ChatGPT翻訳術 を読んで②:書いてあること試してみた
前回の続きで、ChatGPT翻訳術を読みながらメモしたあれこれになります。
流暢性って色々あるな
書籍をはじめに、Can とCouldの使い分けの例があったように、流暢性と言うと確からしさをどこまで細かく表すものなのかと思っていたら、ここでさらに色々と新たな視点が出てきました。
目的や媒体の細かな指定は次の第3章で取り扱うらしいので置いといて、
語用論的意味 →初めて聞く言葉です…
情報構造 →英文法で倒置は習った覚えがあるけれども他にも何かあるんだろうか…
詩的効果(韻を踏む)→意味はわかるけれども、これが本当にできたらすごいな
と思いつつ読みました。
1)語用論的意味。
そもそも、語用論的意味って何!? という状態の私は、早速ChatGPTに質問。
<プロンプト>
語用論的意味 を解説してください。
語用論(ごようろん、Pragmatics)は、言語の使用に関する学問分野であり、言葉がどのように意味を持ち、どのようにコミュニケーションの中で機能するかを研究します。以下の点に焦点を当てています:
文脈の役割: 語用論は、文脈が言語の意味と解釈にどのように影響を与えるかを考察します。言葉は、その使用される状況や話者の意図によって異なる意味を持つことがあります。
話者の意図: 語用論は話者の意図を考慮し、言語がどのようにして意図を伝達するのかを研究します。話者の意図は言葉の選択や文法構造に影響を与えます。
暗黙の意味と推論: 語用論は、言葉が明示的に言われていないが、聞き手が理解することが期待される意味や推論を考察します。例えば、暗黙の前提や暗示に関する研究があります。
コミュニケーションの規則と会話の原則: 語用論は、効果的なコミュニケーションを促進する規則や会話の原則を研究します。例えば、グライスの最大原則は、情報の量、関連性、明確さ、真実性に関する4つの原則を提供します。
指示と言い換え: 語用論は、言葉が他の言葉や状況を指し示す方法、または言い換えられる方法を研究します。これには代名詞の使用や言い換えのメカニズムが含まれます。
語用論は、言語学の他の分野と異なり、単に言葉の構造や形式に焦点を当てるのではなく、言葉が実際のコミュニケーションの中でどのように機能するかを考慮します。それにより、言語の動的な側面とコミュニケーションのプロセスを理解する助けとなります。
難しい、難しいよ…ChatGPTさん。
<プロンプト>
難しいので、 例示をあげてほしい
もちろん、語用論のコンセプトは抽象的で難しいことがありますが、実例を通じて理解を深めることができます。以下にいくつかの例を挙げます。
文脈の役割:
例: ある人が「寒いね」と言うと、それは天候についてコメントしている可能性があります。しかし、窓を閉めるように頼む暗示でもあるかもしれません。文脈によって、このフレーズの意味は変わります。
話者の意図:
例: ある人がレストランで「ここは少し暗いね」と言うと、もしかすると明るくしてほしいという意図があるかもしれません。
暗黙の意味と推論:
例: ある人が「パーティーに来る?」と聞き、もう一人が「宿題がたくさんある」と答える場合、招待を辞退していることを暗示しています。
コミュニケーションの規則と会話の原則:
例: グライスの最大原則に基づき、情報を明確で簡潔に伝えることが重要です。たとえば、「昨日はどうだった?」と聞かれた時に、単に「良かった」と答えるのは適切ですが、その日に起こったすべての出来事を詳細に話すのは過剰かもしれません。
指示と言い換え:
例: 「彼は学生だ」という文は、「その人は学生だ」と言い換えることができます。この場合、「彼」と「その人」は同じ参照対象を指していますが、異なる表現を使用しています。
これらの例は、語用論が言語とコミュニケーションの実際の使用をどのように考察するかを示しています。そして、これらの原則と概念は、私たちが他人と効果的にコミュニケーションをとる方法を理解する助けとなります。
書籍に出てきた例は、
吾輩は猫である(古風で尊大な言い方)
東京へ行くざます(古風で社会的地位の高い女性の言い方)
の2つでした。
それに比べて、何かを依頼することの暗示であったり、文脈的に詳細に答えるべき/答えないの判断であったり、なんだか色々とありそうです。
自分ではうまく扱える気がしないのでここはおとなしく「語用論的意味」をChatGPTを使いこなす呪文として覚えておこうと思います。
2)情報構造
書籍を読んでいて私がまず想起したのが英語の倒置法だったわけですが、ChatGPTに聞く限り、他にも色々あるようです。
<プロンプト>
情報構造を考える上で、英語の倒置法以外にどんな手法がありますか?
情報構造を考慮するとき、言語は新しい情報と既知の情報を提示し、強調するためにさまざまな手法を使用します。英語の倒置法以外にも、いくつかの重要な手法があります:
主題と焦点:
主題は既知の情報を、焦点は新しい情報を提示するために用いられます。言語によっては、主題と焦点を区別するために特定の文法構造や語順を使用します。
語順:
語順は情報構造に大きく影響します。例えば、新しい情報を強調するために文の最後に位置する言語があります。
前置詞句と後置詞句:
前置詞句と後置詞句は、新しい情報や特定の情報を強調するために使用されます。
代名詞と定冠詞:
代名詞は通常、既知の情報を参照し、定冠詞は特定の情報を指し示すのに役立ちます。
副詞と修飾語:
副詞や修飾語は、特定の情報に焦点を当てるか、その情報の重要性を強調するために使用されます。
照応:
照応は、以前に言及された情報を参照するために使用され、情報の連続性を保ちます。
受動態と能動態:
受動態は通常、行為者よりも行動や受け手に焦点を当てるのに使用され、能動態は行為者に焦点を当てるのに使用されます。
強調構造:
強調構造(例:"It is X that Y")は、特定の情報を強調するために使用されます。
これらの手法は、言語によって異なる形で現れ、情報構造を形成し、理解するのに役立ちます。それぞれの言語はこれらの手法を組み合わせて、情報を効果的に組織し、提示します。
使いこなせる気が全然しないので、これをできるプロの翻訳者さんはやっぱりすごい。
3)詩的効果で韻を踏む。
書籍を見ていると、何の音で韻を踏むかを指定しなければいけないようですが、日本語から英語に韻を踏んだ状態で翻訳ができるそうです。
ふと、疑問が湧きます。
ChatGPTは、韻を抽出できるのでしょうか?
書籍にあった例示を使ってやってみましょう。
<プロンプト>
河童が掻っ払って酔っぱらった(かっぱがかっぱらってよっぱらった)
この文章から韻を抽出してください。
この文章「河童が掻っ払って酔っぱらった(かっぱがかっぱらってよっぱらった)」から、いくつかの韻を抽出できます。特に、「かっぱ」「かっぱらって」「よっぱらった」のフレーズは同じ音節「っぱ」を含んでいて、これが韻を形成しています。また、「らっ」の音も繰り返されていて、これが別の韻を形成しています。
より具体的には、以下のようになります:
「っぱ」の音は、「かっぱ」、「かっぱらって」、および「よっぱらった」で繰り返されています。
「らっ」の音は、「かっぱらって」および「よっぱらった」で繰り返されています。
これにより、文は音楽的なリズムや韻律を持っているように感じられます。
書籍で指定されているkの音は出てきませんでしたが、翻訳前にChatGPTに韻を抽出してもらい、それを自分でプロンプトに埋め込むようなことはできそうです。
長くなってしまったので、残りはまた別の記事で書こうと思います。
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