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1年前、私は父親になりました

2021年6月17日。
私は父親になりました。

この話はSNS等で話すのは初めてのことだと思います。なので、この記事でこのことを知る人も多いかもしれません。

出産を隠していたわけではありません。
では、なぜ今まで子どもが生まれたことを公に話さなかったのか、このあたりから話したいと思います。
以下、身勝手な言葉も続きます。ご了承ください。

私たち夫婦は中々子どもに恵まれず、数年前から不妊治療を続けてきました。まだ保険適用外でしたので100万円とかでは効かない金額と、これは私よりも妻が特に大変だったと思いますけど何度も病院に通い、時には深夜に病院に行くこともありました(生理のタイミングなどで通院する日と時間が数日前に決まるため)。先が見えない不安と、時間やお金が削られていく日々に、どんどん心が擦り減っていきました。

そんな中、友人や知人のSNSでの出産報告に私は“勝手に”傷ついていました。SNSでの出産報告を非難しているわけではありません。それだけ私の心が擦り減っていて、親しい人の「おめでたい出来事」を一緒に喜べなくなっている自分に、また自己嫌悪していました。あくまで勝手に傷ついていたので、これは私の身勝手な感情です。

何年も様々な不妊治療を行ったのち、ようやく私たちは子どもを授かりました。でも喜びの報告はできませんでした。もしかしたら、私のように誰にも何も言わないまま、今も不妊治療を続けていて、心が擦り減っている知人がいるかもしれないと思ってしまったのです。

また、私たちは過去に2回の流産を経験していて、とても悲しい思いをしたので、安定期に入ったとしても今回も本当に無事に生まれるまでは何が起こるか分からないと思いました。

なので、夫婦で話し合って、広く報告することは辞めました。今までは直接お会いした方にだけお話させていただきました。

ただ、さすがに1年が経ちまして、何も言わないわけにはいかない場面が増えていきました。
そこで我が子が1歳になったタイミングで、一度報告という形で公表させていただけたら、と思いました。それがこの記事になります。

今後も、我が子のことはSNSではあまり書かないと思います。これは我々夫婦の勝手なポリシーです。
私たちは毎日子育ての難しさや楽しさを感じています。どんどん成長していく我が子に喜びを感じています。何か育児について相談事があったらSNSの投稿ではなくて、子育ての先輩方である皆様に直接教えを乞うこともあるかもしれません。そんなことがあった場合は、宜しければ、是非お聞きくださればありがたいです。

私たちがそうであったように、不妊治療をしていることを中々周りに言えなくて今も密かに悩んだり不安に思っている人もいるかもしれません。
また、きっと私が知らないだけで「実は私も言ってなかっただけで不妊治療でようやく授かったんだよ」という知人も多いのかもしれません。

おこがましい話ですけど、私がこのことを公表することで、少しでも誰かの心に寄り添うことができたら幸いです。それぞれ、治療の内容も、状況も違いますから、私が全てを理解できるとは思っていません(ちなみに我々の場合、男性不妊でした)。

SNSなどでも目にする「不妊治療を続けてきて、子どもを授かり無事に出産したという報告」は、治療中の私たち夫婦を何度も勇気づけてくれました。もし、私のこの報告も誰かの勇気になったのなら幸いです。

今後とも、家族共々、宜しくお願いいたします。ありがとうございます。
卑屈な文章が続きまして大変失礼いたしました。上手く書けない気持ちが多々ありまして、気分を害された方がおりましたら、誠に申し訳ございません。

最後に、誕生日おめでとう息子。生まれてきてくれてありがとう。

2022年6月17日
渡邉 直太


※追記

きっと世の中には不妊治療をも諦めなければならなかった方もおられるかと思います。それは私の想像以上の様々な感情が襲って来ているのだろうと勝手ながら考え、私には本当の意味で理解しきれない複雑な気持ちなのだと思いましたので記事内ではあえて触れませんでした。こちらの記事は私の主観的な出来事と、私が理解することができるであろう感情についてのみ触れておりますが、「もしかしたらもっとつらい決断」をされた方が世の中にはたくさんいるということを無視しているわけではありません。無視しているわけではありませんが、結果的に我が子に会うことが叶った私が想像だけで簡単に書けるような感情でもないと考えております。うまく説明できていないかもしれませんが申し訳ありません。こちらの記事の内容によって誰かを不快な気持ちにしてしまうのはこの記事の意図ではなく、私にとって不本意でございます。

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