったSNSを運営したり、カメラマンという職業を最大限に活用してそこにあげる写真はぼくがいつも本気で撮っている。
そうやってSNSの中には独特な世界観が生まれて、誰かの心を刺激して、なんだここは、って印象付けていく。

そんな印象がついた後にはもう後戻りなんてできないんだと思う。
だってその中には変な大人がたくさんいて、その変な大人に会いたいっていう学生がいて、本当に美味しいご飯が本当に腹一杯食べれて、刺激的な毎日を送る住人がいるんだから。
そんな外から見たらキラキラしてるような世界も中に入っちゃえばそれは日常で、面白いことをしたいって思うあなたが起こした面白いことなんだろう


人は、面白い[場所]と[人]に集まる

結局のところこれが人を集めるいちばんの方法で、だからぼくは誰よりも面白い大人じゃないといけないってわかってるんだけどね、日々仕事に追われながらもシェアハウスで一緒に暮らす人や関わる人がぼくのことを勝手に面白いっていうんだからそれでいいんだろうって。

いつの間にかこの家の活動を始めてから8ヶ月の月日が経った。
その間に訪れた人の数はおよそ80人

初めは何かのきっかけからこの家に関わりを持った人同士がいつの間に街で会うようになったり、一緒に出かけたり、飲みに行ったり、カフェでお茶をしたりとうら町baseが起点となって関わりを持ち始めたのに、気づいたらうら町baseを仲介しなくても人と人が勝手に友達が増え続けているこの現象自体がもう面白くて、他の家にはない特徴とも言える。

それぞれがおそれぞれのいいところを探し出して、仲良くなって、信頼して
そうやって緩くつながるコミュニティが居心地がいいから。

もしかしたら自分ひとりじゃ気付けないこともシェアハウスには気づくきっかけが日常の中にいくつも潜んでいる。
 
カエルが鳴いたり虫が鳴いたり雪が舞ったり桜が咲いたり
 
季節が変わっていく時間さえもぼくたちは共有して、生活をしていく

そうやって一人一人が「うら町base」の中に潜む小さな幸せを見つけ出しては、誰かに自慢して、この家に関わるすべてのひとがこの家の広告塔であって全員が客寄せパンダなんだ。


誰かが住む家になってだれかが訪れる家になって
お好み焼きをジュージュー焼いて小さなコミュニティが出来上がって「今夜は涼しいね、」なんて缶ビール片手に夏の庭に足を放り投げながら、だれかがそんなこと言うんです
 
こんな風にいつも起こる毎日の出来事を誰かとシェアする暮らし
 
そこはだれかの暮らしと拠点が共存する寂れた夜の町の一角にある普通の家
暮らしも仕事も楽しい事もそれぞれが共創し合う社会
 
住まなくてもいい選択肢「行きつけの家」見つけたい人募集中

誰もが持つ行きつけのカフェや行きつけの居酒屋、行きつけのバー、そんな"行きつけ"の中に家という選択肢を入れてみる。
気の知れた仲間に会える家、面白い人に会える家、美味しいごはんをみんなで食べれる家

 

住人募集のお知らせ!

今年の4月から人が住み続けたり関わり続けたりしては、とにかくなんかやる時は"人まみれ!"なうら町base

こんなに人がいるように見えても実は部屋数はそんなになくて満室で4名というとても小規模なシェアハウスとしてやっております。
その中の一部屋だけ大部屋があってそこの改修工事と住人が退去することとなったので新たに僕らと一緒に暮らしてくれる住人の募集を開始します!

美味しいご飯に使わせていただきます