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【魚食レポ】フルーツ養殖魚を頂いたので食べてみました。

この魚食内容は、魚食系ラジオ「JUNKFISH!」と連動してます。
相方かにへーの魚食レポは以下の配信からお聞きくださいませ~


高知大の深田先生(@FNinKochi)から、フルーツ養殖魚を頂きました。

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飼育期間に柚子を与えたブリ・カンパチ・マダイ達。
セミドレスに処理して頂き、しっかり冷やしこみ頂いており、産地からの経過時間が短い、鮮度の良い状態のフルーツ魚を食べられるという貴重な体験をさせて頂きました。

このnoteを書いたのは、こちらのツイートを見て、記録を残さねば!と思ったためです。
あなたはフルーツ魚に何を求めますか?

※何年かSNS上で緩いやりとりをさせてもらっており、配信しているラジオにもご出演頂いた等の関係性があってのことですので、頼めば手に入る!というわけではないのでご注意ください。※


■フルーツ魚とは?

wikipedia先生(フルーツ魚) を引用すると、以下の概要。

養殖魚の臭みを消すために、餌にかんきつ類などの果物生成物を混ぜて育てた食用魚のこと。高知大学が開発し2007年に販売された鹿児島県の“柚子鰤王”(ゆずぶりおう)が火付け役。開発は、魚肉の変色(褐色化)を抑える技術が転じたもので、魚嫌いな人が指摘する魚臭さ(生臭さ)を抑えるだけではなく、果物などの香りがする魚も開発されている。魚種にブリ、カンパチ、ヒラメ、マハタ、鮎などがあり、果物にはミカン、ユズ、スダチ、カボス、レモンなどがある。

体重の1%以上の柚子果皮を与えると、褐変防止や、香りが残る効果があるようです。(詳しくは深田先生の論文を読んでみてくださいね。)


食べた記録と感想

期間:2022/1/22(土)~29(土)
保管方法:当日三枚おろしにしたのち、日ごとにクッキングペーパー(魚にも使えるいいやつ)を交換して冷蔵庫にてステンレス製のバットに入れて保管。

■マダイ

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■カンパチ

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■ブリ

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■調理記録(1~7日目)
1日目:刺身、炙り、しゃぶしゃぶで頂きました。
柚子の香りがする・・・!特にカンパチで感じる。
ちなみに妻曰く「意識しないとわからないかなぁ」。なるほど・・・。
写真にはありませんが、比較のため購入した、柑橘を添加していると謳っている養殖もの(スーパー店頭でサクで販売されていたもの)と食べ比べると、明確に頂戴した真鯛は香っている。対照品は香っていない。
優劣を決めるものではないのですが、香りに関しては違いが明確でした。

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2日目:刺身、潮汁、カマ焼き、炊き込みご飯、韓国風煮魚
・湯引きして煮込んでおいたアラ汁が最高にうまい。カンパチとブリとタイのアラ汁なんてそもそもめちゃくちゃ贅沢だな・・・
・あら汁に塩を入れる前の出汁汁に醤油と酒をぶっこみ、炊き込みご飯に。
身を入れ過ぎたおかげで7日目にはブリが足りなくなったが、死ぬほどうまい炊き込みご飯に。しかし揮発したのか、香りはない。
・先生とのやり取りで、唐辛子との相性がよさそうという話が合ったので、適当な野菜とコチュジャン、トウガラシなどと韓国風の煮魚にしました。
めちゃくちゃうまいんだが風味は飛んでしまった(涙)
・軽く塩を振って水抜きをしてからグリルで焼いたカマ。
皮目、脂付近に香りがよく乗るらしいと聞いていた通り、めちゃくちゃ香る。口に入れるとすごい香る
もちろん付け合わせたすだちは一切使いませんでした。俺、なんで付け合わせたんだろう。

そもそも食べ過ぎている・・・

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3日目:仕事でバタついてしまい、手抜き気味のチャーシュー風(と言っても醤油と酒と味醂で味を乗せるくらい)に。
色は少しメト化が進んでいた。残っていた韓国風煮魚と共にラーメンに。
すげーうまい。口に入れるとまだ柑橘の味がする。すごい・・・

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8日目:ラストDAY。バタバタしてしまいペーパーだけ変えつつ保管していた。
・カンパチはさすがに血合いが変色していたので焼きに。
(友人かにへーは変色が少なかったようだ。調理後の僕の扱いが悪かったかもしれない。。)
少し匂いは変わってきたが、いやな臭みではない。表面をトリミングをして焼きものに。なんとまだ柚子の香りが残っている・・・!これは衝撃的。
・タイは皮も引いていたので、色も特に変わらず。
こちらは香りが気持ち弱まっていた。

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所感

・フルーツ魚はめちゃくちゃうまい。メト化を防ぐ意味合いと、風味を添加する強みを十分に感じられた。
・量販店で手に入る柑橘を餌に混ぜているとうたっている養殖物と比べると、香りは明確に強い。添加の仕方が、乾燥粉末orペーストかというのでかなり差がありそうだ。あと添加量も。
・一方、食べ慣れていない家族には違いがわかりづらかったらしい。消費者の感度によってそもそもわかりにくいのかもしれない。
・カンパチ>ブリ>タイの順に香りを感じ、カンパチは最終日も強く感じる。
・通常は水揚げ→〆or活→産地市場→輸送→消費市場→加工等→店頭販売・・・(すごく雑だけど)というフローをたどると考えると、今回の(おそらく)締めた翌日に家に到着した今回食べたものは、鮮度感といいかなり贅沢な状態で喫食をしている。
冷やしこみも十分して頂いていたため、香りの観点では揮発も少ないかもしれない。

所感②

深田先生も仰っているように、どのような目的で、どのように飼料を与えるか?という点が課題と思いました。
例えば、
研究は褐変防止のために機能性を付けようとしている。
営業はまずブランディングしたいので、地域特産品を形はどうあれ添加したい(これはこれであり)。
販売は味で差別化してほしいので、とにかく食べた時に違いが分かるようにしてほしい。とか。
みたいなすれ違いがあると、もったいないことが起きるんだろうなぁ。

関係者で「どう売るか」の連携ができると、今回のすげーうまいフルーツ魚をどうやって食べてもらうか?商品として価値を高められるか?利益のできる産業にできるか?どの消費者が、どうなって買いたいと思うのか?それはどれくらいいるのか?みたいな。
リサーチするとどういうウォンツがあるんだろう、と興味がわきました。

いやー貴重な体験でした。感謝です。
私も魚食を担うはしくれとして、精進せねば。
改めて、深田先生ありがとうございました!!!

なおたこ

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