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はじめての脾臓摘出術@Khon Kaen

It’s just splenectomy for most of the surgeons.
But for me, it’s memorial surgery!!

文字だけ見れば、
なんら感情の揺らぎを与えないかもしれない。
簡単な手術をやった、だからどうした、
と感じるかもしれない。
しかし私にとってはメモリアルな手術でした。

指導医はJent先生。
つい3ヶ月前に外科専門医を取得し、
直後の3か月間の外傷チーム・ローテーターです。
そのローテーションの最後の週に、
彼の症例であったのに、譲ってくれました。
これは言うのも恥ずかしいですが、
彼と過ごした3か月で
培った信頼関係があったから、
チャンスを与えてくれたと言っても
過言ではありません。

手術だぞと電話が鳴り、
病院に向かうタクシーの中、
手術のイメージを膨らませます。
手術前に「なぜ手術にしたと思う?」と質問され、
彼と考えを一致させました。
そして手術が始まり開腹後、
「You, come here.」
術者の立ち位置に来いと。

コンケンに来てから何度も見た手術です。
「俺ならこうする。」と考えながら見た
後期研修医の手術もありました。
頭の中では、イメトレの中では、
何度も脾臓を切除しています。
コンケンに来てから、自分で手術する機会は
ほぼまだない状況でした。
またこの研修が始まるまで、
約半年間メスも持っていませんでした。
しかし不思議と緊張はありませんでした。
そして自分で言うのは気恥ずかしいですが、
日本にいる時よりスムーズに、
上手に手術ができたと思います。

外傷の世界では脾臓摘出は「1歩目」です。
しかし見える世界が少しずつ
変わってきていることを実感できた、
そんな価値ある「1歩目」でした。

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