現実科学ラボレクチャーシリーズ第一回
現実科学ラボのレクチャーシリーズの第一回を行いました。
レクチャーシリーズは、「現実とはなにか」をテーマに各界有識者のみなさんの意見を伺って議論する場所を目指しています。
初回のゲストは稲見昌彦東京大学教授にお願いしました。光学迷彩を作った研究者として、そして現在は自在化技術研究で世界をリードする研究者として知られています。(研究室はこちら)
稲見さんとは、アカデミックな場所よりも、肉肉学会で会ってお肉の話をすることのほうが多く、まとまって研究のことについて話をするのは実は初めてかもしれません。
今回第一回目のゲストをお願いしたときに、「私に頼むということは、本気で殺しにかかってくれっていう意味ですよね」と言われ、一瞬頼むんじゃなかったって背筋が凍る思いをしました。
というわけで、僕としては殺されないようにしないと2回目以降が無くなっちゃうと戦々恐々としていたのですが、稲見さんも同じ思いだったらしく、和やかにお話できました。
まず稲見さんからは、「現実とはなにか」というテーマは大変難しいというコメントをもらいました。
その難しい課題に稲見さんは全く新しいプレゼン資料を作ってくれました。教授クラスのヒトがプレゼンする時、全く新しい資料を作るっていうことは殆どありません。通常は過去の資料をつなぎ合わせて時間に合わせて内容を調整して作ります。そういう意味で、過去の流用では「現実とは何か」を議論出来ないという判断で、企画として成功?稲見さんをしても難しいと言われるのであれば課題設定として成功なので、僕としてはその言質をとれただけでまず満足。
内容は、綱引き体験マシンで現実を操作しても分からないっていう話から始まって、自信をもって使っていたCyberneticsという用語が実はKyberneticsが正しいのではという話から、原典にあたったつもりでもなんか違うってのに気がついてショックだったと。そんな感じで現実の不確かさを自身の経験を通じて、周辺から絡め取る感じで進みました。
問いに対する見える形の答えは後半になってうっすらと現れ始め、「痛み」が現実を構成しているのではないかという話にハッとしました。デジハリの授業で、「逃げられないものが現実」という意見が出たことと繋がります。逃げられない現実から無理やり逃げると時計じかけのオレンジになるわけですから至言。
僕としては途中からどこに着地するのか分からなくなり、正直後に続くディスカッションをどうしようかと途方に呉れた結果、最後がお肉というオチ。お肉!どこかで来るとは思ってたけど、一体これをどうすれば良いんだという感じでプレゼン終了。
その後のディスカッションでは、僕がプレゼン資料の多様性と情報量を処理しきれずうまく進行できませんでした。参加いただいたみなさんには本当に申し訳ない。どこかでリベンジしたいと思います。
一つだけ打ち返せたのが、僕が白い空間で目が覚めると自分がどこにいるか分からなくなるという感覚の話。僕は熱海と神宮前と千駄ヶ谷の三箇所で寝泊まりしてる時期があって、そのとき目が覚めるとどの場所も真っ白な部屋だったので、自分がどこにいるか分からなくなるという経験。
それって多分アイソレーションタンクとか、水口さんの共感マシンと似ている浮遊感で、同じような体験が視覚だけで作れるんじゃないかっていう話をしたら、内装が似ているチェーンのホテルでも出来ますねって簡単に打ち返された。確かにそうかも。やってみたい。
最後に「稲見さんにとって現実ってなんですか?」と伺ったところ、しばらく考えて「自己じゃないでしょうか」という答え。
終了後に稲見さんと話したところ、刀で切りつけるつもりだったんだけど、結果的にショットガンで撃っちゃいましたしたと言われて、それじゃしょうがないなと納得しました。こっちは刀で近距離からの散弾打ち返せるわけないです。五右衛門だって無理。今度は防弾チョッキ準備します。
初回から完全に負けてしまった気がしますが、気を取り直して次回はGOROmanさんをゲストに迎えて、7/27に行います。申込みはこちらから。奮ってご参加ください。
また、現実とは何かについての皆さんの考えを「#現実とは」でツイートしてください。いろんな意見が集まると、きっと面白いと思います。
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